小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

リアルタイム世代が振り返る。二大バンド ビートルズとクイーンの影響

12月17日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)では、73歳のパーソナリティ・小堀勝啓が、ビートルズとクイーンに出会った時のことを振り返りました。

後世に影響を残している二大バンドは、当時の日本でどう受け入れられたのか?リアルタイム世代ならではの分析を語ります。

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今、なぜ、このふたつのバンド?

今年はポップス・ロック界で大きなトピックスがありました。
まずビートルズはデビュー60周年。イギリスでデビューして『プリーズ・プリーズ・ミー』というアルバムをリリースしたのは1963年3月22日。
今年の11月には最後の新曲と言われる「ナウ・アンド・ゼン」を発表しました。


さらにベストアルバム『赤盤』『青盤』の2023エディションもリリース。名古屋初となるビートルズトリビュートライブ『Dear Beatles 名古屋』も3月に開催されました。小堀もゲストとしてステージに立ちました。

一方、デビュー50周年を迎えたクイーン。9月にはクイーンとフレディ・マーキュリーにまつわる1,500点ほどの品がオークションに出品されました。フレディが愛用していたヤマハのグランドピアノが3億2000万円で落札、フレディ・マーキュリー直筆の「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞も2億6000万円と高額で落札されました。

大晦日の『NHK紅白歌合戦』には特別企画で出演し、年明けには来日してドームツアーが開催されます。

それに合わせてライブベストアルバム『絆(Kizuna)』がリリースされます。

小堀「デビュー50年、60年経っても、ビートルズ、クイーン、大変なもんです」

初めてのビートルズ

小堀が初めてビートルズに出会ったのは、12歳の終わりか13歳になった頃。学年で言えば小6か中1だったそうです。

自宅で夕飯を食べながらテレビニュースを見ていたら、海外の話題を扱うコーナーで「さて紳士の国イギリスでは、いま4人組ロックバンド、ビートルズが大人気です」と特集が始まったそうです。

ビロードの幕がかかったホールのステージで歌う4人の若者。お揃いのダークスーツにネクタイ。そして首を振る度に揺れるサラサラのマッシュルームカット。

小堀「ジャーンと演奏し終わると、ドラムのリンゴ・スター以外、前の3人が横一列に並んで、揃って90度のお辞儀をする。これがめちゃくちゃカッコよくて、新鮮でいっぺんにファンになりました」

ここがカッコいい

若者に人気だった、ベンチャーズに代表されるエレキバンドは、色物のタキシードに蝶ネクタイ。髪はポマードで固めたオールバックのようなリーゼントのようなヘアスタイル。
少年期の小堀からすると、夜のニオイがするオッサンのバンドに見えたそうです。


小堀「ところがビートルズは少年の面影が残る、あどけなさもあるような親しみやすい感じ。しかも全員で演奏しながら歌う。このスタイルが特別新鮮でカッコよく見えました」

それまでのバンドはメインのシンガーがいて、後はバックバンドというスタイルが一般的でしたが、全員で歌う、ハモるというのがカッコよかったんだとか。
翌日レコード店に直行した小堀。当時は店内で試聴ができたそうです。


小堀「で、かけてくれるんですよ。何回も聴いてなるほどなあと。そこからラジオのリクエスト番組をチェックして、新譜が出る度に追っかけて。映画の情報があれば、封切られる度に必ずチェックしていました」

特に小島正雄さんがディスクジョッキーを務める『9500万人のポピュラー・リクエスト』(文化放送)という番組ではビートルズをいち早く紹介。本国から取り寄せたインタビューなどをよく聴いていたという小堀。

クイーンとの出会い

一方、クイーンが日本で認知された頃、小堀はすでに社会人となりCBCに入社していて、アナウンサーで洋楽担当をしていたそうです。

クイーンを最初に見たのは音楽雑誌『ミュージック・ライフ』の誌面でのこと。「ブリティッシュロックの新興勢力で曲もめちゃくちゃいい」という特集がされていたそうです。


小堀「何これ?と思いました。フロントマンのフレディ・マーキュリーは太い眉にギョロ目。濃い髭の剃り跡。歯の出た人です。そんな個性的な人が袖のたっぷりしたフリフリの王子様スタイルで歌う。半分笑えるような、グロテスクなような感じでした」

早速レコード室でクイーンの新譜を聞かせてもらったそうです。「おっ」と思ったというその曲は「キラー・クイーン」。日本では1975年発売の曲でした。

クイーンは本国イギリスでは際物扱いされていたそうですが、最初に評価したのは、実は日本でした。特に武道館公演のライブ盤は海外から高い評価を受けたんだとか。

ビートルズは2曲目から

小堀「偶然にも小堀はビートルズ、クイーンとも、出会いはビジュアルからでした」

その後小堀は、ビートルズの日本での仕掛け人、東芝のビートルズ担当初代プロデューサー高嶋弘之さんにインタビューする機会を得ました。

高嶋さんはビートルズデビュー曲「ラブ・ミー・ドゥ」を聞いた時は、地味なので「これは火がつかん」と思ったそうです。

その後出た「プリーズ・プリーズ・ミー」「抱きしめたい」で、「これだ!」とひらめいたということです。

そこから猛烈にプッシュしていって日本でも大ビートルズ旋風が起き、小堀少年も心を掴まれてのめり込んでいったのでした。

プロの目に脱帽

そして日本におけるクイーンの仕掛人で雑誌『ミュージック・ライフ』元編集長、東郷かおる子さんからも裏話を聞いているそうで、それも小堀の貴重な財産。

小堀「ただ言えるのは、いくら仕掛けても本人たちに素養がなければこんなにビッグにはならないです。それなのに、海のものとも山のものともつかない原石の真の価値を見抜くプロの目のすごさ。改めて学ばせていただいた気がします」

ビートルズ、クイーンとの出会いについて小堀が語りました。 
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2023年12月17日11時03分~抜粋

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