小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

伊勢正三、ギターサウンドの魅力

9月22日、シンガーソングライター伊勢正三さんのキャリア50周年を記念し、レーベルの垣根を越えた4枚組CD『THE 伊勢正三』がリリースされました。

10月4日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』は、本作からの曲を紹介しながら、伊勢正三さんの知られざる魅力を、小堀勝啓が解説しました。

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遅咲きの人

『THE 伊勢正三』はライブ演奏ばかり収めた4枚組のCD。なんと60曲中54曲が未発表テイクです。

伊勢正三さんは1971年(昭和46年)フォークグループ「かぐや姫」の第二期に参加。
1975年(昭和50年)から1979年(昭和54年)にかけて元"猫"の大久保一久さんとフォークデュオ「風」を結成して活動。その後はソロに至ります。

小堀「僕の中では、伊勢正三という人はビートルズにおけるジョージ・ハリスンみたいに遅咲きな感じ」
 

2曲の名曲

かぐや姫時代の伊勢さんは中心となった南こうせつさん、キャラ立ちする山田パンダさんよりも年下のため目立たなかったと振り返る小堀。

小堀「それが『なごり雪』(1974年)、『22才の別れ』など、名曲をずっと出しながらシンガーソングライターとしても認められていく」

2曲とも、伊勢さんがかぐや姫のアルバム『三階建の詩』のために書いた曲。「なごり雪」はシングルカットされ、さらにイルカさんがカバーして大ヒットしました。

「22才の別れ」はかぐや姫としてはシングルカットされませんでしたが、風のデビューシングルとしてリリースされ、大ヒットしました。
 

みんな歌った

「『22歳の別れ』。ギターのスリーフィンガーを練習しました。高校生の頃、初めて聞いて胸が熱くなったことを覚えています。風のライブを見に友人と愛知県勤労会館にも行きました」(Aさん)

「『22歳の別れ』を何度聞いたか。そして自分でも歌ったか。名曲は古くなりませんねえ」(Bさん)

フォークブームの頃はギターを練習して歌ったという方も多いようです。

ちなみに最近はコロナ禍でギターがブームなんだとか。懐かしい曲を再び、または挑戦してみてはいかがでしょうか?
 

正やんはギタリスト

「かぐや姫の正やんもいいんですが、個人的には風の正やんが好きなんですよ。先ごろ大久保さんが亡くなって、再結成はもうないんですね」(Cさん)

Cさん同様に「風を組んでからの正やんが好き」という方は結構いるようです。
風の時代に、伊勢さんのギタリストとしてのすごさが際立ったからだ考察する小堀。

かぐや姫はギターサウンドを聞かせるというよりは、ソングライターとしてのグループでした。伊勢さんはむしろサウンドを聞かせるタイプなんだとか。

小堀「何回も間近でギタープレイを聞きましたが、やっぱり上手いんです」
 

多彩なライブ音源

伊勢さんの好みが大きく反映された曲が「海風」。1977年に風の4枚目のアルバム『海風』の1曲目の曲です。
このアルバムはロサンゼルス録音で、ウエストコーストサウンドに仕上げられました。

9月発売の『THE 伊勢正三』には「海風」の1980年の武道館のライブ音源が収録されています。
つま恋のライブ、かぐや姫「アビーロードの街」など、今まで発表されていなかったバージョンが聞きどころです。

「正やんの声を聞くと、いつもあの頃の時代に引き戻されます。いつも変わらない正やんサウンド。しみじみと聞き入ってしまいます」(Dさん)

「風の正やんがリアルタイム世代です。『22歳の別れ』はグッときます。『海風』はハッとさせられます。あのギターの音と技。数年前のライブで目の当たりにした時は、40年前に戻って思わずキャーっと黄色い感性を上げたほどでした。青春だなあ」(Eさん)

小堀「このCD、ライブ音源なので、しっとりと聞かせる『なごり雪』でも“正や~ん”と掛け声が入る。オイオイ、そんな歌じゃないだろ、と思いますが、かつてのアイドル的人気が偲ばれますね」

ギタープレイヤーとしての伊勢さんの魅力も感じられる『THE 伊勢正三』、ぜひ再確認を。
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2021年10月03日10時33分~抜粋

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