小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

異色のラインナップで昭和の特撮を満喫『妖怪特撮映画祭』

寺田心さん主演映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(監督:三池崇史)の公開を記念して、かつての大映映画作品を中心に18本が厳選された『妖怪特撮映画祭』が全国各地で順次公開されています。

9月12日の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』では、小堀勝啓がこの『妖怪特撮映画祭』を紹介しました。

[この番組の画像一覧を見る]

ちょっと変わったラインナップ

小堀「かつて映画が娯楽の王様だった昭和30年代には、お盆の時期になると、映画会社各社競って、お化けや怪談映画を公開をしました」

現在はKADOKAWA傘下となっている大映映画にはこうした作品、シリーズが多数ありました。

『妖怪大戦争ガーディアンズ』のルーツである1968年、および2005年に制作公開された『妖怪大戦争』。
村の守り神である巨大な埴輪像が、農民たちを苦しめる代官たちを懲らしめる『大魔神』シリーズ。東宝の『ゴジラ』に対抗して制作された『ガメラ』シリーズと、ヒット作が多くありました。

変わったところでは、日本初となる70ミリ映画『釈迦』(三隅研次監督・1961年)。『ベンハー』とか『十戒』などの洋画傑作の日本版ともいえます。
また巨大なクジラを倒すために生きる男たちの死闘を描いた『鯨神』(田中徳三監督・1962年)も特撮超大作でした。

大映の怪談映画では、時代劇ファンにもお馴染みのスタッフが参加していて目が離せません。

小堀「変わったラインナップで、かつての日本映画の熱気と完成度の高さを楽しめます」

 

小堀オススメの一本

今回、その中でも小堀がオススメするのが『宇宙人東京に現わる』(島耕二監督)という超レア物のSF映画。

「東京に宇宙人が来たんかい!そういう映画です」

ざっくり解説する小堀。
1956年制作。小堀が観たのは翌年の映画館。大映作品で「日本初の本格カラー特撮SF」と謳われています。

今でこそ、宇宙人は地球人と対等な存在のように描かれますが、当時は宇宙人といえば侵略者、敵として描かれるのが常でした。
『宇宙人東京に現わる』の斬新なところは、宇宙人が侵略者ではないという設定にしたところです。
 

宇宙人東京に現わる

『宇宙人東京に現わる』戦後間もない頃が舞台。「冷戦」と呼ばれ、各国が原水爆実験に明け暮れ、軍拡競争真っ最中。

そんな時、地球各地で巨大な円盤が頻繁に目撃されます。

地球を侵略に来たのか?と騒動になりますが、実は平和を愛するパイラ星人が地球人とコンタクトを取るためにやって来ていたのでした。

パイラ星人の姿はヒトデのような星形で、真ん中に巨大な目玉がある、現在の目から見ればかわいらしさも覚えるようなルックスです。
 

デザインはあの芸術家

小堀「子供心に『人間が入ってんだな』と思いました。人間が入ってる布のハリボテで、胴体に目玉が付いてるって感じがしました」

実はパイラ星人のデザインを手掛けたのは、大阪万博の「太陽の塔」で知られる芸術家の岡本太郎さん。

パイラ星人は高度な知性と高い道徳性を持った宇宙人という設定です。パイラ星人同士の会話はテレパシー。ビヨ~ンという電子音が流れ、字幕でその内容が伝えられます。
 

どれも見逃せない

先に書いたように友好的なパイラ星人。核爆弾で自滅に向かう地球人への警告、そして巨大な天体が地球に近づいていることを知らせたいのですが、その姿に逃げ出してしまう地球人。

パイラ星人は、地球人が自分たちの姿を受け入れないことに気づき、地球人の女性に乗り移ります。
彼女の口を借りて、兵器開発競争の無意味さ、姿形の違うものへの思いやりや愛、そして迫りくる天体の危機を語り始めます。

小堀「これ、今の話じゃねえかっていうぐらいすごく新しいんですよ。さあ、地球人はちゃんと、このアドバイスを聞き入れるんだろうか?他にもユニークな作品がいっぱいです。あなたの心に触れる一本を選んでご覧になってはいかがでしょうか?」
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
この記事をで聴く

2021年09月12日11時07分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報