小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

CKB横山剣が語る。最新作は「清濁併せ呑む」日活映画の世界

クレイジーケンバンドの横山剣さんが8月4日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

「数字は増えるんですけど、気分はずーっと変わんなくて。結成がそもそも遅くて、37歳の時だったんで。駆け抜けて凄いスピードだったですね」

バンドデビュー20年を超えた剣さんが、最新作に込めた思いを、コアップガラナを飲みながら語ります。

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霧笛な感じのアルバム

「今、さらにエンジンかかってきた感じ。去年は折り返しなんて言ってましたけど、そんなこと言ってらんないですね。今、燃えてるんですよね」と続けます。

8月6日にリリースされたアルバム『PACIFIC』のテーマは「港町」。
もちろん、クレイジーケンバンドの地元である横浜を指します。

横山「ちょっと泥臭かった時代の歌ですね。わけありな感じの」

小堀「僕ら、こどもの頃、日活アクションを観るといつも横浜が舞台でした」

横山「赤木圭一郎さんの『霧笛が俺を呼んでいる』。そんな世界です」

小堀「霧の笛と書いて霧笛。ボーっという感じの、そういうムードいっぱいのアルバムになりましたね」

正確さよりも雰囲気重視のアルバム紹介です。
 

清濁併せ吞む音楽

実は昔、税関で検査官の仕事をしていたこともある横山さん。

横山「僕は幸いなことに輸出担当だったんで、それほどマズイものはないんですけど、輸入担当の方は相当苦労されたと思いますね」

小堀「昔の日活映画とか見ると、なんか夜になると倉庫街でヤクの売買が。ギャング団とか謎の中国人とか出てきましたが…」

横山「謎の組織がうごめいている。でも事実そうだったみたいですね。布袋様とかそういう人形の中に、白いのが入ってたり」

小堀「昔の横浜はいろんなものが入って来て世界の縮図みたいですね」

横山「清濁併せ呑むという感じですね」

小堀「クレイジーケンバンドもまさに清濁併せ吞む音楽です」

横山「それモットーでしょう」

オシャレも泥臭さも、古さも新しさも、リズムもムードも全部ありのクレイジーケンバンドの音楽です。
 

「Tampopo」

ここからアルバム『PACIFIC』収録曲の一部について触れます。
2曲目の「Tampopo」について。

横山「僕はカギっ子だったんです。港でコンテナのトレーラーが行きかう煤煙の中、タンポポが揺れてるような風景の中で、ちょっとこどもの頃を思い出した、みたいな設定になってます」

ちょっと切ない、鼻の奥がツーンと来るような歌です。
 

「クレイジーの中華街大作戦!」

3曲目の「クレイジーの中華街大作戦!」は、クレイジーケンバンドの古くからのレパートリー。

横山「95年に自分のソロ名義で『中華街大作戦』を出したんですけど、実はパート2、パート3とあって、パート2はサビを『MINT CONDITION』という曲で使ったので、残っていたパート3をラテンバージョンにすると一番盛り上がるんじゃないかと思いまして」

ソロ名義でのレコーディングはあるものの、クレイジーケンバンドとしては初めてのレコーディングなので、タイトルに“クレイジーの”を付けたそうです。
また、このタイトルはクレイジーキャッツからもヒントを得たそうです。
 

「場末の天使」

11曲目の「場末の天使」は映画の主題歌。
北方謙三さんの「抱影」という小説を元に、俳優の中野英雄さんがプロデュースした映画『影に抱かれて眠れ』(9月6日公開 和泉聖治監督)で使用されます。

横山「中野さんが『主題歌書いてくれないか?他に頼む気ないから』って男気のあることを言ってくれて。
新曲作るのもいいんだけど、熟成肉のようにエイジングしたのも良いと思ったんです。約40年ぐらい経った曲なんだけど、この映画の舞台に絶対合うと思いました」

歌詞を修正して和泉誠治監督に渡すと、そのままで採用が決まりました。
『影に抱かれて眠れ』の主演は加藤雅也さん。

横山「加藤さん、かっこいいですね。なんか良い感じの枯れ方というか渋いですね」

往年の日活映画が持ってた匂いもあり、クレイジーケンバンドの曲もピッタリはまります。

小堀「剣さんの持つそういう匂いは、横浜の影響が大きいですよね」

横山「今あるないは別として、地場がそういうものを呼び込むと言うか。やっぱり似合うと言うのは無理がないわけですね」
 

実演販売

横山さんは今回のプロモーションとして全国4ヵ所で「実演販売」に臨みます。

横山「こどもの時は、野菜切り機とか包丁とかの実演販売やってましたよね。ああいう心意気で、通りすがりの人にCDを、ちょっとこっち来て聞いてくれよ、という感じです」

CDを購入すると、記念撮影が可能とか。

小堀「みんな撮影したいから、もの凄い行列になる。時間も体力も凄いですよね」

横山「コンサート以上に消耗しますが、でも、皆さんとこんなに密着できる時間もあんまりないので、とても嬉しいですね」

中京エリアでは、8月11日にエアポートウォーク(豊山町)で開催です。
 

ハワイは来年、名古屋は9月

クレイジーケンバンドには2006年のアルバム『GALAXY』に収録した「HONOLULU BBQ」という曲がありますが、来年7月にはそのタイトルを冠した『ヨコワケハンサムワールド REAL HONOLULUBBQ』というイベントも行われます。
ホノルルでライブを楽しみながら、リアルにバーベキューを味わう3泊5日のツアーとのこと。

「それが、ああなってそうなってこうなってハワイ。まさかすると思って歌ってなかったですけど、本当に実現しちゃってね。来年ですけども」

20周年を超えて、ますますエネルギッシュに活動するクレイジーケンバンドですが、今月からはホールツアー『CRAZY KEN BAND TOUR PACIFIC 2019』が始まります。
中京エリアでは9月27日金曜日、日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで開催されます。
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2019年08月04日08時19分~抜粋

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