12月8日、映画監督の山崎エマさんが、CBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。
13日から全国公開中のドキュメンタリー映画『小学校~それは小さな社会~』では、山崎監督自身が海外での生活を経て、日本の教育を見つめ直した経験や考えが生かされているようです。
山崎エマ監督『小学校~それは小さな社会~』で日本の教育を再評価
日本を出て分かった事
イギリス人の父と日本人の母を持ち、日本に生まれ日本の小学校で学んだ山崎監督。
本作のフライヤーやホームページには「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、日本のこどもは“日本人”になっている」と書かれています。
これは山崎監督の見解とのこと。
本作は二十代をニューヨークで暮らした山崎監督の視点で作られたドキュメンタリー映画。
きっかけとして、ニューヨークで仕事をしていて「責任感ありますね」とか「頑張りますね」と褒められたことを挙げます。
最初は普通にしているだけなのに、そう言われる理由がわからなかったとか。
山崎「育ってる時は気づかなかったんですけど、どうして自分はこういう人間になれたのか?って考えたら、小学校の6年間で学んだことが、結果として強さになったんだという感覚があったんです」
本作のフライヤーやホームページには「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、日本のこどもは“日本人”になっている」と書かれています。
これは山崎監督の見解とのこと。
本作は二十代をニューヨークで暮らした山崎監督の視点で作られたドキュメンタリー映画。
きっかけとして、ニューヨークで仕事をしていて「責任感ありますね」とか「頑張りますね」と褒められたことを挙げます。
最初は普通にしているだけなのに、そう言われる理由がわからなかったとか。
山崎「育ってる時は気づかなかったんですけど、どうして自分はこういう人間になれたのか?って考えたら、小学校の6年間で学んだことが、結果として強さになったんだという感覚があったんです」
時間をかけて撮影
日本の小学校では給食の配膳や掃除の当番、登下校など、自分たちで社会を作ることを学んでいます。
これは日本独特のことで、世界の教育では考えられない驚くようなことだとか。
山崎「これを捉えて世界に紹介もしたいし、日本人にも日本で当たり前にあるもののすごさに気づいて欲しいってことで、実は10年前に取り組んでやっと日本でも公開できるまでになりました」
ある公立小学校で延べ4,000時間に渡る長期取材を実施。150日間で700時間ほどの素材が集められたそうです。
映画では小学1年生の教室が主な舞台となり、生徒や先生の活き活きとした普通の日常が撮られています。
こどもでなくても撮られる方は意識してしまうものですが、どのようにカメラを向けたのでしょうか?
山崎「教室があって机があるように、カメラもあるみたいな感じでスタートすることが自分のやりたかったことです。先生もエマさんも毎日いる、みたいにして時間をかけてやりました」
これは日本独特のことで、世界の教育では考えられない驚くようなことだとか。
山崎「これを捉えて世界に紹介もしたいし、日本人にも日本で当たり前にあるもののすごさに気づいて欲しいってことで、実は10年前に取り組んでやっと日本でも公開できるまでになりました」
ある公立小学校で延べ4,000時間に渡る長期取材を実施。150日間で700時間ほどの素材が集められたそうです。
映画では小学1年生の教室が主な舞台となり、生徒や先生の活き活きとした普通の日常が撮られています。
こどもでなくても撮られる方は意識してしまうものですが、どのようにカメラを向けたのでしょうか?
山崎「教室があって机があるように、カメラもあるみたいな感じでスタートすることが自分のやりたかったことです。先生もエマさんも毎日いる、みたいにして時間をかけてやりました」
小学校で培う事
山崎監督の話を聞きながら、小堀は災害時における日本人の行動について思い当たることがあった様子。
小堀「みんな同じ被災民なんだけど、なんかリーダーシップをとる人がいて、何となく自治組織みたいに物事が動いていく。これって小学校時代に培ったことかって思いました」
「集団」という言葉がネガティブに使われることも増えている昨今ですが、山崎監督はこう語ります。
山崎「日本のこどもたちは思いやりがあると言われているんですが、他人のことを自分のことのように思える力は、小さい頃から集団でいるからこそ身につくんだと思います」
さらに小学校という教育の場について「コミュニティでの責任や役割を学ぶ場。社会に入る練習をするところ」と続けます。
小堀「みんな同じ被災民なんだけど、なんかリーダーシップをとる人がいて、何となく自治組織みたいに物事が動いていく。これって小学校時代に培ったことかって思いました」
「集団」という言葉がネガティブに使われることも増えている昨今ですが、山崎監督はこう語ります。
山崎「日本のこどもたちは思いやりがあると言われているんですが、他人のことを自分のことのように思える力は、小さい頃から集団でいるからこそ身につくんだと思います」
さらに小学校という教育の場について「コミュニティでの責任や役割を学ぶ場。社会に入る練習をするところ」と続けます。
実は当たり前じゃない
愛犬の散歩コースに小学校の通学路があるという小堀。
小堀「年長の人たちが下のこどもたちを待っててみんなで登校する。4月になると、1年生が入って来て、みんなで行く。それが受け継がれていくって何と美しいことだろうと思うんですよ」
山﨑「それが美しいと気づけたらいいんですけど、当たり前過ぎてね」
実は日本に住んでいた頃は「早く日本を出たいと思っていた」という山崎監督。
しかし日本を出て、海外と比べることで良い部分が見えてきたといいます。
山﨑「何とも思っていなかった日本の当たり前にすごいところに気づけて人生のプラスになりました。みなさんにも自分の作品が、そういうきっかけになればと思っています」
小堀「年長の人たちが下のこどもたちを待っててみんなで登校する。4月になると、1年生が入って来て、みんなで行く。それが受け継がれていくって何と美しいことだろうと思うんですよ」
山﨑「それが美しいと気づけたらいいんですけど、当たり前過ぎてね」
実は日本に住んでいた頃は「早く日本を出たいと思っていた」という山崎監督。
しかし日本を出て、海外と比べることで良い部分が見えてきたといいます。
山﨑「何とも思っていなかった日本の当たり前にすごいところに気づけて人生のプラスになりました。みなさんにも自分の作品が、そういうきっかけになればと思っています」
寿司、アニメ、小学校?
