俳優の甲本雅裕さんが、4月26日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』（ＣＢＣラジオ）に出演しました。
昨年11月29日に公開された映画『高津川』（監督：錦織良成）で初の主演を果たした甲本さん。
名バイプレイヤーとして評価の高い甲本さん、撮影を終えてどのような感慨を持ったのでしょうか？
何もない映画
甲本「どれだけ自然体になれるかなっていうことで役作りしましたね」
高津川は島根県を流れる、ダムが一つもない一級河川。
映画はその流域で暮らす人々の物語です。
甲本「特別ではないけれど、日常にはこんなに刺激があるんだよ、みたいな作品になってると思うんですよね。だから観てくださった方が、自分に置き換えて、ちょっと考えていただける映画になってるんじゃないかと思います」
島根県を舞台にしていますが、物語そのものは、どこでもある日常的なできごとが描かれています。
小堀「殺人事件も大爆発もスペクタクルも何もなくても、映画ってこんなに人の心を揺さぶるのかなって思いました」
甲本「悪い人、ひとりも出てこないんです」
高津川は島根県を流れる、ダムが一つもない一級河川。
映画はその流域で暮らす人々の物語です。
甲本「特別ではないけれど、日常にはこんなに刺激があるんだよ、みたいな作品になってると思うんですよね。だから観てくださった方が、自分に置き換えて、ちょっと考えていただける映画になってるんじゃないかと思います」
島根県を舞台にしていますが、物語そのものは、どこでもある日常的なできごとが描かれています。
小堀「殺人事件も大爆発もスペクタクルも何もなくても、映画ってこんなに人の心を揺さぶるのかなって思いました」
甲本「悪い人、ひとりも出てこないんです」
自分の人生を感じて欲しい
甲本「作品の中に散りばめられたテーマの中に、誰しも、自分の人生の中に置き換えて考えられるところがあると思うんですよね」
若者の都市への流出による過疎化、伝統の継承、高齢者の認知症の問題を扱いながら、日本中誰にでも起こりうる、普通の人たちのエピソードを丁寧に描いています。
甲本「観て頂いた方に、自分の生きている今をちょっとでも感じてもらえた時に、この『高津川』っていう映画は完成する気がするんですよ。
映画の中でこうしなきゃっていう答えは出していないので、皆さんがそれぞれの人生の中で答えを見つけて下さればと思います」
若者の都市への流出による過疎化、伝統の継承、高齢者の認知症の問題を扱いながら、日本中誰にでも起こりうる、普通の人たちのエピソードを丁寧に描いています。
甲本「観て頂いた方に、自分の生きている今をちょっとでも感じてもらえた時に、この『高津川』っていう映画は完成する気がするんですよ。
映画の中でこうしなきゃっていう答えは出していないので、皆さんがそれぞれの人生の中で答えを見つけて下さればと思います」
尖った小津映画
映画では親子の問題も扱っています。甲本さんの実体験は反映されているのでしょうか？
甲本「おしゃべりなお父さんも、こどもと話す時はなぜか口数が少なくなってしまうみたいな…。僕もそうですよ。あとで一人になってから『なんで俺は一番肝心なことを言わなかったんだ？』っていうことがよくありますね」
親子の関係についてのメッセージが込められていますが、決して道徳的なものではなく、エンターテインメントとしても成立している作品です。
小堀「小津安二郎の『東京物語』とかを見た時と同じ感覚があるなぁと思いました。もちろん、今の話ですから、もっと尖ってますけどね」
甲本「おしゃべりなお父さんも、こどもと話す時はなぜか口数が少なくなってしまうみたいな…。僕もそうですよ。あとで一人になってから『なんで俺は一番肝心なことを言わなかったんだ？』っていうことがよくありますね」
親子の関係についてのメッセージが込められていますが、決して道徳的なものではなく、エンターテインメントとしても成立している作品です。
小堀「小津安二郎の『東京物語』とかを見た時と同じ感覚があるなぁと思いました。もちろん、今の話ですから、もっと尖ってますけどね」
裏話いろいろ
主人公のお母さんを演じるのはベテラン女優の奈良岡朋子さん。
この『高瀬川』を撮影した錦織良成監督の作品では、他に『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』『たたら侍』にも出演しています。
