小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

ザ・キングトーンズ 内田正人さん死去で振り返る「ドゥーワップ」

『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』、小堀勝啓の心の琴線に触れた森羅万象のモノ・コト・ヒト、思わず「コレコレ!」と言ってしまうことを新旧分け隔てなく紹介する「コレコレ」のコーナー。

2月24日の放送では、「ドゥーワップ」を取り上げました。

今月15日、日本を代表するドゥーワップグループ、「ザ・キングトーンズ」のボーカル 内田正人さんが亡くなられました。

ザ・キングトーンズの名曲、内田さんのハイトーンボイスが光る「グッド・ナイト・ベイビー」に乗せて、小堀が語ります。

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ドゥーワップグループ

リスナーAさんからは、「キングトーンズの曲で一番好きなのは、タイトルもそのまま『Doo Wop! Tonight 』なんですよ」というおたよりが寄せられています。

「我々はコーラスグループじゃない。ドゥーワップグループなんだ」

これは、ザ・キングトーンズのメンバーが常日頃から話していたこと。

今でこそ「ドゥーワップ」そのものを知らない若者も多いですが、かつてドゥーワップは日本でも一大ムーブメントを巻き起こしました。

デビュー曲「ランナウェイ」がミリオンセラーとなったのは、鈴木雅之さん率いる「シャネルズ」。

山下達郎さんは、大のドゥーワップ好きとして知られています。

コンサート前にはたくさんのドゥーワップの曲が流れ、コンサートの中盤の「オン・ザ・ストリート」のコーナーでも、ドゥーワップをやられているそうです。
 

意味のないスキャット

ドゥーワップとは、1950年代半ばから60年代にかけて大ムーブとなった、黒人音楽のジャンルのこと。

3人~6人の黒人のコーラスグループで、きっちりとパート分けがされています。

テナー、セカンドテナー、バリトン、バスがバックコーラスを、リードボーカルがメロディを担当。

このバックコーラスが「ドゥーワップ」「シャラララ」など、意味のないスキャットをつけるのがドゥーワップの特徴です。

対旋律となるカウンターやオブリガートを主旋律にからませるという形式で、「これがまたかっこいいんですよね」と熱く語る小堀。

映画『ジャージーボーイズ』に登場する「フォーシーズンズ」も、このドゥーワップのグループです。
 

正統派ドゥーワップ

ドゥーワップの名曲は数多く存在しています。

黒人のグループはドゥーワップを発端に、ヒットポップスのモータウン系へと進化を遂げ、現代のR&B(リズム&ブルース)やヒップホップへと形を変えてきました。

黒人以外の人たちがカバーやドゥーワップをすると「ものすごいきっちりセオリーを守る」と小堀。

「達郎さんもご自分の曲でドゥーワップをやると、ものすごい正統派ドゥーワップになってます」

前述した「フォーシーズンズ」を始め、白人のドゥーワップグループも数多く誕生しました。

映画の中では、試聴盤を配り「ラジオでかけてください」とお願いするも、「えっ?黒人グループじゃないのか?帰れ!ニセモノだろう!」と一蹴されてしまう様子も描かれています。
 

ドゥーワップ入門編

「ドゥーワップ入門編」として小堀が推すのは、リードボーカルとオブリガート、バックコーラスがきっちり分けられていて、役割がはっきりとしている曲。

それはカナダ出身の白人グループ「ザ・ダイヤモンズ」の大ヒット曲、「リトルダーリン」です。

「これが基本的なドゥーアップ。セオリー通り」と小堀。

ゴスペラーズなどのアカペラグループも、ドゥーアップの形式を踏むことが多いと小堀。

きっちりと歌い分け、パート分けがされている理由は「楽器の数が少ない」ということ。

楽器はカウベルとギター、ピアノ程度で、その隙間を声で埋めていきます。

「日本のドゥーアップグループの草分けとして、大人気だったザ・キングトーンズの内田さんが亡くなったことで、改めてちょっと振り返ってみようかなと思いました」と、まとめた小堀でした。
(minto)
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2019年02月24日11時03分~抜粋

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