小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

マルチ・フォーマットで発売!ジョン・レノン『ジョンの魂』

ジョン・レノンがビートルズ解散後に初めてリリースしたソロ・アルバム『ジョンの魂』が、発売から50年の時を経て、マルチ・フォーマットで発売されました。
中でもスーパー・デラックス・エディションは6枚のCDと2枚のBlu-rayディスクの8枚組というボリュームです。

5月2日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』では、ビートルズフリークの小堀勝啓が当時を振り返りつつ熱く語りました。

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まさにスーパー・デラックス

ビートルズ解散後、ジョン・レノンの初ソロアルバムとなったのが『ジョンの魂』。
原題は『John Lennon / Plastic ONO Band 』となっています。

このアルバムが発売されたのは1970年12月。
発売50周年を記念して、4月23日にマルチ・フォーマットで記念盤がリリースされたのです。

新しくリマスター、リミックスされたもので、デモテープの段階のもの、粗く自分一人で歌っているもの、未発表テイク、ドキュメンタリーなど8枚(6枚のCDと2枚のBlu-rayオーディオ・ディスク)のディスクに収録されたスーパー・デラックス・エディション。

他にも2CD、1CD、さらに2LPの形式でも発売されています。
 

ジョンの世界とは?

小堀「ビートルズ時代にも、ポール・マッカートニーは結構ソロ的なことをいろいろやってたので、ポールの世界はわかるんです。
でも、ソロになったジョン・レノンってどうなるんだろう?と思っていたところに出たのが、この『ジョンの魂』でした」

内容はビートルズ時代と一線を画したシンプルで、メッセージ性の強い曲が並んでいます。収録曲を見ていくと、例えば、「LOVE」。メロディーラインとコード進行は後の「イマジン」を思わせる作品になっています。

「俳句のようにシンプルな詞で作ると、こうなっていくという曲ですね」
 

ジョンならではの曲

「Working Class Hero」邦題は「労働者階級の英雄」という曲について。イギリスといえば階級社会です。女王がいて貴族がいて中産階級がいて、労働者階級がいます。

「我々は労働者階級だよってことを色濃くジョン・レノンは打ち出しました。イギリスのがんじがらめの階級社会で、才能だけで世界的アーティストに上り詰めたジョンだからこそ言える社会の矛盾をつく一曲になっています」

曲調も歌い方も、ボブ・ディランを彷彿とさせるプロテストソングです。

「マザー」は、早くして母親と死別してしまったジョン・レノンの心の叫びとも言える曲。

「家族に恵まれなかったんだなーって、そんな部分もある曲です」
 

ジョンに対する当時の視線

「このアルバムが出た50年前は、ジョンの奥さんのオノ・ヨーコさんこそ、ビートルズ解散の張本人だ、そして世間的には、ジョンはあんな東洋の女にたぶらかされて、とそういったブームが色濃かった時代です」

だからこそ、ジョン・レノンはジョン・レノン名義ではなくて、アルバムはあえて John Lennon Plastic ONO Band という名義で出しました。曲もかなり個人的な内容。ヨーコの事を歌ったりもしています。

「Hold on 」という曲があります。邦題は「しっかりジョン」。

「ジョン・レノン自体、この時代、世間の批判に晒されてて、その中で自ら『元気出せよ、よ、しっかりジョン』と鼓舞しようとして作った曲なんだなあと思います」

『ジョンの魂』は当時の世相が、かなり反映されたところもあるようです。
 

ジョンの世界観

「このアルバムを聞くと、ジョンの音楽観、世界観というのは、あんまり変わらないんだなあと思います」

遺作になった『ダブルファンタジー』、その中に入ってる「ビューティフルボーイ」という曲は「Hold On 」と非常に似ています。

「ジョンの引き出しって、意外と少なかったのかなという気も、聴きながら思ったりもしました」

小堀と同世代の人は新しい発見が、まだ聞いたことがない若い世代には衝撃があるかもしれません。50周年記念盤『ジョンの魂』は必聴です。
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2021年05月02日11時03分~抜粋

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