12月7日『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』（ＣＢＣラジオ）では、先日開催されたTHE ALFEEの秋ツアー名古屋公演の楽屋に、小堀勝啓がお邪魔してライブ直前の坂崎幸之助さんへインタビュー。
24日にリリースされる3年ぶりのオリジナルアルバム『君が生きる意味』について、どこよりも早く語ります。
西尾の夏休み
坂崎さんは71歳。小堀が75歳。「歳をとると睡眠の質が悪い」という話から、坂崎さんがこどもだった頃を振り返りました。
坂崎「毎年、夏休みに愛知県西尾市のおじいちゃんのうちに行ってたんですけど、朝4時ぐらいに起きて毎日釣りに行ってたんですよ」
坂崎さんも一緒に釣りへ。庭の石をどけるとミミズがいて、それを缶に詰めて餌に持って行ったそうです。
坂崎「釣り終わって、7時ぐらいに知り合いの酒屋に寄って飲んで帰って来るんですよ。じいちゃんは寝れなかったのかな 。57で死んじゃいましたけど、いま思えばいい人生だったなと思います」
この時に釣れたのはフナ。外来種の雷魚。一度だけ20センチぐらいのクサガメがかかったことがあるとか。
小堀「それ、いまお家で飼ってる？」
坂崎「田舎の庭にちっちゃな池があって、そこで飼ってましたけど…逃げましたけどね。あの西尾の夏休みは僕の人生の中で一番いい思い出ですね」
高田渡のアパート
坂崎「日本の原風景。東京じゃ全く見られないですからね」
小堀「高田渡さんのとこに取材に行った人の話を聞いたんですよ」
「日本の原風景」からフォークシンガー高田渡さんの話へ飛びました。
高田さんは1960年代後半から活動を開始。日本のフォークムーブメントの中心にいたひとり。フィンガーピッキングの名手でもありましたが、2005年に56歳で亡くなりました。
その後、ドキュメンタリー映画も作られています。
小堀「家に行ったんだけど、『ゴメン電気切られちゃった。暗くなったから明日にしてくれる？』って」
坂崎「三鷹の六畳、四畳半のアパートですよ。アンペア数低くてね」
高田渡談義
坂崎さんは、高田さんが初めてCDを見た時のエピソードを披露。
CDプレーヤーがない高田さんは、奥さんとふたりで電気に照らして「綺麗だね」と眺めていたとか。
坂崎「あの人は生き様からしてフォークシンガーで詩人なんです。お父様が詩人だから元々の血があったんでしょうね。素敵な人でしたよ」
さらに小堀は、名古屋で行なわれた野外のフリーコンサートでのエピソードを始めました。
高田さんが出ると言うことで、ワクワクしていたそうですが、現れる気配なし。スタッフにいつ来るか聞くと、「今朝早くにこっち来た」と言う返事。
小堀「機材にかけてあった毛布がもごもごと動いて、もこーっと起きてきたのが渡さん」
坂崎「どこにいたんですか？」
小堀「足の下の機材のところ（笑）」
早く来すぎたから毛布を被って寝ていたんだそうです。「朝からビール飲めるイベントはいいね」と言う高田さんに、「いや誰も飲んでませんよ。高田さんだけですよ」と答えた小堀。
小堀「昔の志ん生の落語に出てくるご隠居さんみたいでしたね（笑）」
吉田拓郎談義
坂崎「素敵な方でしたよ。ギター1本。本1冊。カメラ1個持てば旅に出れるって言ってました」
小堀「カッコいい！」
坂崎「高田渡さんに憧れるんだけど、自分じゃ無理ですね。いらないものだらけ」
ギターやカメラなど多趣味な坂崎さんです。
小堀「それがいいんですよ。断捨離は、自分の貴重な思い出を切り捨てて行ってるようなものですから」
坂崎「年に何回かお会いできる吉田拓郎さんも、家に無駄なモンがなんもないんですよ」
現在、ギターは2～3本しかないそうです。坂崎さんは「僕んとこに拓郎さんのギター、まだ来てませんよ」って言ったら「お前のとこに行くのはないよ」と言われたんだとか。
さらに吉田拓郎さんは、50歳、60歳、70歳の都度に、何年も会っていない友達まで断捨離しているそうです。
坂崎「だからすっきりして身軽なんですよね。奥さんの森下愛子さんがいらっしゃれば何もいらない。あとギブソンのJ-45、1本あればいい。素敵ですよ」
小堀「人間歳とって変な欲が出てくるとよくない」
坂崎「すいません（笑）」
ニューアルバム初取材
小堀「アルフィーはそういう欲にまみれた曲ない（笑）。『君が生きる意味』。これですからね」
12月24日発売のニューアルバム『君が生きる意味』へ強引に持って行く小堀。
小堀「タイトル聞いた時、命題を突き付けられたような気がしました」
坂崎「僕も煩悩をいくつまで減らせるかです。高見沢（俊彦）はギターが600本近いんですよ」
小堀「煩悩だらけ（笑）」
坂崎「君が生きる意味はギターを集めることですか？みたいな。…今度の取材で今の会話使おう（笑）」
ニューアルバムの取材はまだどこも来ていないと坂崎さん。今後の取材では、高見沢さんの生きる意味はギターを集めること、という話が出るかもしれません。
ちなみに桜井賢さんの生きる意味は「焼酎」だそうです。
亀は哲学者
小堀「幸ちゃんの生きる意味はいっぱいあるからな」
坂崎「でも熱帯魚とか命をたくさん消費してきました」
ギターやカメラ、演芸から生き物まで幅広い趣味の坂崎さん。熱帯魚や爬虫類を死なせる度に、何がいけなかったのか？と反省してきたそうです。
坂崎「犬・猫は病院もしっかりありますけど、熱帯魚とか爬虫類はなかなか専門医がいませんからね。だから、そういう意味では命との関わり合いは考えてきましたね」
小堀「亀を飼ってらっしゃるけど、長生きなんでしょ？」
坂崎「僕は亀を見ているとものすごい勉強になる気がするんです」
亀は頑固で無言で物静かな哲学者のようだと言う坂崎さん。
例えば進行方向に大きな石があると、そこで半日ぐらい動かないそうです。
坂崎「横に逸れりゃあいいと思うんだけど、亀はそういう生き物ですよ」
生きる意味とは？
坂崎「亀は長生きと簡単に言いますけど、ちゃんと飼うのは本当に難しい生き物です」
温度管理。水が多い少ない。健康状態が良いか悪いかは、鳴かないし顔色が分からないので判断できないなど。とにかく難しいとか。
小堀「前、ツアーにも連れてこられてましたね」
現在、坂崎さんの飼っている亀は2種類。オスは亡くなり、両方ともメスだそうです。
坂崎さんは今後のことを考えて、2匹の亀を静岡県にある爬虫類専門の動物園に引き取ってもらうことにしたとか。
坂崎「そこにはオスもいるし仲間もいる。もしかしたらペアになるかもしれない。僕は欲望のままにいろいろ飼ってきたけど、やっぱり子孫増やしてかなきゃいけないな。僕が生きる意味は亀を増やすことです」
この後も坂崎幸之助さんと小堀勝啓の話は尽きませんでした。
クリスマスにはTHE ALFEE、3人の生きる意味を噛みしめながらニューアルバム『君が生きる意味』を聴いてみましょう。
（尾関）
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2025年12月07日10時30分～抜粋