小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

ヒルトン・バレンタインを偲ぶアニマルズ特集

1月29日にアニマルズのギタリスト、ヒルトン・バレンタイン死去のニュースが発表されました。

2月14日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)では、アニマルズのミニ特集を放送しました。
リスナーからも多数のメッセージが寄せられました。

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アニマルズとは

オリジナルのアニマルズは1963年に結成し、1966年に解散。
その後まもなくエリック・バートン&ジ・アニマルズとして活動再開しますが、1969年に解散。
1975年、1983年にはそれぞれ1年間だけオリジナルメンバーで再結成しました。

小堀「ビートルズが出た後のイギリスのバンドは、どうしてもポップス寄りにロックをやって行くグループが多かったんですが、アニマルズは徹頭徹尾、ブルースにこだわっていたグループです」

アニマルズは、デトロイトのブルース・マン、ジョン・リー・フッカーの「Boom Boom」もカバーしていました。
 

イギリスからやって来た

「アニマルズといえばビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フーなどとともに人気を博していましたが、リクエストは、小堀さんが中学時代にリードタンバリンでバンドデビューした、『朝日のあたる家』をお願いします」(Aさん)

小堀「他にリードヴォーカルでうまい人がいたもんですから、後ろでタンバリン叩いてた。内田裕也状態でした」

ビートルズ、ローリングストーンズを筆頭に、アメリカに殴り込みをかけたイギリスのロックアーティストの一翼を担ったのがアニマルズ。
イギリスからアメリカにロックの黒船がやって来たという感じでした。この動きは「ブリティッシュ・インベイジョン」と呼ばれました。
 

オリジナルメンバー

リードボーカルのエリック・バートンはファンクバンド、ウォーのボーカリストとしても有名です。
ギターが先日亡くなったヒルトン・バレンタイン。ドラムがジョン・スティール。キーボードのアラン・ブライスは「朝日のあたる家」で弾くオルガンが印象的です。

ベースのチャス・チャンドラーは、1966年の解散後、ジミ・ヘンドリックスのマネージャーになり、ジミ・ヘンドリックス&エクスペリエンスをプロデュース。
自分のベースを売って、彼らを売り出したのは有名な話です。
 

アレンジではなく発明である

ギターのイントロが印象的な「The House Of The Rising Sun」、邦題は「朝日のあたる家」。この曲がアメリカでもイギリスでもナンバーワンを獲得し、アニマルズの名前は不動のものになりました。 

「アニマルズと言うと、ボーカルのエリック・バートンがクローズアップされますが、『朝日のあたる家』が大ヒットした要因には、ハーフ・ミュート・ピッキングのギター演奏にあります。ギターアレンジがシンプルなのに心に残るフレーズです」(Bさん)

小堀「名アレンジというか発明ですよね。簡単なコードのピックのアルペジオなんだけれども、あんなに印象的」

この曲のアレンジは後世の曲にも影響を与えています。
 

元は詠み人知らず

「朝日のあたる家」は元々は詠み人知らずというような、ずっと歌い継がれてきた歌です。
ジョーン・バエスなどフォークシンガーの人も随分と歌っています。
ここでボブ・ディランのバージョンを聞いてみると…。

小堀「如何にもボブ・ディラン節。ノーベル文学賞受賞者ボブ・ディラン様の歌う『朝日のあたる家』ですね」

ディランがカバーしたのは1962年。アニマルズは1964年に出して英米でナンバーワンになりました。

小堀「たぶんアニマルズはボブ・ディランのを聞いて、俺たちもちょっとやってみようかって感じだったんじゃないかなと思います」
 

日本語カバーもある

日本でも「朝日のあたる家」をカバーしているアーティストは大勢います。
浅川マキさんは「朝日楼」と題して歌っていました。遊郭の○○楼です。

小堀「あの歌は元々はアメリカの売春宿の歌。そこに身を沈めてしまっている人が歌ってる内容の歌なんです」

浅川マキさんの訳詞バージョンで、話題になったのがちあきなおみさんのカバー。

浅川マキさんは、酒場で歌っているような演出で始まり、粗削りなギターをバックに淡々と歌います。ジャニス・ジョプリンの「タートル・ブルース」の雰囲気。
対して、ちあきなおみさんのバージョンは朗々と歌い上げてまるで別物。鬼気迫る様で圧巻です。
 

尾藤イサオの功績

アニマルズは様々なアーティストに影響を与えています。
ボン・ジョヴィ、エアロスミス、ブルース・スプリングスティーン、エルビス・コステロなどもアニマルズの曲をカバーしていたそうです。

日本でアニマルズと言えば、「朝日のあたる家」も有名ですが、「悲しき願い」も有名です。原題は「Don’t Let Me Be Misunderstood」。日本では現在俳優の尾藤イサオさんが歌っていました。

小堀「だぁれのせいでもありゃしない、このおかげもあったかなと思います」
 

オリジナル以上の力

アニマルズはオリジナルでもブルース調の曲を発表していて、スマッシュヒットはあるのですが、大ヒットはやはりカバー曲。
「朝日のあたる家」もそうですし、「悲しき願い」もニーナ・シモンのカバー曲。

小堀「だけど独自の解釈がすごいんです。優れたカバーはオリジナルを凌駕するんですね」

ヒルトン・バレンタインを偲んでのアニマルズ特集でした。
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2021年02月14日08時29分~抜粋

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