杉咲花さん主演の映画『朽ちないサクラ』が、6月21日から全国公開となります。
「孤狼の血」シリーズで知られる柚月裕子さんによる警察ミステリー小説を映画化した注目の作品です。
6月2日『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)には監督を手掛けた原廣利さんが出演しました。
エンターテインメントが2作品
現在公開中の『帰ってきた あぶない刑事』の監督も務める原さん。
両作品とも警察署を舞台にしていますが、『あぶない刑事』は華やかでハチャメチャ、一方の『朽ちないサクラ』は重厚なサスペンスミステリーです。
小堀「『朽ちないサクラ』を単に社会派と言ってしまう人がいますけど、映画ファンとしては両作品ともとびっきりのエンターテインメントだと思います」
原「僕としてはエンターテインメントとしてお客様を喜ばせたい思いで撮らせていただきましたんで、そう言っていただけて本当に嬉しいです」
どうなってるんだ?
小堀「始まりから、どうなってるんだ?という映画です」
杉咲花さん演じる泉は警察の事務方の職員。親友である新聞記者とふたりで他愛もない話をしている時に、ポロッと漏らしたひとことが大変な事件になっていくという内容。
ストーカー被害をちゃんと処理しないままにした警察。その後の凄惨なストーカー殺人事件。警察の不祥事のスクープ。泉の親友の新聞記者の死を経て、警察内部の刑事部と公安部のせめぎ合いが描かれます。
小堀「ご覧になるとわかりますが、話自体にびっくりしますよ」
原「いろんなものが絡み合って、それがひとつになって、事件が浮き彫りになってくるっていうのが、僕もやっててすごく楽しかった部分だったんで、そういうのを言っていただいてすごく嬉しいです」
三河地方でのロケ
物語の舞台は愛知県平井市という架空の街。撮影は愛知県の三河地方で行われました。
ロケは蒲郡市を中心に豊橋市、岡崎市、豊川市、幸田町で行われたそうです。
昨年の3~4月頃、桜を追ってロケをしたのですが、暖冬で開花が早まって大変だったとか。
しかし、助監督はじめスタッフが臨機応変に動いたことで、映画で象徴となる桜が撮れたそうです。
原「泉の心情とともに桜がどんどん咲いていく。普通ならきれいに見える桜なんだけど、今の泉の心情からすると公安=桜です。
満開に囲まれて恐怖を感じるような描写になればいいと思ってましたね」
応援したくなる主人公
俳優陣の熱い演技も注目です。
大げさに見栄を切るような演技ではなく、内から燃え上がるような演技合戦は、現場で見ている監督も楽しかったそうです。
もちろん主人公を演じる杉咲花さんも見逃せません。
原「杉咲さんはすごく素直な感じで突き進む泉って役なんですけど、僕もすごく応援したくなるというか。頑張れっていう感じがありましたね。
俳優部もスタッフも、すごく熱量を持ってついてきてくれてたので、本当に一体となってできたと思います。映画はあんなに暗い感じなんですけど現場は楽しかったです」
余白も楽しめる映画
『朽ちないサクラ』は「日本映画界に一石を投じるような作品」と評した小堀。
小堀「いい映画って観終わって何回も反芻できるからいいですよね」
原「この映画は最後に余白がある。映画館を出た後に、ご自身で考えてもらう。それすらも映画がもたらす娯楽の時間として楽しんでもらえればと思います」
さらにインタビューでは『帰ってきた あぶない刑事』の話でも盛り上がりました。
もうすぐ公開の『朽ちないサクラ』、ぜひ劇場でお楽しみください。
(尾関)
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2024年06月02日10時38分~抜粋