小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

OAUのTOSHI-LOW、コロナ禍を通じて知ったアイリッシュ音楽の魅力を語る

最近若者を中心に、日本の音楽シーンでアイリッシュ音楽が話題になっています。

6月4日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』には、アイリッシュフォークを取り入れた楽曲が話題の6人組アコースティックバンド「OAU」から、ボーカル&ギターのTOSHI-LOWさんが出演しました。

TOSHI-LOWさんは、アイリッシュ音楽でおなじみの楽器ブズーキを持参しての登場です。

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懐かしい音がする楽器

OAUは6人組アイリッシュ音楽を音楽的バックボーンにしているアコースティックバンド。
TOSHI-LOWさんは、ロックバンドBRAHMANのボーカルも務めていますが、OAUではアイリッシュブズーキを手に歌っています。

4月リリースアルバム『Tradition』では、収録された14曲全てでTOSHI-LOWさんのブズーキが聴けます。
アイリッシュ音楽特有の"JIG"というリズムを奏でていますが、ギターとは違った郷愁感のある音がします。

小堀「前に会った時に、ブズーキを手に入れたっていう話をされてて、次のアルバムにもうこんなに入ってるのはびっくりした」

TOSHI-LOW「組み込まれてしまったので、やらざるをえなくなったというか(笑)」

ブズーキは弾き方によっては三味線や琵琶のようにも聴こえ、古くからある楽器の音色がすると説明するTOSHI-LOWさん。

TOSHI-LOW「たぶん、目の色や肌の色に関係なく、これを聞いたら懐かしい感じがするんじゃないでしょうか」

日本では珍しいバンド

アルバム『Tradition』の感想を語る小堀。

小堀「褒めるところしかありません!このグレードのサウンドを今の日本でできるってすごい!と思った」

TOSHI-LOW「こういうアコースティックのバンド編成でドラムまであってというのは確かに少ないんですよね」

アイリッシュ音楽を日本で展開しているアーティストは、個人ユニットでは"踊ろうマチルダ"がいましたが、バンドはかなり珍しいようです。

コロナ禍をプラスに

世界に災厄をもたらしたコロナ禍ですが、OAUのメンバーはプラスに捉えたそうです。
外出制限などもあったことで、個々に楽器に向き合う時間が増えたんだとか。個々に練習をすることで演奏力が向上。

TOSHI-LOW「スタジオにリレー形式で入れ替わりで入ってました。誰にも会わなきゃいいんでしょ?みたいな感じで、それをコロナの第一波の時からやってました」

今まではバンド全員でスタジオに入り、ノリを重視に録音していたそうですが、バラバラで録ることで、ひとりひとりが自分のプレーに真摯に向き合い、演奏に深みが出たんだそうです。
こうして完成したアルバムが『Tradition』。

TOSHI-LOW「俺らはミュージシャンなんで、コロナ禍でも音を鳴らさない選択はなかったんです。だったら、みんなでこうやろうってやってたことが、いま考えたらよかったですね」

曲と詞が引き合う

小堀「『Tradition』を聞くと、BRAHMANでは、会場を壊してしまうぐらいの尖ったパワーのあるTOSHI-LOWさんなのに、こんなに優しくて歌が上手いんだなあと、しみじみとして泣きそうになる時がありますね」

小堀が挙げた曲は「This Song –Planxty lrwin-」。400年前のアイリッシュスタンダートのインストゥルメンタル曲にTOSHI-LOWさんが詞を付けたんだそうです。

小堀「無茶苦茶しっくりしてて、昔からこの詞でいてくれたような気がしました」

TOSHI-LOW「俺も詩が書けた時、そう思ったんですよ。全部パズルみたいに綺麗にはまって、自分の言いたいことが全部はまった時に、あれ?こんなにカッチリはまる?みたいな」

TOSHI-LOWさんが作詞をしたというよりその詞を発見したような、曲と詞がお互いに見つけ合ったように、それぐらいしっくりくると小堀は語りました。

TOSHI-LOWさん曰く、この詞は、コロナ禍が始まったばかりの時に書かれたそうで、閉塞感がある中でも希望は捨てていないということをイメージしたそうです。

こどもたちが描いた未来の町

次に小堀が選んだのはアルバムの最後に入っている「懐かしい未来」という曲。

TOSHI-LOW「小堀さんは俺に、震災の時の話をすごく言ってくれたじゃないですか。震災に遭った町に改めて行ったんですよ」

岩手県大船渡市三陸町越喜来を訪れたTOSHI-LOWさんは、そこでこどもたちが描いた未来の越喜来の絵。大人は都会のような絵を予想していたそうですが、こどもたちが描いたのはもともとあった越喜来の町。

TOSHI-LOW「僕らは流された町が好きだから、未来に願いが叶うんだったら、同じ町が欲しいって。大人たちがハッて思ったっていうお話を聞いて、それが『懐かしい未来』になったんです」

小堀「町の復興を考える時に、行政は絶対思いつかないことですよ」

音楽の大切さを再確認

TOSHI-LOW「アイリッシュ音楽ってメロディーが切なくて美しいじゃないですか。どの曲聴いても闇の中の光みたいなものを感じますね」

コロナ禍はないに越したことはないが、結局起こってしまった。起こってしまったことは受け取り方次第で変わる、暗闇でしか見えないものがある、とTOSHI-LOWさんは言います。

TOSHI-LOW「他の人にとっては不要不急かもしれないけど、自分にとって音楽の大事さが、コロナがあって改めてわかったタイプなので、そういう意味ではすごくよかったです」

小堀「アルバム、全曲聴いて欲しいですね。誰かの心のDNAに繋がっていくんだろうなと思います」

TOSHI-LOW「それ頂いていいですか?MCで」

小堀「どうぞ差し上げます。こんな粗末なものでよろしければ」

TOSHI-LOW「誰かの心のDNA、いいですね」
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2023年06月04日10時27分~抜粋

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