10月16日、アリスのメンバーでソロとしても「昴」など数々の名曲を残したシンガーソングライターの谷村新司さんが、8日に亡くなっていたことがスタッフのSNSによりわかりました。74歳でした。谷村さんは急性腸炎の手術を受けての療養中でした。
22日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』では、長年に渡って谷村さんと親交のあった小堀勝啓が過去のエピソードを振り返ります。
谷村新司さんが教えてくれた、姿勢をよくする方法
ミキサー泣かせ
小堀「静養中とは聞いていたんですけども、突然の訃報で驚きました。小堀も長いお付き合いがありましたので、僕なりにチンペイさんの思い出を語ってみたいなと思います」
「チンペイさん」こと谷村さんと、ひとつ年下の小堀は30代からの付き合いでした。
まずは小堀が担当していたCBCラジオの深夜番組『小堀勝啓のわ!Wide とにかく今夜がパラダイス』(1982年10月~1989年9月)でのエピソード。
小堀「チンペイさんはいつ会っても穏やかで、ニコニコしてあの独特の語り口。僕らは声を張って話す癖がついてるんですが、(谷村さんは)徹頭徹尾声を張らない」
谷村さんはいつも優しい声で「そうやねえ。僕、思うんやけどねえ、小堀さん」。
大きな声で「そうですか!」と答える小堀、モノマネ交じりに再現します。
音のレベルを声の大きい小堀に合わせると谷村さんの声が聞こえず、谷村さんに合わせると、当時の技術では小堀の声が割れてしまって困ったんだとか。
小堀「だからふたりの会話は、よくミキサー泣かせと言われました」
「チンペイさん」こと谷村さんと、ひとつ年下の小堀は30代からの付き合いでした。
まずは小堀が担当していたCBCラジオの深夜番組『小堀勝啓のわ!Wide とにかく今夜がパラダイス』(1982年10月~1989年9月)でのエピソード。
小堀「チンペイさんはいつ会っても穏やかで、ニコニコしてあの独特の語り口。僕らは声を張って話す癖がついてるんですが、(谷村さんは)徹頭徹尾声を張らない」
谷村さんはいつも優しい声で「そうやねえ。僕、思うんやけどねえ、小堀さん」。
大きな声で「そうですか!」と答える小堀、モノマネ交じりに再現します。
音のレベルを声の大きい小堀に合わせると谷村さんの声が聞こえず、谷村さんに合わせると、当時の技術では小堀の声が割れてしまって困ったんだとか。
小堀「だからふたりの会話は、よくミキサー泣かせと言われました」
女子大生が競う「谷村新司杯」
谷村さんは名古屋に来ると、小堀の番組によく顔を出していたそうです。
そんなエピソードのひとつが「谷村新司杯」。
1980年代の初め、CBCラジオでは、谷村さんのキャンペーンを兼ねて「谷村新司杯」というテニス大会を開催したことがあります。
この大会に出場したのは「ぽっぷる小町」という女子大生DJたちとリスナー。
この「谷村新司杯」、小堀が中継を担当しましたが、なんと谷村さんも試合会場に足を運んだそうです。
小堀「チンペイさんはコートには立たないんですけど、(放送席に)いて批評してくれるみたいな不思議な放送でした」
そんなエピソードのひとつが「谷村新司杯」。
1980年代の初め、CBCラジオでは、谷村さんのキャンペーンを兼ねて「谷村新司杯」というテニス大会を開催したことがあります。
この大会に出場したのは「ぽっぷる小町」という女子大生DJたちとリスナー。
この「谷村新司杯」、小堀が中継を担当しましたが、なんと谷村さんも試合会場に足を運んだそうです。
小堀「チンペイさんはコートには立たないんですけど、(放送席に)いて批評してくれるみたいな不思議な放送でした」
自動車免許取り直し
ふたりが最後に会ったのはコロナ禍前の2018年。小堀が東京の谷村さんの事務所に立ち寄り1時間以上話したそうです。
古希間近だった谷村さんは運転免許を取った話などをしたそうです。
実は谷村さんが免許をとるのは2度目のことです。
アマチュア時代、アメリカで各地の大学を回るコンサートツアーに参加していた谷村さん。
免許の更新時期がアメリカを回っているうちに来てしまい、そのまま失効してしまったそうです。
帰国後もミュージシャンとして忙しく、取る暇がまったくなかったそうです。
谷村さんが改めて免許を取り直したのは、北海道での合宿免許。網走市の東にある斜里という小さな町でした。
「ここ、小堀さんええですわ」とにこやかに語った谷村さん。
「クルマ全然おれへんから実技が楽で楽で。なんぜ一番クルマが多いのが自動車学校の中ですわ。一歩外に出たら信号もないクルマもいない。取りやすかった!」と楽しそうに振り返ったそうです。
古希間近だった谷村さんは運転免許を取った話などをしたそうです。
実は谷村さんが免許をとるのは2度目のことです。
アマチュア時代、アメリカで各地の大学を回るコンサートツアーに参加していた谷村さん。
