小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

市川右團次、ラグビーW杯開会式の「連獅子」裏話を語る

昨年ラグビーワールドカップ日本大会(東京スタジアム)の開会式で親子連獅子を披露した歌舞伎役者の市川右團次さんが、1月5日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

『陸王』(TBSテレビ)などのテレビドラマやバラエティでも活躍中の右團次さん、W杯の舞台裏や高校時代の意外なエピソードを披露しました。

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開会式で連獅子

「『連獅子』の毛振りの一節を躍らせて頂いたのは、私にとりましても、まだ小さいですけれども、倅の右近にとりましても一生の思い出になることだと感謝いたしております」

昨年のラグビーワールドカップ日本大会の開会式では、親子で歌舞伎の演目『連獅子』の後シテを披露。
約2分半、勇壮な毛振りを含む演技が世界に配信され、およそ45億人が視聴したそうです。

連獅子の本質を知って欲しい

ラグビーワールドカップ日本大会のマスコット2匹のユニット名はレンジー。
白い髪が親のレン。赤い髪が子供のジーという名前です。もちろん「連獅子」がモチーフになっています。

「もちろん連獅子から来てるんですけども、日本を象徴するという意味合いで、ああいう可愛いマスコットができたんですけども、どうしても同じ大きさなもんですからカップルと思われる方が多いんですよ。男女の獅子だと」

父獅子が子獅子を谷底に突き落として鍛え育てる、その葛藤が連獅子の本質。そこを外国の人にも知って欲しいと右團次さんは思ったそうです。

「最初、同門の自分の後輩を使って、大人と一緒にやろうかなと思ったんですね。倅はまだ9歳ですから」

しかし周囲からは「これは親子でやってこそ初めて親子の物語。無理をしてでも頑張るべきじゃないか?」という声が挙がったそうです。

連獅子の如く猛特訓

右團次「ということで、猛特訓をいたしまして。毛振りはこどもには大変なんですよね」

小堀「あれ、首がヘルニアになるんじゃないかと思います」

右團次「できるだけ首を使わずに腰で振ることがコツなんです」

そう教えて、右團次さんは息子の右近さんと、ひと月の間猛特訓。まさに連獅子さながらの厳しさ。

右團次「本番は1回きりじゃないですか。あれ、下手するとソフトクリームみたいに頭に巻いちゃうんですよ。
こればっかりは避けたいと思って、何とか事なきを得ました。全世界の人たちに連獅子を見ていただくことができて本当に光栄でしたね」

本番でまさかのハプニング

右近さんとの大舞台が成功したのは周知のとおり。

小堀「やっぱり父親として、やるなと思ったでしょう?」

右團次「彼は、その時には全く緊張しなかったらしいですね。確かに僕も緊張してる時間がないぐらい、リハからの時間がなかったんですね」

開会式はプロジェクションマッピングを使用した演出のため、天然芝にマッピング用のシートを敷いていました。

シートを敷くということは天然芝を痛めることになるので、現場でのリハーサルも1回しかできなかったそうです。
室内練習と本番の屋外では広さが違うので、シートに立ち位置がわかるようにバミリ(立ち位置をあらかじめ決めておくためのテープ)を貼っていたそうです。

右團次「バミリからバミリで動いて行ってやってたんですけど、本番になりましたらバミリがなくなってるんですよ。あれ?僕が行くはずのバミリがないと思って」

まさかのハプニングですが、実は…

右團次「引っ込んで来ましたら、ウチの倅の赤い毛と足袋にくっついてました。倅が動く度にバミリを取って歩いてたんですよ(笑)」

初の親子共演

3月には名古屋で、この連獅子が生で見られる公演を行う右團次さん。
ワールドカップでは短縮版でしたが、こちらは完全版です。

「僕自身も師匠とも演じさせて頂いたことがありますし、師匠のお父さんの段四郎さんと演じさせていただいたこともあります」

右團次さんはスーパー歌舞伎で知られる三代目市川猿之助さんに弟子入り、そのお父さんは三代目市川段四郎さん。ちなみに猿之助さんは隠居名、二代目市川猿翁を襲名しています。

「同門の自分の後輩と一緒にやらせていただくこともありますが、実際に血の通った倅と親子を演じさせていただくことは初めてです。
そういう意味においても親子の愛情が描ければいいなと思ってるんです」

ブログでデレデレ

話題は右團次さんのブログへ。
息子である右近さんへの愛情がひしひしと感じられる投稿が多く見られます。

「遅い子なので、46の子かな。ですので連獅子を一緒に出来るかな?と思ってたんですよ。
倅が育ってくれないとできないことですし、その時に僕がヨボヨボになってたらできないことですから」

ワールドカップに機会を得られたことが「非常に嬉しい」と語る右團次さん。

「彼はとにかく芝居が大好きなんです。厳しい指導に対しては、何の文句も言わずに、自分ができるまでやりたいっていう子なので、何とかこれを乗り切って勤めてくれればなぁと思います」

期待を語る右團次さんの声はすっかりお父さんです。

あのスターから漢文を習っていた?

歌舞伎の話だけでなく、こんなエピソードも。
右團次さんが高校時代に漢文を習っていたのが、グループサウンズ"ザ・タイガース"のドラマーだった瞳みのるだったそうです。

「ピー」の愛称で、ボーカルの沢田研二さんに次ぐ人気を博した瞳さんは、グループ解散後は芸能界を引退して教師の道を歩み、2011年には再びタイガースの一員としてステージに復帰します。

「瞳先生は楽しい先生で。なんとかみんなで授業を妨げてですね、タイガース時代の話を聞き出すわけですよ。うまくいくと授業の間、ずーっとその話をしてくれるんですよ。それが面白くて。漢文はほとんど覚えてませんね(笑)」

懐かしそうに語る右團次さんでした。 
(尾関)
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2020年01月05日10時37分~抜粋

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