小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

デビュー50周年のイルカ

先月12日にデビュー50周年記念ベストアルバム『あたしだってLove Song!』をリリースしたフォークシンガーのイルカさんが、6月13日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に電話出演しました。

小堀勝啓によるインタビューは、奇抜なタイトルの話題から始まります。

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裏タイトルは「イルカ道」?

イルカ「なんか重みのないタイトル」

小堀「逆に素敵だと思います。タイトルで人生のこと言うと嫌じゃないですか?」

イルカ「『これぞ人生イルカ道』みたいなタイトルでも良かったんだけど、ちょっと照れくさいじゃないですか。だからフェイントかける感じ」

小堀「それは70周年の時にとっときましょう」

「イルカ道」と書かれた掛け軸が飾ってある床の間に、イルカさんが座っているというジャケットを提案する小堀。それを聞いたイルカさんは、「イルカ道」と書いたグッズ販売を提案しました。

イルカ「床の間かトイレに飾って下さい」

床の間用、トイレ用の2バージョン。トイレ用は消臭付きと妄想が広がります。
 

テーマ別に分けた理由

50周年記念ベストアルバム『あたしだってLove Song!』は2枚組で、DISC1が「ときめいて」、DISC2が「せつなくて」という2つのテーマから選曲されています。

今回、ディスクごとにテーマを決めた理由をこう語りました。

「自分がテーマがあるものが欲しいんですよね。まず自分が欲しい好きな物って、一番根底に必要だと思っているんです」

気分を楽しくしたい時は、そういう気持ちに共鳴してくれる曲をずっと聴きたい。
悲しい時は、主人公になりきって泣ける路線を聴き続けたい、と語るイルカさんです。
 

お得感があるアルバム

「統一されたテーマの曲が続いていくと、1枚のCDの中でお得感が出るでしょ?
そういうのがお家で聴いてても、車の中で流してても、すごく聴きやすいアルバムかなって気がしているんです」

CDの収録時間ギリギリまで入るボリュームですが、単に詰め込んだだけではありません。

「やっぱり曲と曲の繋がりにも流れがあるから、自然と入ってくる形でね、そういうものも全部こだわって一所懸命作りましたよ」
 

荒ぶる古希

タイトル曲の「あたしだってLove Song!」は、書き下ろしの新曲です。

小堀「『あたしだって』ってとこがすごいですね」

イルカ「謙虚でしょ?『あたしだって』っていうところがちょっと拗ねてるところもありながら、媚びてるところもあったりして。
12月に古希を迎えたんですが、おばあさんなんだから静かに引っ込んでろ、みたいなのはやなんです」

このタイトルにある「ラブソング」は若い人ではなく同世代にアピールしたいんだそうです。

イルカ「『私なんか』って言ってる人に、『そんなことないじゃろが!』って言いたいんですよ。いろいろやってみたら、人生が何倍も楽しくなる。そう思ったらお得でしょ?」

小堀「残り火だったのが、これを聞いたことでポワッと炎が出た。まだあるじゃろって感じ」

イルカ「あるじゃろが!」

自分で言った「○○じゃろが!」が気に入った様子のイルカさんです。
 

ヒストリーブックも充実

アルバムにはお馴染みの「なごり雪」「サラダの国から来た娘」といったヒット曲なども収録されていますが、過去のアルバムで埋もれた曲も、2枚組でテーマ別に分けることで収録することが出来たんだそうです。

イルカ「もっと注目されても良かったのにっていう曲たちを救い出したかったんですよね。
割と注目されないような曲たちも入れることで『あー、なるほどね』って思って頂ける選曲にいたしました」

付属しているヒストリーブックには、イルカさんのスタッフが懸命に探した写真も掲載されているそうです。
最近届いたファンからの手紙には、「自分の人生と照らし合わせてみると、すごく面白い」という内容のものがあったそうです。

イルカ「皆さんの人生に一緒に寄り添って、読んでいただけるヒストリーブックになっております」
 

スタッフと亀吉君に感謝

作詞、作曲、編曲を見ると、石川鷹彦さん、小田和正さん、鈴木茂さん、リッキー(廣田龍人)さんなど、錚々たるメンバーの名前が。

イルカ「ミュージシャンの人も、今は大御所の人たちが若い頃からずっと参加してくれていて、それはもう本当に宝物ですよ。そういう積み重ねが出来たってことは、いろんな意味でスタッフとか夫の亀吉君のプロデュース力に大感謝です」

「亀吉君」はイルカさんの亡き夫、神部和夫さんの愛称です。
 

こんな一面も

アルバムの中で小堀が気に入ったのはDISC2に収録されている「ブラック・ローズ」。

イルカ「渋いとこきましたね。そういう選曲嬉しいわ」

小堀「イルカのこういう面もあるんだなあと思いました」

イルカ「ビートルズ的なサウンドだったら"リボルバー"がいいなと思って、呼んできてスタジオで、せーのでやったんです。“らしさ”が出て楽しかった」

”リボルバー”というのは先に名前が出たリッキーさんこと廣田龍人さんがやっているバンド。イルカさんとは10代の頃からの友達だそうです。
リボルバーにはイルカさんのコンサートのサポートギタリスト長尾行泰さんも参加しています。

ちなみにリボルバーの前身は、リッキーさんが1969年に作ったビートルズのコピーバンド、ザ・バッド・ボーイズ。後にオフコースへ加入する清水仁さんが参加していました。

「ブラック・ローズ」は、イルカさんがビートルズ世代であることを改めて窺い知れる一曲です。
 

50周年はまだ続く

ジャケット写真にも興味深いエピソードがありました。

吉田拓郎さん、長渕剛さんなどフォークの世界のアーティストを撮り続けてきたタムジンさんこと田村仁さんという写真家がいます。
このタムジンさんの3人のこどもたちは全員写真家なんだそうです。

イルカ「そのタムジンファミリーに、ここんとこ写真撮ってもらってるの。だから5~6歳の頃から知っているこどもたちと一緒に仕事できてるの。
今回のジャケットはタムジンの3兄弟が撮ってくれたの。なんか嬉しい話でしょ?」

世代を超えて繋がっていて仕事が出来ているということが、イルカさんの人柄も偲ばせます。
50周年イヤーはコロナ禍で過ぎてしまいましたが、めげないイルカさん。

イルカ「50周年、普通だと1年間でやるんですけど、3年ぐらいかけてやってやろうかと思います。閉店セールって言いながら、ずっとやってるお店みたいにね。ずっと引きずって引きずって、ほのぼの生きちゃおうかなと思ってるんですよ」
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2021年06月13日10時29分~抜粋

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