本作はアメリカ、フィンランド、ギリシア、韓国、エジプト、ドイツなどでも公開され、高い評価を受けています。
小堀「ワールドカップで日本の選手たちもお客さんたちもゴミを拾っていく。この映画を拝見して『俺、小学校の時、これ習ってたわ』と思いました。日本って実はとても素敵な国だったんですね」
海外の評価にも「日本人がゴミを拾って帰る理由がわかった」という意見があったそうです。
山崎「海外において日本って、スシ、アニメ、サムライとかが有名ですが、実は日本のことを知ってもらうには小学校教育ってひとつの軸なんじゃないかと思うんです」
小堀「ワールドカップで日本の選手たちもお客さんたちもゴミを拾っていく。この映画を拝見して『俺、小学校の時、これ習ってたわ』と思いました。日本って実はとても素敵な国だったんですね」
海外の評価にも「日本人がゴミを拾って帰る理由がわかった」という意見があったそうです。
山崎「海外において日本って、スシ、アニメ、サムライとかが有名ですが、実は日本のことを知ってもらうには小学校教育ってひとつの軸なんじゃないかと思うんです」
日本式を取り入れる
現在エジプトでは、国を挙げて日本の「特別活動」、略して「特活」を教育の場に取り入れているそうです。
これは日本では当たり前になっている掃除、日直、学級会などのことを指します。
海外の学校では先生が生徒に指示するトップダウン方式が主となっており、日本のようにこどもたちが責任を持って何かに取り組める環境がないそうです。
昨年エジプトを訪れた山崎監督によると、「特活」がそのままアルファベットで「TOKKATSU」になっていて、「SUSHI」以上に日本語ワードとして認知されているとのこと。
これは日本では当たり前になっている掃除、日直、学級会などのことを指します。
海外の学校では先生が生徒に指示するトップダウン方式が主となっており、日本のようにこどもたちが責任を持って何かに取り組める環境がないそうです。
昨年エジプトを訪れた山崎監督によると、「特活」がそのままアルファベットで「TOKKATSU」になっていて、「SUSHI」以上に日本語ワードとして認知されているとのこと。
日本はどうする?
海外の教育では日本の良い部分を取り入れる動きがあります。
ところが日本の教育現場では「海外と違うからダメ」と、運動会などの行事をどんどんなくしています。
山崎「私がニューヨークで活躍できた理由のひとつは、こどもの頃に味わった達成感だと思います」
机に座って先生の話を聞くだけではなく、「特活」という経験でしか学べない教育も重要と指摘する山崎監督。
山崎「行事ごととかは削減されつつあるんですけど、こどもが活躍できる場を残せられたらいいなと思います」
映画を観て、日本人の美徳を再認識したという小堀ですが、ひとつだけ気にかかることがあるようです。
小堀「どうも、よそに出ると急に『いや、俺なんて』みたいになるのがねえ」
そんな小堀に言葉をかける山崎監督。
山崎「周りに迷惑かけない協調性は日本の強みです。それにプラスして、自信を持って個性を活かせるようになれば最強の国になれると思います」
(尾関)
ところが日本の教育現場では「海外と違うからダメ」と、運動会などの行事をどんどんなくしています。
山崎「私がニューヨークで活躍できた理由のひとつは、こどもの頃に味わった達成感だと思います」
机に座って先生の話を聞くだけではなく、「特活」という経験でしか学べない教育も重要と指摘する山崎監督。
山崎「行事ごととかは削減されつつあるんですけど、こどもが活躍できる場を残せられたらいいなと思います」
映画を観て、日本人の美徳を再認識したという小堀ですが、ひとつだけ気にかかることがあるようです。
小堀「どうも、よそに出ると急に『いや、俺なんて』みたいになるのがねえ」
そんな小堀に言葉をかける山崎監督。
山崎「周りに迷惑かけない協調性は日本の強みです。それにプラスして、自信を持って個性を活かせるようになれば最強の国になれると思います」
(尾関)
関連記事