甲本「奈良岡さんの出すオーラとか雰囲気が、役者としてのオーラじゃなくて、お母さんとしてのオーラが出てくるんです。僕は安心して息子を演じられた幸せな瞬間でしたね。役者冥利に尽きます」
甲本さんが演じるのは牧場経営者。
作業服として着ていた帽子、シャツ、ズボンは実際の牧場主から借りたそうです。ベルトに至ってはその人が30年間ずっと身に着けていたものだとか。
甲本「もう撮影が終わったんで、今頃その人着てますよ」
本作の撮影後、甲本さんは島根県ふるさと親善大使「遣島使」に任命されました。
甲本「今こうやってラジオでお話ししてることも、ある種の親善大使としての役目だったりします」
この『高瀬川』を撮影した錦織良成監督の作品では、他に『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』『たたら侍』にも出演しています。
甲本「奈良岡さんの出すオーラとか雰囲気が、役者としてのオーラじゃなくて、お母さんとしてのオーラが出てくるんです。僕は安心して息子を演じられた幸せな瞬間でしたね。役者冥利に尽きます」
甲本さんが演じるのは牧場経営者。
作業服として着ていた帽子、シャツ、ズボンは実際の牧場主から借りたそうです。ベルトに至ってはその人が30年間ずっと身に着けていたものだとか。
甲本「もう撮影が終わったんで、今頃その人着てますよ」
本作の撮影後、甲本さんは島根県ふるさと親善大使「遣島使」に任命されました。
甲本「今こうやってラジオでお話ししてることも、ある種の親善大使としての役目だったりします」
初主演で原点回帰
名脇役として評価の高い甲本さんにとって、初主演作となる本作。
甲本「主役からの景色は見たことなかったんですが、結局、主役もわき役も、役には変わりないと改めて感じました。だから、ある種の原点回帰ができたような気がしますね。また、ここからなんだなと思います」
昨今の映画はデジタルで撮影していますが、この『高津川』は珍しくフィルム撮影。失敗は許されません。甲本さんもかなり緊張したそうです。
甲本「今のこの時代に、フィルム映画に出られるって幸せなことであり、身が引き締まる思いがしました。フィルムってのはデジタルよりも肉眼に近い映像美なので、映画館で観てても落ち着きがあるんですよね」
甲本「主役からの景色は見たことなかったんですが、結局、主役もわき役も、役には変わりないと改めて感じました。だから、ある種の原点回帰ができたような気がしますね。また、ここからなんだなと思います」
昨今の映画はデジタルで撮影していますが、この『高津川』は珍しくフィルム撮影。失敗は許されません。甲本さんもかなり緊張したそうです。
甲本「今のこの時代に、フィルム映画に出られるって幸せなことであり、身が引き締まる思いがしました。フィルムってのはデジタルよりも肉眼に近い映像美なので、映画館で観てても落ち着きがあるんですよね」
幸せな時間
もちろんオールロケ。画像加工ができないフィルム撮影では、芝居が良くても背景の雲や風の具合がイメージと違えば天気待ちという状況も出てきます。
甲本「せっかくだったら人物と自然が相まったベストに近いものを、見てる人にお届けしたいという監督の思いをすごく感じたので、役者としては『もうやるしかない』っていう想いでやりました。幸せな時間でした」
昨年11月に中国地方にて先行公開された『高津川』。
4月3日から全国公開が予定されていましたが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で公開延期となっています。
試写で観た小堀は、早くも今年の重要作品の一本に挙げました。公開が待たれます。
（尾関）
甲本「せっかくだったら人物と自然が相まったベストに近いものを、見てる人にお届けしたいという監督の思いをすごく感じたので、役者としては『もうやるしかない』っていう想いでやりました。幸せな時間でした」
昨年11月に中国地方にて先行公開された『高津川』。
4月3日から全国公開が予定されていましたが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で公開延期となっています。
試写で観た小堀は、早くも今年の重要作品の一本に挙げました。公開が待たれます。
（尾関）
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