小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

美男子過ぎて役が来ない映画俳優、レイ・ラブロック

CBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』の人気コーナー「コレコレ」。
パーソナリティ小堀勝啓の心の琴線に触れた森羅万象のモノ、コト、ヒトなど思わず「コレコレ」と言ってしまうことを新旧分け隔てなく紹介するコーナーです。

6月19日は、この日誕生日を迎えたイタリア・ローマ出身の俳優、レイ・ラブロックについて小堀が語りました。

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小堀と同い年

「いま洋画っていうとアメリカ映画一辺倒なんですが、1960~1970年代は本当にヨーロッパ映画も大変な人気で、いっぱい名作も封切られました」

特に日本で人気だったのがアメリカ映画と並んでフランス映画、イタリア映画。いい映画にはいい映画音楽が付きものでした。
イタリア映画には巨匠エンニオ・モリコーネ、ニーノ・ロータの傑作がたくさんあります。

自虐ネタのお笑い芸人ヒロシのネタ中に使われた歌は、ペピーノ・ガリアルディが歌った「ガラスの部屋」という曲。
1969年のイタリア映画『ガラスの部屋』の主題歌で、日本でも大ヒットしました。

この『ガラスの部屋』の主演俳優はレイモンド・ラブロック。
レイ・ラブロック名義の時もあります。
ラブロックは1950年6月19日生まれで、小堀と1週間違いの同じ歳です。
ただラブロックは2017年に67歳で亡くなりました。

男が見ても美男子

「『ガラスの部屋』主演のレイ・ラブロックは滅茶苦茶な美男子。いま見てもホントの美男!」

どういう美男かと言うと「イイ男は同性が見ると何だかなあとなる部分がありますが、ラブロックはイイ男感を鼻にかけていない」そうです。

滅茶苦茶モテそうなのに、女性に対しては初心な部分があり、男友達もあんまりいないという孤独の匂いのする美青年なんだとか。
独特のさみしい雰囲気は、日本でも人気を呼んだそうです。

こんな物語

「『ガラスの部屋』っていう映画は、学生運動が盛んな頃の大学生の恋愛ストーリーなんですけど、男2、女1の三角関係ものです」

乱暴な若者たちに袋叩きにされている美青年ラブロックを、通りがかりの若いカップルが助けます。

友達もいないし恋人もいない美青年のラブロックは、助けてもらったお礼にカップルを自分の家に招きます。
行ってみると立派な邸宅に住んでいる金持ちだということがわかります。

小堀「この男は美男子なんだけど危険な感じがしないんですよね」

三角関係だけどドロドロ感なし

カップルの男性は、泊りがけで出なければいけないことがあり、女性の方はラブロックの部屋に置いてもらうことに。

「これ、いま考えたら危ないですよね。イイ男のところに自分の彼女を置いてくの」

なんとなく、この彼女に対してラブロックも恋心を持っていて、最終的にラブロックと彼女は結ばれてしまいます。
帰ってきてから、それを知ったカップルの男性の方は微妙な関係に。

なんだか不思議な友情もあって、やがて3人はラブロックの実家である大邸宅で、一緒に暮らそうということになります。

小堀「3人でベッドを共にするシーンもあって、エロい映画かい?と思うんですが、そうじゃないんですよね」

ラブロックのあまりの浮世離れした美しさと、寂しそうに愁いを含んでいる雰囲気で、三角関係のドロドロとは真逆のスタイリッシュなラブシーン描写になっているんだそうです。

「カメラアングルが綺麗で、なんとも美しい作品に仕上がっています」と評する小堀。

可哀そう系の役ばかり

「彼が出てくると、あまりにも美男だから、なんか浮世離れした感じになるんですね。最後は不幸になる役柄が多かったですね」

ラブロックはなかなか良い役に恵まれなかったのですが、その理由はあまりの美男なため。
マカロニ・ウェスタン『情け無用のジャンゴ』という映画では、ならず者の男たちに誘拐される金持ちの息子役。

小堀「『情け無用のジャンゴ』では、乱暴をはかなんで自殺。そんな可哀そう系の役ばかりでした」

ラブロックのその他の主演映画は『火の森』。これはラブロックが森の中で3人の美女に会うという不思議な話。
『バニシング』という刑事もののアクション映画にも主演を務めました。

有名な映画では、ソフィア・ローレンが主演した『カサンドラクロス』に脇役で出ていました。

日本でヒットを飛ばす

「美男過ぎてダメなのか?と、中年以降は無精髭を生やして、なるべく汚く役作りをして頑張ったんですが、大成することもなく2017年に67歳の若さで亡くなってしまいました」

全盛期『ガラスの部屋』の頃は日本でも人気者で、来日して森永チョコレートのCMにも出たそうです。

また、「恋は風」という日本語で歌うレコードも出しています。「恋は風」はオリコンチャート入りもしたヒット曲。間奏にイタリア語でセリフが入ります。

「いま生きてたら、渋いおじさんの役でまだまだ活躍できたろうになと思うんですけどもね」とレイ・ラブロックを偲ぶ小堀勝啓でした。 
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2022年06月19日11時03分~抜粋

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