小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

五輪の度にうつろう「風街」。今年聞きたいアルバム『風街に連れてって!』

7月18日『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』は、小堀勝啓が、松本隆作詞活動50周年トリビュートアルバム『風街に連れてって!』について語りました。
カバー曲を聴きながら小堀勝啓が解説していきます。

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リスナーも期待

「松本隆さんは、私にとっては何年経っても“元はっぴいえんどの”と前についてしまう人です。小堀さんの番組で何を選曲されるか楽しみです。風街。良い言葉ですね」(Aさん)

アルバムの中から、まずかけたのはLittle Glee Monster 「風をあつめて」。これは1971年のはっぴいえんどのアルバム『風街ろまん』に入っていた曲です。
作詞は松本隆さん、作曲は細野晴臣さんでした。

「このアルバム、7月14日に早速ゲットしました。いやー松本隆さんの数々の作品から厳選された楽曲と、それをカバーしているアーティストがまた良い。特に小堀さんにゆかりのあるアーティストが多いの目立ちます」(Bさん)

このアルバムには、クレイジーケンバンドの横山剣さん、原田真二さん、グリムスパンキーなどが参加しています。
 

いろいろ基礎知識

はっぴいえんどはドラムの松本隆さん、ベースの細野晴臣さん、ギター、ボーカルの大滝健一さん、ギターの鈴木茂さん。この4人のバンドです。

「彼らの2枚目のアルバムで『風街ろまん』には名曲が山のようにありました。その『風街ろまん』から取ってトリビュートアルバムは『風街に連れてって!』というタイトルになっています」と解説する小堀。

参加しているビッグアーティストに、色々とアレンジを加えたり、アドバイスしたりする、プロデューサーには、ベーシストとしても活躍する亀田誠治さんが起用されています。

「松本隆さんは作詞家として400組近いアーティスト、2,100曲以上の歌詞を提供してます。総売上としては5,000万枚。ヒットチャート1位を記録した曲は50曲以上って、どんな人なんだ」と、言葉もない小堀です。
 

リスペクトもある

次に小堀が選んだ曲は、デビュー当時から小堀と付き合いのある原田真二さんの「キャンディ」。
原田さんの作曲で松本隆さんの作詞。1977年に原田真二さんが歌って大ヒットしました。カバーしているのは三浦大知さん。

 「カバーって単になぞってもダメで、自分の色も出しながら原曲をリスペクトしなきゃダメ。三浦大知さんは、原田真二さんワールドを全開にしながら自分の味を出しています」と小堀。

このアルバムのライナーノーツを書いているのはリリー・フランキーさん。
「リリー・フランキーさんはマルチタレントっぽい見方をする方も多いでしょうが、最初は文筆家として世に出た人です。だから読み応えのあるライナーノーツです」と説明する小堀。

インタビュアーというより、ファン目線になっていて、松本さんとのエピソードがとても楽しく書かれているそうです。
 

詞の雰囲気の秘密

「一発目の音から誰がカバーしているか分かる」と言う小堀。1979年に、当時のロックプリンス、桑名正博さんが大ヒットさせた曲「セクシャルバイオレットNo.1」をカバーしたのはB'zです。

「どうです?B'zの松本さんの弾き方。あの時代のヒット曲の弾き方を入れながら、俺、松本、ヨロシク、みたいな自己主張もあります」と嬉しそうな小堀。

後世に残るヒット曲を多数書いてた作詞家では、なかにし礼さん、阿久悠さんがいます。松本隆さんもまぎれもなくその一人。松本さんが二人と大きく違うところは、元々ロックミュージシャンだったこと。

小堀「流行歌の詞を書の中に、ロックな、アバンギャルドな臭いをどこか残しながらヒット曲を量産していったことが、めちゃくちゃすごいなと思います」
 

手紙を書く時に必須

デビュー以来、小堀のお気に入りのグリムスパンキーがカバーしたのは南佳孝さんの「スローなブギにしてくれ」。1981年の同名映画の主題歌として大ヒットしました。

松本隆さんの作詞で作曲が南佳孝さん。Want youといきなり入る歌い出しが特徴的な曲です。

小堀「この曲、スタジオで生で、南さんがギター一本で歌ってくれたことがありました。あれは贅沢なものでした。それ以来、手紙を書くときに、○○御中と書く時は、必ず口に出して、○○株式会社want youって自分で言うようにしてるんです」
 

東京と風街の風景

『風街に連れてって!』と同時に、はっぴいえんどの『風街ろまん』というアルバムを聞くことを勧める小堀。これは71年の作品です。

東京オリンピックが1964年に終わり、東京がどんどん変貌していく中で、都会っ子であるはっぴいえんどのメンバーが、懐かしい東京に思いを寄せながら作ったアルバムだそうです。

小堀「“風街”という一つに架空の街。それに対するオマージュみたいな部分があって、めちゃくちゃ良いんですよ。何で今、『風街に連れてって!』なのか?と改めて思うと、より味わい深いです」

二度の東京オリンピックと、二度の“風街”、それぞれに思いを馳せながら聞いてみてはいかがでしょうか。 
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2021年07月18日10時32分~抜粋

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