小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

偉人のトホホな言葉を集めた『ざんねんな名言』でホッと一息

2022年04月26日(火)

カルチャー

2018年に発売された書籍『ざんねんな名言集』(彩図社)。
偉人研究家の真山知幸さんが、歴史上の偉人達のトホホな言葉を集めた楽しい一冊です。

4月24日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』では、小堀勝啓がこの書籍から気になる名言を紹介しました。

モーツァルトの言葉

本書で取り上げられた偉人は、アンデルセン、モーツァルト、アインシュタイン、ピカソ、トルストイ、チャップリン、エジソンなど誰もが知っている人ばかりです。

歴史上に名を遺す偉業を成し遂げた人たちでも、意外と小さなことにくよくよしていたり、凡人並みの悩みを抱えていたと思うと、微笑ましくもホッとする一冊です。

まずは皆さんご存じの天才作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。
友人に書いた手紙の中にこんな一言があるそうです。

『真の友人が見つからないので、高利貸しから金を借りざるを得ません』

「フィガロの結婚」「魔笛」など、生涯700曲以上の作品を残して、こどもの頃から天才。貴族や金持ちに可愛がられて、愛されて、多くの収入があった超売れっ子のモーツァルトが、こんな言葉を遺しています。

実はモーツァルト、ありあまる収入がありながらカード賭博が大好きで、どんどん注ぎ込んで常に借金地獄だったそうです。あちこち借り倒して、最後は高利貸ししか借してくれるところがなかったんだとか。

たぶん、この手紙を宛てた友達にも、少し貸してくれないかな?という気持ちも込めて書いたのでしょう。

「情けねえ~という感じです」と小堀です。

ブルドッグ顔の名政治家

次は、「ちょっとブルドッグみたいな顔してました」と犬好きの小堀が表現したイギリスの首相、チャーチルの言葉です。

『体操に至っては全く絶望的だった』

チャーチルは、第二次世界大戦でイギリスを勝利に導きました。名演説家としても知られて、国際社会でも熱弁をふるっています。

ウクライナのゼレンスキー大統領が、イギリス議会でオンライン演説をした際、1940年にナチス・ドイツとの対決を宣言したチャーチルの言葉を引用したことが話題になりました。

チャーチルが上記の発言をしたのは、イギリスのある名門校の卒業式に招かれた時だそうです。

勉強はできたのですが、体育が全くの苦手なチャーチル。
イギリスの学校は文武両道が重視されたそうで、その無念さが伝わります。

「運動神経ゼロですから、わかるなあと思いました」と頷く小堀です。
 

将軍の本音

次は日本人。徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜の言葉です。

『天下を取って仕損じるよりは、天下を取らない方がよい』

「なるほどなあ。深いなあ」と感心する小堀。

もともと権力欲のない慶喜、将軍への野心があったわけではないのに、棚ボタ式に将軍職が巡ってきて、無理やり担ぎ上げられました。
幕府軍と討幕派の最後の戦いである鳥羽伏見の戦いへ赴いた慶喜、幕府軍が死に物狂いで戦っている最中、まさかの敵前逃亡。
さっさと大政奉還をして江戸に逃げ帰ってしまいました。

このように260年に渡る政権を朝廷に返して、あっけなく徳川幕府の世は閉じました。

『天下を取って仕損じるよりは、天下を取らない方がよい』

小堀「わかるんだけども、置き去りの幕府軍は大変ですわ」

大勢の戦死者を出して敗北した幕府軍。生き残った旧幕軍の侍は、明治になって職も失うという辛酸をなめます。

当の慶喜は隠居します。器用な人で、油絵、カメラ、狩猟、能楽、馬術と趣味三昧。浮世離れをした毎日を過ごしました。
なんと歴代将軍の中では最長寿の77歳まで生きました。

小堀「何ちゅう呑気な人だろうか。元家臣はやってられませんね」
 

ノーベル賞級の言葉?

最後に小堀が選んだのは、ノーベル賞創設者のノーベルの言葉です。
ダイナマイトの発明でたくさんの富を得たノーベルですが、一方で死の商人とも言われました。
その罪滅ぼしと後進に道を開くために設立したのがノーベル賞です。

『今までの僕は、君にとって、単に金を貢ぐだけの男だ』

実はノーベル、23歳年下の恋人にラブレターを書き送りました。残ってるだけでも218通の手紙を送ったそうです。

その恋人からの返信の内容はひたすら「金を送ってくれ」「今度はこれにお金がいる」「これだけお金が欲しい」…と金の無心ばかり。

ダイナマイトで大儲け。有り余るお金があるノーベルは、その度に金を送ります。
やがて、23歳年下の恋人が他の男の子を宿して、もう別れたいという手紙をよこしました。
これに対してノーベルが返した言葉が、「今までの僕は、君にとって、単に金を貢ぐだけの男だ」。

小堀「いま頃気づいたか、あんた。ということですわ…

世界の偉人といえども、なんとも情けないなあ。なんとなく気のふさぐニュースが多い中、笑ってしまう一冊。すぐ読めて、どっから開いても面白いです」

様々な事情で世の中が思うように回ってくれない、自分には力がないのだろうか…そう思う方は『ざんねんな名言集』、いかがでしょうか?多少は気が楽になるはずです。 
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2022年04月24日11時03分~抜粋
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