小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

甲斐バンド45周年記念作は、そのままセットリストだった!

甲斐よしひろさん率いる甲斐バンドは、1974年11月4日にリリースされたシングル「バス通り」のデビューから、まもなく45周年を迎えます。

10月20日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』には甲斐よしひろさんが出演し、音楽を始めたきっかけ、バンドデビュー45周年を迎えての抱負を語りました。

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甲斐よしひろとギター

左利きの甲斐さんは、右用ギターを上下ひっくり返して使っています。
しかも弦を逆に張り替えることなく、そのまま使用しているそうですが、コードを押さえづらくないのでしょうか?

「まあ、学生の時にそれで覚えたってことですね」とサラリと言う甲斐さん。

小堀「音楽始める時って、女にモテたいとかあるじゃないですか。飲みに行って、弾いて見せる時に『左利き用のないから』っていうわけにはいかないですもんね」

甲斐「そのためにギター弾くわけじゃないけどね」

小堀「モテたいんじゃないですか?」

甲斐「キレイごとじゃなくて、僕がバンド作ったのって、"自分を探す旅"だったんですね」

映画界や文学界の可能性もあった

甲斐さんがバンドを組んだ動機となった「旅」とは何でしょう?

10代の頃、あくまで自分を表現する手段として音楽を選んだ甲斐さん。
実は映画や小説を表現手段とした可能性もあったそうです。

甲斐「映画界に入る道はわかんなかったんですけど、音楽界に入る道は、福岡にはなんとなくあったんですよ。だから、そういうことになっちゃいました」

出身地の福岡市には「照和」という伝説のライブハウスがあります。
古くは海援隊、チューリップ、井上陽水さんらが出演してプロの道へ進んだ、いわば登竜門。甲斐さんも高校の頃、海援隊のライブを見たそうです。

甲斐「表現方法はなんでも良かったんですよ。自分なりの表現で、早くメシ食えるようになりたいな、と思ってたの」

意外にも人前で歌うことは好きじゃなかったとのこと。

甲斐「今は天職だと思ってますけど、そう思えるまでにずいぶん時間かかりましたよ」

小堀「その声、そのソングライト力、ルックスも含めて、最初はやっぱし"女モテ"のことを思ったんじゃないかな…」

甲斐「と、チンペイ(谷村新司)さんはいつもそれ言うもんね(笑)」

ロック第一世代

「僕らが第一ロック世代なんです」と自負する甲斐さん。

「新聞の取材で『晩年はどうするんですか?』みたいな、失礼な聞き方されたんですけど、僕らの道のフィールドを今、進行中なんです」

前述の海援隊、チューリップ、井上陽水さんといった先人はフォーク・ムーブメントから出てきたアーティスト。
直後に登場した甲斐バンドは、最初のロック世代という位置づけになりますが、同時期にデビューしたバンドの中には、すでに活動を休止した人たちもいます。

「トニー・ベネットは85歳ですよ?なのにすごく若い。3月にラスベガスで、レディー・ガガのジャズセットを見に行ったら(トニーが)出てきたんですよ。バリバリに声出てますから」

トニー・ベネットはアメリカのエンターテイナー。

「ああいう風になって行かないとダメなんですよ。演歌の人は、みんなちゃんと出来てるじゃないですか。でも僕ら側の人たちはそうでもないもんね」

これこそ45周年ベストだ

日本のロック第一世代の甲斐バンド、今年でデビュー45周年です。
10月16日には22曲収録の2枚組、『KAI BAND HEROES -45 th ANNIVERSARY BEST-』をリリースしました。

「今回はヒット曲満載の『これこそ45周年ベストだ』というのを作りたいと思ってたんです」と甲斐さん。さらに…。

甲斐「ライブは一瞬一瞬が命だと思ってるんですけど、その燃焼した先に名古屋があったり、三重や静岡のライブがあるわけじゃないですか。そういうのを見据えながら選曲したんです」

小堀「しかも、いろんな曲をカバーするバンドやアーティストはいますが、破壊力のある『ダイナマイトが150屯』をやる人はすごい」

Disc1のトラック3に収録されたこの曲は、小林旭さんが1958(昭和33)年にヒットさせた曲です。

敢えてリスキーに

このベスト盤の曲順には意味があるそうです。

「そのままツアーのセットリストになってるんですよね。だから(『ダイナマイトが150屯』は)3曲目に入ってる。2曲やってMCやった後は、『ダイナマイト』から行きたいなって、そういう感じですね」

ライブをCDにすることはありますが、先にCDを出して、その通りにライブをするというのは、ありそうでないんだとか。

「CDと同じまんまのセットリストってリスクが高いんですよ。相当深くシミュレーションしないとなかなか大変。
いわゆる予告として、このCDを聞いてもらって、ワクワク感を募らせてライブに来ていただければと思います」

バンド45周年でもリスキーを追いかける甲斐さん。まさにロック第一世代の心意気です。
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2019年10月20日08時17分~抜粋

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