小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

アコーディオン奏者coba、夢の中でピアソラに説教される?

アコーディオニストで作曲家のcobaさんが、7月5日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)に電話出演。
3月リリースのアルバムを中心に近況から、敬愛するアストル・ピアソラの話題まで、小堀勝啓に語りました。
(画像は過去の出演回から)

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あっという間に43枚目

「楽しみながら、あっという間に時が経ってしまっている印象ですね」

今年61歳のcobaさん、3月にリリースされたアルバム『The Accordion』はなんと43枚目。デビューしてまだ30年経っていないので、1年に1枚以上のハイペースです。

プロデュースを手掛けた他のアーティストの作品や、雅楽師の東儀秀樹さんとバイオリニストの古澤巌さんと結成していたユニット"TFC55"などのアルバムを入れると、優に100枚は超えるんだとか。
 

呪縛から解放される

cobaさんがアコーディオンに魅せられた1970年代、日本でアコーディオンと言えば、のど自慢大会の伴奏で使われる伴奏楽器のイメージが強い時代でした。

「そのイメージをなんとか打開したくて、ずっとアコーディオンと共に戦い続けてきた感じがするんです。その活動の中で、若い時って戦略みたいなのがあるじゃないですか」

戦うためにcobaさんには3つの封印がありました。
ソロをしない。カバーをしない。人の伴奏は絶対にしない。この3つ。

「そういうこだわりがあったんですけど、そういう呪縛からどんどん解放されていくんだなってことに、ハッと気が付いて行くみたいな人生ですね」

初のカバーアルバム『cobacobada』が出たのも2014年、36枚目にしてやっとでした。
 

必ず「リベルタンゴ」で締め

今回のアルバム『The Accordion』はアコーディオン1台だけでレコーディングしたソロアルバム。
その中の2曲目「campana」はcobaさんが尊敬するアストル・ピアソラに捧げた曲だそうです。 

アストル・ピアソラはアルゼンチンの作曲家でバンドネオン奏者。
タンゴにジャズやクラシックの要素を取り入れタンゴを劇的に変えました。代表曲の「リベルタンゴ」は日本でも人気がありますが、1992年に71歳で亡くなっています。

「やっぱりアストル・ピアソラさんっていう存在が自分の中ですごく大きくて、彼の代表作『リベルタンゴ』を演奏させて頂くたびに、やっぱりすごく受けるんですよね」

コンサートでは「リベルタンゴ」を締めとして演奏し、大きな拍手をもらうというパターンだったそうです。
 

「campana」が出来たわけ

「実は、かれこれ10年近く前から、自分がピアソラさんだったら、こんな自分をどういう風に見るだろうなー?って思ったことがあったんですよ。

『リベルタンゴ』ばかり演奏して、そうやってウケるのはいいけれど、君も作曲家なんだから、もういい加減、この『リベルタンゴ』を超える曲を書く努力をしたらどうだ?って、きっと、僕がピアソラさんなら思うかなーってね」

「リベルタンゴ」を超えられないまでも、いつの日か「リベルタンゴ」と同じポリシー、スピリットを持った曲を書いて、ピアソラさんに聞いて欲しいと思っていたcobaさん、ピアソラさんへの思いが強すぎて、ついに夢に現れたそうです。

「ピアソラさんに夢の中で言われたんですよね。『いつまで俺の曲をやってんだよ』って。それもあって、今回のアルバムで、先人の偉大な仕事に甘えてばかりいてはいけない。なによりも天国のピアソラさんに聞いて欲しいって作った曲なんです」

それが「campana」。ピアソラさん、また夢に出てきて感想を言うかもしれません。
 

コロナ禍で気付いたこと

本来なら、現在は初の47都道府県ツアーの真っ最中ですが、コロナ禍でツアーは延期しました。
そんな中気が付いたこともあるというcobaさん。

「僕の場合だったら例えばアーティストとして、音楽家として、一体何を求められているのか?どうして自分は音楽をやっているのか?人間として自分はどういう存在なんだろう?っていう根本的なことを問われている時だと思うんですね」

今まで忙しさに紛れて、向き合うべきことに向き合って来なかったのではないか?と言います。
また、イタリアをはじめ、ヨーロッパにいる同級生から届いた労りのメッセージに、人の温かさを感じたそうです。
 

新しい気持ちでツアー再開

観光客が消えて半年ぐらいになるヴェネツィアからは、「今まですごく汚染されていた海がとっても綺麗になった」というメッセージも来たそうです。
実は、環境が少し戻って嬉しい、というメッセージが世界中から時々来るそうです。

「こういう考えが正しいかどうかわかりませんけど…人間は経済活動に奮闘してきたんだけど、本来、自分たちに全てを与えてくれている地球に対する感謝みたいなものがね、疎かになっていたのかなという気もしたんですね」

新型コロナウイルスとは共存となるかもしれませんが、47都道府県ツアーが再開した暁には…

「自分たちを育んでくれた自然とか地球とか、多くの人々への、本当に感謝のコンサートになるなぁという実感が自分の中でありますね」
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2020年07月05日08時20分~抜粋

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