小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

美しい顔は怖い?シティポップの女王、土岐麻子の「顔」談義

10月2日にニューアルバム『PASSION BLUE』をリリースした「シティポップの女王」土岐麻子さんが、10月27日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

最初の話題は、アルバム2曲目に収録された「美しい顔」について。
笑顔が癒される土岐さんが、この曲についての想いを語り出します。

「美しい」の定義って何?

「これは、『美しい』っていう定義って何なんだろう?ということですね」と土岐麻子さん。

人の美しさは内面、所作、などその人の深みから来るものと言えます。しかし…。

「ただ『美しい顔とは?』と限定すると、目は大きくて、鼻は高くとかって、その価値観は統一されてると思うんですよね。
知らず知らずのうちに自分の中にその定義が、脅迫のように存在してることに気付いて、こうあらねばならない、みたいな生き辛さに繋がっていくような感覚にもなったりして」

だから“美しい”という価値観は、危なく、恐ろしいものだと思っているそうです。

100年後の世界の歌

「顔を変えたり、入れ墨を入れたりすることは、自分が良ければ許される時代になるべきだと思うんですけど、反面、本当はそうしたくないけど、“美しい”という価値観の強迫観念に囚われて、そういう選択をしてしまうこともあるのかなと思ってね」

それは女性だけではなく、男性にも言えること。「男性らしい」という価値観で苦しくなる人もいるのではないか?と問います。

「猫ちゃんだと一匹ずつ柄が違うんですよね。人間から見たら、どの子も美しいじゃないですか。
そう思えるわけだから、人間に対しても、そういう感覚が芽生えてもおかしくないのに、優劣をつけたがるっていうのはなぜだろう…。

SNS が発達してるから、どんどん、個人の尊厳とか、考え方が否定されているような気がして。このまま行ったら100年後って、本当にフラットな世界になってたりするのかしら?と思って」

2曲目の「美しい顔」は、そんな思いから100年後の少女を主人公にして書いたのだそうです。

アプリで同じ顔

小堀「いまインスタ映えするからって、顔を変えるアプリで、みんな同じような印刷した顔になってしまってるんですよ。それ違うだろうって思います」

土岐「私も面白いからたまに使います。いろんなのお化粧のフィルターがあるんですよね。何割か増しで若くなったり、目が大きくなったり、いろんなパターンがあって面白いんです。ついついそれで1時間ぐらい遊んじゃったりするんですけど…」

しかし気づくと、結局全部同じ顔になっているんだとか。

普通になりたい気持ち

小堀「容貌に対するコンプレックスってないでしょ?」
土岐「小学校に入ったぐらいの時からありました。それまでは『お父さんに似てるね』ってよく言われてたんですよ」

土岐さんは、お父さんに似て正三角形みたいな眉毛で、前歯がちょっと出ていたんだそうです。

土岐「眉毛と前歯が似てるねって言われて、良いとか悪いとかじゃなく、父とお揃いっていう感じで、似てるって言うのが嬉しかったんです」

ちなみに今は眉毛は剃っていて、前歯は矯正したという土岐さん。
小学校に入り、男の子が「あの子可愛い」とか「可愛くない」とか言う声が耳に入るようになりました。

土岐「『私はどうやら男子ウケする顔ではないんだ』って、その時に思ったんですよ。それで、何がヤバいのかわかんないんですけど、ヤバいと思っちゃったんです。ヤバい、どうしよう?って。

モテたいとかじゃなくて、自分が異質だって思っちゃった時に、ドキッっとして、普通に受け入れられたいって思っちゃったんですよね。そういう気持ちをずっと抱えているような気がします」

顔の不思議

土岐「ひと頃は母親にすごく似てたんですけど、今また父に似て来てる気がして…」

小堀「若い時、父に似てなかったけど中ぐらいで似てきたなとか、また母に似て来たな、とかありますよ」

土岐「不思議ですね。赤ちゃんも生まれてからしばらくは、毎日どっちかの顔に変わるって言いますもんね」

さらに小堀は「僕、妻と似てるんですよ」と言います。
「50年近く一緒にいて、毎日見てるからかなあ」と自己分析。

それを受けて「私も最近、似て来たってよく言われますね」と語る土岐さん。

土岐「夫と歩いてると兄弟見たいって言われる。食べてるものも一緒だし、表情も合わせ鏡のようになりますね」

街の人の音楽

一昨年リリースの『PINK』、昨年の『SAFARI』、そして今度の『ASSION BLUE』。
この"シティポップ三部作"と銘打たれたシリーズには、今の東京が持っている複雑な良さがメロディにも詞に反映されています。

「街の人の音楽でありたいなとずっと思っています。私は街で生まれ育って、そこしか知らないってところの芸風なんですけどね」

想像しても知らない場所の歌は書けないことに気づき、それからは腹をくくって、都会のいろんな顔を書いて行こうと思ったそうです。

「それで私の音楽を聞いた人が、都会ならではの孤独感とか、寂しさにも悪くないなって思ってくれれば、いいなと思います。

ある程度の年齢を重ねると、自分の故郷のことを歌う方が多いじゃないですか。そういうタームになった時に、歌の説得力がすごいなと思っていて。私にとってはそれが東京だったんだなと思います」
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2019年10月27日08時20分~抜粋

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