小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

課題は頭数と周囲の理解…「介助犬」の仕事とは

人間の歩行などをサポートする「ほじょ犬」。
その中に「介助犬」と呼ばれる犬たちがいますが、その役割についてはまだまだ認知が広がっていません。

5月15日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』では、社会福祉法人日本介助犬協会広報の磯貝歩美さんがPR犬のラルフ君を連れ、介助犬の役割を説明しました。

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介助犬とは

介助犬というと、よく盲導犬と間違われてしまうと語る磯貝さん。

磯貝さん「介助犬と言うのは手や足に障害のある方の出助けをする犬を言います」

また、高齢者を手助けするのが介助犬と誤解している人もいるそうです。

磯貝さん「若くして交通事故や病気で手足が不自由になった方で社会復帰したい、いろんなことに挑戦したい。そういう方の背中を押すのが介助犬と覚えていただければありがたいです」

介助犬の仕事

具体的に介助犬がおこなうことを伺います。

磯貝さん「冷蔵庫を開けて、飲み物を持って、ちゃんと最後は閉めて帰って来てくれます」

小堀「人間のこどもでも開けっ放しで怒られる子いますが、ちゃんと閉めるとは偉いもんですね」

その他には、扉の開閉、靴や靴下を脱がす、上着を脱がすなどの脱衣介助があります。
またコインパーキングの発券機からチケットを取るの難しいという場合も、介助犬が取ってくれるそうです。

課題は数が少ないこと

全国に介助犬は何頭いるのでしょうか?

障害のある人と介助犬で1ペアと数えると、現在日本全国で57ペアしかいないそうです。
潜在的に「介助犬がいれば、もっと良い生活が送れる」と考えられる人は約1万5千人だそうです。

小堀「全然足りない」

磯貝さん「数が少ないので、なかなか見かける機会もありません。なので、介助犬の存在がなかなか広まらないという課題もあります」

一組のペアを育成するのに約300万円の費用がかかり、その9割以上を寄付で賄っているそうです。
募金箱を置いたり、チャリティグッズを販売しているそうですが、育成費用が高額なことも普及が進まない要因のひとつなんだとか。

性格を見て仕事は決まる

日本介助犬協会では現在「勤務犬育成プロジェクト」に取り組んでいます。

小堀「この『勤務犬』というのは介助犬とは違うんですか?」

犬を育成しても、介助犬になれるのは全体の2~3割だそうです。

磯貝さん「残りの7~8割の子たちは、介助犬より別の仕事の方が幸せだって判断をします」

小堀「実は今日来ていただいたラルフ君も、介助犬よりはPR犬の方が向いている子だったんですね」

磯貝さん「ラルフは音にも動じないですし、環境の変化にも動じないんですけども、とにかくワンちゃんが大好き。ワンちゃんを見かけると『遊ぼうよ』と行ってしまうんです(笑)」

病院で働く勤務犬

もしラルフ君が介助犬になると、外に出かけた際に他の犬の方へ行ってしまいます。
そうなると障害のある人が怪我をする可能性もあります。

また、ラルフ君自身にとっても人間から「行っちゃダメ」「ワンちゃんと遊んじゃダメ」と怒られる回数が増え、ストレスが溜まってしまいます。これでは人も犬も幸せにはなれません。

磯貝さん「なので、ラルフは犬がいない場所でゆったり楽しく活躍できるPR犬をしています。ラルフは犬が好きすぎて介助犬には向かなかったんです」

介助犬に不向きな性格の犬は、PR犬以外にも勤務犬という仕事があるそうです。
病院の中で長期療養をしている人とふれ合い、笑顔を届けるんだとか。

ライブ配信で見てみよう

まだまだ知られていない介助犬。
厳しい訓練をさせられるとか、いろんなことを我慢させられていると誤解している人も多いそうです。

磯貝さん「私たちは犬、一頭一頭の性格を見極めて、介助犬になった方が幸せな子。例えば、犬にも反応しない、鳥にも反応しないような子を選んで訓練をしていくので、我慢させられているのではない、ということをぜひ知っていただきたいと思います」

介助犬を知ってもらうためのイベント、『介助犬フェスタ2022』が5月22日、日曜日の13時からライブ配信で行われます。

磯貝さん「介助犬フェスタのデモンストレーションでは、すごく尻尾を振りながらお仕事している様子も出てきますので、その様子もご覧いただけたらと思います」

ちなみにスタジオに来たラルフ君は、最後まで足元でのんびりしていたそうです。
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2022年05月15日11時03分~抜粋

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