小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

南壽あさ子、憧れの鈴木茂と作ったニューアルバム秘話

10月にアルバム『Neutral』をリリースしたシンガーソングライターの南壽あさ子さんが、12月22日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)に出演しました。

両親の影響ではっぴいえんどや荒井由実、山下達郎などシティポップスを聴いて育った南壽さんは、最新作のプロデューサーに、はっぴいえんどのギタリスト鈴木茂さんを迎えました。
その経緯や手応えを小堀勝啓に語ります。

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バリエーションが増えた

「今までは淡いタッチのような色彩が多かったんですけど、今は元の水彩画も描くし、はっきりしたものも描くし、っていう風なバリエーションが増えてきたのかなと思っています」

南壽さんの祖父はヨーロッパの風景画家、南壽敏夫さん。
その敏夫さんに倣ってか、自身の近況を絵画に例えます。

3作目のアルバム『Neutral』のプロデューサーは、はっぴいえんど、キャラメル・ママ、ティン・パン・アレーなど名ギタリストとして知られる鈴木茂さん。

「ユーミン(松任谷由実)のバックをされていて、クレジットで見ていたので憧れの存在だったんですよね。ギターの音色が唯一無二ですし、いつかコラボしてみたいと思っていたんです」

鈴木茂さんプロデュース

南壽さんが鈴木さんにコンタクトを取ったのは2年ほど前のこと。
音楽業界の伝手を頼ることもできたのですが、あえて鈴木さんのホームページのメールフォームからメッセージを出したそうです。

いきなり仕事として依頼するのではなく、自分の音楽を聞いてもらうことから始めた南壽さん。

南壽「やっぱり、いろいろしてもらうことはできるかもしれないですけど、気に入ってもらえないと意味がないし、楽しくないかなと思って」

小堀「鈴木さんはプロデューサーなんだけども、お仕事としてより、鈴木さんが今やりたいことを、南壽さんを通して透けて見えてくるみたいな、そういうちゃんとした作りになってますよね」

南壽「茂さんは、私の作る曲をすごく褒めてくださるんですよね。自分の歌の隙間に、鈴木茂さんのギターを入れていったり、重ねていったりっていうのもいろいろ考えてくださって。すごく楽しい時間でした」

サーディナさんプロデュース

実はアルバム『Neutral』にはプロデューサーが二人います。

鈴木茂さんがプロデュースしたのは日本で録音した半数の楽曲。
もう半分はロサンゼルスで録音されています。こちらのプロデューサーはラファ・サーディナ。
スティービー・ワンダー、レディー・ガガ、マイケル・ジャクソン、セリーヌ・ディオンなどを手掛けています。

ロサンゼルス録音のテーマは「現地のミュージシャンとイチから作る」ことたっだそうです。

「楽曲もアメリカに行くことを想定して書いたものもありますし、アメリカだったら合うだろうっていう曲を過去曲から持ち出したものもあって、想像以上のものが仕上がりました」

アルバムの1曲目「BIRD SONG」は完成までかなり悩んだようです。

「アメリカに行くことが決まって、やっぱりアメリカの風とか自由を感じさせる曲を書きたいと思ったんです」。

テーマ、曲調、構成、拍子など、曲を変えていくと、そこに乗る言葉数も調整しなければならず…。

「自分の中で納得するところにたどり着くまでが何度も推敲したんです」

「BIRD SONG」はアメリカに行くまでに完成したそうですが…。

ギリギリまで作ってた

「心の中では『どこかあと一歩だな』と思っていたんですね。実際に私がアメリカに飛んで、空気を感じた時に、また新しく感じることがあって、それからガビさんというアレンジをしてくれるギタリストの方とミーティングしながら、さらにまとまっていきました」

ミーティングといっても話あいではなく、実際に、ギターを弾いて、アイデアを出していくんだそうです。また、ガビさんのギターの音色に触発される部分もあったんだとか。

「現地に行って、空気に触れたり、人と接することが、自分のテーマとピタッとはまったのかなと思いますね」

南壽さんは英語の会話が苦手だそうですが、ミュージシャン同士わかり合えることもあったそうです。

「音楽のニュアンスで、どう伝えたらいいかなって考えてる間にわかってくれたりするんですよね。自分が言おうとしていること以上のことをミックスで返してくれたり。
もっと伝える努力をしなきゃと思うと同時に、相手への尊敬も強まりましたね」

広がる音楽テーマ

「今までは喜怒哀楽でいう哀、郷愁感とか哀愁の部分を音楽で伝えたいと思っていたんです。でも、今は気分を軽やかにしたり、楽しくしたりすることも音楽の救いだと思うので、そこを自分のエッセンスとして出せたらいいなと思います」

日本とロサンゼルスでアルバムを録音したことで、新しい部分を刺激された様子の南壽さん。
インタビューの最後にこう振り返りました。

「9月にカーネギーホールでライブをしたり、自分が夢のように思っていたことを、実行することが出来たので、意味のある年でしたね」
(尾関)
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2019年12月22日08時21分~抜粋

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