小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

『ルパン三世』のルーツは60年前の日活アクション映画だった?

今年はモンキーパンチ原作『ルパン三世』のアニメ化放送から50周年で、秋にはテレビシリーズPART6の放映開始が予定されています。

6月6日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』では、パーソナリティの小堀勝啓が『ルパン三世』の原点となったであろう映画について語ります。

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これってルパンだよな

そ小堀は「これってルパンだよなあ」と以前から思っていた映画があるといいます。

その映画は、石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎、そういった人たちが出演している昔の日活アクション映画の『危い(やばい)ことなら銭になる』(1962年/中平康監督)です。

小堀「ルパン三世を見た時に何か似てるなあと思っていたので、いろいろ気になって調べてみましたら、なるほどと思うことがいろいろありました」
 

ルパンのルーツはこの映画?

『危いことなら銭になる』の主演は故・宍戸錠さん。

小堀「宍戸錠さんって、整形で頬を膨らませていたので、渋くて恰幅の良いイメージがあるんですが、若い頃の宍戸錠さんはめっちゃくちゃスタイルが良いですね」

手足が長くてプロポーションが良くて、まさにルパン。動きもキレキレで、どこかアニメっぽい二次元な感じもあるんだそうです。

小堀「その上、この映画は早回しやカット割りやスピーディーなカメラワーク、これが凄いです。監督が、フランス映画のヌーベルバーグにも影響を与えたと言われるモダン派監督の中平康(こう)さん。中平監督の演出も冴えまくっています」

キャラがまんまルパン

宍戸錠演じる主人公、ガラスのジョーを中心としたグループがあります。
ジョーに加えて、長門裕之演じる頭脳派の計算尺のテツ。草薙幸二郎さんが演じてる武闘派のブルケン。

この図式がまんまルパン、次元、五エ門に当てはまるんだそうです。ここに、お色気を振りまきながらアクションをこなす美女、浅丘ルリ子演じるとも子が加わります。これが峰不二子。

小堀「浅丘ルリ子さんが峰不二子かい?と思う方もいるでしょうが、この映画ではスカートでアクションを繰り広げています。パンチラで男の人を投げ飛ばしたり、峰不二子感があるなあと思います」

この悪党グループが、大組織相手に、あの手この手で繰り広げるアクションコメディです。
 

漫画よりも先

ストーリーの中心は、本物を凌ぐスーパー偽札。この原版をみんなが狙っててんやわんや。まさに『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年/宮崎駿監督)とそっくりなんだそうです。

小堀「カリオストロの中で、オープニングのタイトルバックに、お札がワーッと花吹雪のように舞うシーンがあるんですが、まんま同じシーンがこの映画にはあります」

『危いことなら銭になる』は1962年公開。原作漫画『ルパン三世』をモンキー・パンチさんが発表したのが1967年。映画の方は5年前です。

小堀「人間の思うことは、偶然が重なって似たようなことができていくのかなと思いました」
 

偶然ではない

さらに調べていくと、偶然ではないことが明らかになりました。

『危いことなら銭になる』の脚本は数々の日活アクション映画を手掛けたシナリオライターの山崎忠昭さん。

小堀「この山崎忠昭という人をまたまた調べていったら、映画がどんどん斜陽になっていってからは、テレビの世界にシナリオライターとして身を転じていきます」

中でもテレビアニメの世界での仕事が多く、『ハリスの疾風』『巨人の星』『ひみつのアッコちゃん』『あしたのジョー』など。

小堀「そして特筆すべきことは、あの『ルパン三世』初期シリーズのメインシナリオライターを務めているんですよ」
 

なるほどの結論

『ルパン三世』第1シリーズの第1回「ルパンは燃えているか…?!」を書いたのが山崎忠昭さん。
この他に第5話「十三代五エ門登場」など、『ルパン三世』のイメージを決定づける重要な回を担当していました。

小堀「ここで、なるほど!と腑に落ちました。そこだったのか。『危いことなら銭になる』とあのアニメ版『ルパン三世』がこんなに似てるのはDNAが一緒なんだなーって思いました」

気になる方は『危いことなら銭になる』をぜひご覧ください。 
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2021年06月06日11時02分~抜粋

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