究極のハイブリッド・ジャズシンガーakiko

小堀勝啓の新栄トークジャンボリー / エンタメ

ジャズシンガーのakikoさんが、9月9日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

デビューから17年、今年の4月には『ジャズを詠む』という書籍を出版したakikoさん、これまでのジャズシンガーの枠にとらわれないアーティストです。

運命のおじいさん

「元々パンクが好きな人間なんです。デビューして10年後くらいに1枚ロックのアルバムを作らせてもらって長年の夢を叶えたりしているので、いわゆる"ジャズシンガーたるもの"みたいな姿とは全然違います」

名門ジャズレーベル、ヴァーヴレコードから初の日本人女性シンガーとして契約し、デビューアルバムの『ガール・トーク』(2001年)はいきなりパリでの録音。
以降17年間にリリースした23枚のアルバムは、テーマ、共演したミュージシャンが違い、レコーディングも日本だけでなく海外と、それぞれが個性的な作品です。

「私はパンクが好きで、10代の頃はロックやモッズやロカビリーのイベントに行っていたんです」

大学生になると、友だちのお父さんが経営するマジッククラブでバイトを始めます。そこからジャズシンガーへの道が始まりました。

「そこでギターを弾いているおじいさんがいて、その人と一緒に歌い始めたのがきっかけなんです。
でもそれも、別にジャズっていう音楽を意識して聞いてたわけでもないし、もちろん歌い方を知ってたわけでもなくて、ただ、そのおじさんが歌ってる曲に、なんか聞き覚えがあって、『私、その曲だったら多分歌える』って言って感覚的に歌いだしたのが初めですね」

マジックより100曲覚えなさい

「マジックバーにいたってことは手品やろうと思ったの?」と言う小堀に、「手品もちょっとは覚えましたよ」と笑うakikoさん。

「君、マジックの練習しなくていいから、まずはこの100曲を覚えなさいって言われて、ジャズのスタンダードのが100曲入ってるレコードのボックスセットを貸してくれたんです。

すぐ覚えたんですけど、ただつまんない曲と好きな曲があって、つまんない曲は歌おうともしなかったです」

小さい頃から好き嫌いがはっきりしていたそうで、ピアノのレッスンでもつまらないと思った曲は、全然練習する気がなく、自分で好きな曲を聴いていたそうです。

楽しく生きていたい

「基本的には苦労したくないっていうのが、私の根本にあるんです。ジャズを歌い出して、そのジャズを歌うことが仕事になっているのも、基本的には楽しいことをして生きていきたいっていう信念がベースにあるんですよね。
なので、楽して生きていきたいとか、楽しいことだけ考えてます、みたいなこと言うと何それ?って言われることが多いんですけど」

日本では、楽しいことをして生きることが好ましくないと見られることもあり、むしろ、苦労とか努力の末に幸せや成功を手に入れるのを美徳と考える人が多いというakikoさん。

「でも私は、その道はいろんな選択肢のひとつであって、私は楽しい道を選んでいるだけなんです。別にそれが正しいとか間違ってるとか善悪の判断ではないんじゃないかと思っているんですよね」

このakikoさんの言葉に小堀も激しく同意しました。

プレッシャーもありました

人生を謳歌し苦労を感じさせないakikoさんですが、デビュー時にはコンプレックスがあったそう。

「私は音楽の勉強をしてきてないんです」

確かにジャズと言えば、名門の音楽大学出身というイメージもあります。例えば渡辺貞夫さんや上原ひろみさんなど、多くの日本人ミュージシャンはバークリー音楽大学出身です。

「ヴァーブ初の」という肩書きも、デビュー当初こそわからなかったものの、2年3年と活動していく上で意味がわかるようになると、自分の本来の姿とギャップを感じるようにもなったそうです。

さらに「本格派」とか「世界で」などの言葉もすごくプレッシャーになっていた時期があったということです。それを抜けたのが考え方が変わってから。

「自分ってなんだろうとか、自分の本当のこの声の魅力ってなんだろうとか、自分が表現したい音楽ってなんだろうと追求していく中で、それって優劣をつけるものでもないし、競う必要が全然ないんだなって思うようになったんです。

日本人である私がアメリカのすごい体格のいい黒人のような声が出るわけでもないんですよ。自分は自分であればいいし、その中で日本人である私しか表現できないジャズってなんだろうって考えるようになってたんですよね」

誇るべきごった煮性

「僕はakikoさんの中に、世界に誇るべき日本人のごった煮性、何でも取り入れて全部消化してしまう部分を見た気がします。
akikoさんの音楽スタイルは日本人の持ってる、究極のハイブリッドだと思った」と言う小堀。

「自分でなかなか気づかないことを、そうやって分析してくださるとすごい嬉しいです」とakikoさん。

「取り入れるものも、自分が心を動かされて、いいなと思うものしかできないんですけどね。やっぱり好き嫌い、自分の好みがはっきりしてるんです。なので、今はこれが売れてるからっていうのは全然自分に響かない」

自分の心を動かされたものをどんどん取り入れていくごった煮スタイルのハイブリッドジャズ。
「これからどうなっていくんだろうね?」と小堀も楽しみです。

「私もわかんないですね。でも、どんどん生きるのが楽になってるっていうか。素直になってるのかもしれないですね」

9月15日土曜日に、名古屋ブルーノート(名古屋市中区)で『ジャズを詠む』出版記念ライブがあります。
「今回はカルテットです。ピアノトリオ+ギターが入ります」ということです。
読んでから聞くか?聞いてから読むか?akikoさんが気になった方はぜひどうぞ。
(尾関)
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2018年09月09日08時19分~抜粋

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