免許の更新時期がアメリカを回っているうちに来てしまい、そのまま失効してしまったそうです。
帰国後もミュージシャンとして忙しく、取る暇がまったくなかったそうです。
谷村さんが改めて免許を取り直したのは、北海道での合宿免許。網走市の東にある斜里という小さな町でした。
「ここ、小堀さんええですわ」とにこやかに語った谷村さん。
「クルマ全然おれへんから実技が楽で楽で。なんぜ一番クルマが多いのが自動車学校の中ですわ。一歩外に出たら信号もないクルマもいない。取りやすかった!」と楽しそうに振り返ったそうです。
ディナーショーの苦労
アリス活動休止後、ソロになった谷村さんはディナーショーにも挑戦。フォークシンガーがディナーショーをするのは珍しいことです。
谷村さんが一番苦労したのが、歩き方だったそうです。
演出家は「チンペイさん、そらイカンわ。高いお金取って豪華な食事の後、そんなしょぼしょぼと出てきて歌っても誰も喜ばん。姿勢をシャンとしてください」と指摘。
姿勢を気にすると声が出なくなるし、どうしたものかな?と悩んだ谷村さん。
ウォーキングの先生から「猫背で歩く癖を直し、徐々に姿勢を良くしていく方法がひとつだけある」と教えてもらったそうです。
谷村さんが一番苦労したのが、歩き方だったそうです。
演出家は「チンペイさん、そらイカンわ。高いお金取って豪華な食事の後、そんなしょぼしょぼと出てきて歌っても誰も喜ばん。姿勢をシャンとしてください」と指摘。
姿勢を気にすると声が出なくなるし、どうしたものかな?と悩んだ谷村さん。
ウォーキングの先生から「猫背で歩く癖を直し、徐々に姿勢を良くしていく方法がひとつだけある」と教えてもらったそうです。
ソロになるということ
小堀はその姿勢を良くする方法を、谷村さんから伝授されました。
「小堀さん、誰でもできることですから、みんなやりましょう。まずお尻の穴をキュッと締めるんです。お尻の穴、キュッと締めるだけで無理なく背筋が伸びますから」
後日谷村さんのディナーショーに招待された小堀。
会場に上がるエスカレーターに乗っていると、控えの部屋から出てくる谷村さんが見えました。
「あ、小堀ちゃん」と気がつく谷村さん。小堀が「チンペイさん、お尻の穴」と声を掛けると、すれ違いざま「オッケーッ!」と返事が来たそうです。
ショーが始まり、姿勢良くタキシードを着こなす谷村さんは、ジーンズ姿のアリスの頃とは別人だったんだとか。
小堀「『昴』を歌いながら、客席を回って握手しているチンペイさんを見て、ソロになるってこういうことなんだな、見事にディナーショーをひとりで張るアーティストになっていったなと思いました」
「小堀さん、誰でもできることですから、みんなやりましょう。まずお尻の穴をキュッと締めるんです。お尻の穴、キュッと締めるだけで無理なく背筋が伸びますから」
後日谷村さんのディナーショーに招待された小堀。
会場に上がるエスカレーターに乗っていると、控えの部屋から出てくる谷村さんが見えました。
「あ、小堀ちゃん」と気がつく谷村さん。小堀が「チンペイさん、お尻の穴」と声を掛けると、すれ違いざま「オッケーッ!」と返事が来たそうです。
ショーが始まり、姿勢良くタキシードを着こなす谷村さんは、ジーンズ姿のアリスの頃とは別人だったんだとか。
小堀「『昴』を歌いながら、客席を回って握手しているチンペイさんを見て、ソロになるってこういうことなんだな、見事にディナーショーをひとりで張るアーティストになっていったなと思いました」
色気出して歌っていこう
2018年、東京の事務所で会った時には「歳を取ってだんだんいい歌を歌えるようになってきた」と話していた谷村さん、小堀とこんなやりとりがあったそうです。
小堀「チンペイさんはもともと色っぽい人なんですけども、若い頃と違っていい色気が出てきましたよね」
谷村「小堀さんならわかると思うけど、男の色気は60過ぎからやねえ。これからもっと色気出して歌ってこうと思うんや」
いずれアメリカのエンターテイナー、フランク・シナトラやペリー・コモのように、味のあるアーティストになると期待していた小堀ですが…
小堀「それだけに74歳で早すぎる訃報がとても残念だし、同世代の人が亡くなるのはとても淋しいことです。チンペイさん、どうぞ安らかにお眠りください」
(尾関)
小堀「チンペイさんはもともと色っぽい人なんですけども、若い頃と違っていい色気が出てきましたよね」
谷村「小堀さんならわかると思うけど、男の色気は60過ぎからやねえ。これからもっと色気出して歌ってこうと思うんや」
いずれアメリカのエンターテイナー、フランク・シナトラやペリー・コモのように、味のあるアーティストになると期待していた小堀ですが…
小堀「それだけに74歳で早すぎる訃報がとても残念だし、同世代の人が亡くなるのはとても淋しいことです。チンペイさん、どうぞ安らかにお眠りください」
(尾関)
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