小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

ロックバンド怒髪天は令和のクレイジーキャッツ?

4月9日、ロックバンド怒髪天の増子直純さんがCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

3月22日にリリースした6曲入りの『more-AA-janaica』(モウエエジャナイカ)は聴き応えのあるアルバム。
聞き手は増子さんと同じく北海道出身の小堀勝啓です。

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アルバムと蛇足

新作『more-AA-janaica』(モウエエジャナイカ)のタイトルの意味はダブルミーニングだそうです。
ひとつは、コロナ禍に入って続けてきた我慢は「もう、いいじゃないか?」。

もうひとつは、このご時世、もう1回ぐらい「ええじゃないか」を起こしてやろうか、という意味の「more ええじゃないか」。
「ええじゃないか」とは江戸時代末期に歌い踊りながら町を練り歩いた民衆運動です。

初回生産限定盤には写真集が付いています。各曲のコンセプトに沿ったコスプレをした撮りおろしだそうです。

増子「タイトル『蛇足』って書いてますから蛇足なんですけど。今月57歳になりますからね。ビジュアル系でもアイドルでもないのに写真集出すっていう正気の沙汰じゃないです」

新しい宣言の歌

アルバム2曲目に収録されているのが「OUT老GUYS」。
このタイトルもダブルミーニング、トリプルミーニング。無法者のアウトロー。アウト、セーフのアウトにローは老人の老。それでガイは野郎ども、タフガイとかのガイです。

増子「いよいよ『老害』と言われる寸前ですから。こちとら若き頃から害悪ナリですから、いまさら言ってもしょうがねえぞっていうね。厄介なジジイになるぞという宣言ですよ」

パンクロックやロックは早死にのイメージがあるのに、長生きしている自分にびっくりしているという増子さん。

増子「結局、三つ子の魂百までじゃないですけど、ガワだけが年季入ってきて、中身はそんなに変わんないですよね」

いい意味でも悪い意味でも中身は変わらず。というより、何でも楽しめる気持ちがあるので、いい意味の方が多いんだとか。好奇心優先。

小堀「それで、例えうまくいかなくても笑ってすむようなことになる」

増子「今まで何とかなったんだから、何とかなるだろうみたいな。死ななきゃいいかみたいな。すごくデッドラインが低くなってます」

楽しいイメージを持つこと

息の長い怒髪天ですが、もはやこれまでという時があったのでは?と質問する小堀に、「ほぼないですけどね」とあっさり答える増子さん。
コロナ禍におけるバンドのエピソードを語りました。

コロナ禍でライブが出来なくなった時に、メンバーとスタッフが最悪のことも考えながらの話し合いを持ったんだとか。

その時、ドラムの坂詰さんが、時給1,200円でパン工場の夜勤のバイトがあると言い出したそうです。するとべースの清水さんが「俺も行く」となり…。

増子「こいつら、バンド辞めるって概念がすでにないんだなって。悲しくも頼もしい。だからバンドがダメだってことを思ったことはないですね」

WBCで漫画のようなことが起きたように、人生にもそんなことは起きると続けます。

増子「楽しいイメージを抱いてると楽しいことが絶対起こると思うんだよね。楽しむために生まれてますからね。間違いなく」

クレイジーキャッツのDNA

アルバム1曲目を飾る「令和(狂)哀歌~れいわくれいじぃ~」。
Aメロとサビのギャップは、ハナ肇とクレイジーキャッツの「ハイそれまでョ」を彷彿とさせます。

増子「令和の時代にクレイジーキャッツがいたら黙ってないだろう。そのDNAを受け継いだ我々がさらに温度差の激しいものを作ってやろうと思いました」

小堀「これはいい。歌謡曲フレーズをまぶしたロックなイントロで始まって、途中からガラッと変わって踊り入れちゃった感じ」

ロックの逆転現象

増子「ロックって昔は若者がやって、大人が眉をしかめる。今は逆になってますからね。ジジイどもがギャーギャーやって、若者がああいう風にはなりたくないっていう。だから今ロックが最高の状況に来てると思うんですよね」

綺麗な曲を作る若いアーティストが多い中、「年を取れば取るほど、どうしようもなくなってくるって最高だと思うんですよね」と続けます。

フェスでも「令和(狂)哀歌~れいわくれいじぃ~」で老若男女盛り上がることを期待する増子さんです。

小堀「若い人は、あんな年寄りになりてえって思いますよ」

増子「なりたくないまでやりますから」

人間として大きくなった

増子さんは最近、老眼が進み、いろいろと見えなくなってきたそうですが…。

増子「最初は困ってたんですけど、人間としてちょっと大きくなるというか許容範囲が広くなりましたね。どうせ見えないから、ま、いっかみたいな」

しかし頼まれた買い物はメモを流し読みして買い忘れ。時々最悪な状況になって自分自身で凹むんだそうです。

増子「『電池2つ』って頼まれたのに、電池1個だけ買ってっても点かないんですよね。ホントに情けなくなりますけど、それ以外は大丈夫です」

それでも元気いっぱいの増子直純さん。
他のメンバーも高血圧、尿酸値の心配はありながらなんとかなっているそうです。
5月からはライブツアーがスタート。人間として大きくなった怒髪天を体験してみて下さい。 
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2023年04月09日10時29分~抜粋

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