小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

松田龍平、『泣き虫しょったんの奇跡』の取材が苦手になった理由は?

プロ棋士の実話を基に映画『泣き虫しょったんの奇跡』が、9月7日金曜日から公開されます。

本作の豊田利晃監督と主演の松田龍平さんが、9月2日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

奨励会ってなに?

『泣き虫しょったんの奇跡』。これは将棋ファンには有名な実話が基になってます。

プロ棋士になるのは狭き門。まずは、どうやってプロ棋士になるのかの基礎知識。

愛知県瀬戸市出身の藤井聡太七段が注目され、プロ棋士を目指す人は、奨励会というプロ棋士養機関に所属して切磋琢磨している、ということは将棋に興味のない人にも知られるようになってきました。

藤井聡太さんは14歳2ヶ月でプロになっています。ひふみんこと加藤一二三は14歳7ヶ月。こんな若さでプロになるのは天才中の天才です。ほとんどの人は小学校から奨励会に入って練習して練習して、それでもプロ棋士になるのは、ほんの一握り。というより、ひとつまみの人達です。

さらに奨励会には、26歳の誕生日までに四段までに昇格できないと退会、という掟があります。そこでプロ棋士の道は閉ざされるわけです。

実話の映画化

映画のモデルは実在の人物。現在、プロ棋士として活躍している瀬川晶司五段です。
瀬川さんは26歳の壁にぶち当たって奨励会を退会し、一度プロを挫折しました。サラリーマンとして働きながらアマチュア会で将棋を指し続け、めきめきと頭角を現しました。

瀬川さんのプロになりたいという強い意思と周りの後押しで、プロ棋士への編入試験が実施されました。試験はもちろんプロとの対決。瀬川さんは35歳でプロ棋士になりました。その間には何回も涙を流すような出来事が起こりますこ。
それがタイトル「泣き虫しょったん」の所以です。

この瀬川晶司さんに扮するのが松田龍平さん。
脇を固めるのが妻夫木聡さん、新井浩文さん、早乙女太一さん、松たか子さん、美保純さん、イッセー尾形さん、小林薫さん、國村隼さん、染谷将太さんなどの超がつくほどの豪華キャストです。

監督も奨励会にいた

豊田「映画の企画は7~8年前からあったんですが、将棋の映画だからお客さんが入んないと、いろんなプロデューサーに断られていたんです。でも藤井七段のおかげで将棋ブームができて、製作にこぎつけることができた」

ほとんど将棋がわからなくても凄く面白く見られたと言う小堀に、「そうですね」と松田さん。

松田「僕も将棋やらなかったんで、将棋を題材にした映画がどう見られるのかな?と思ってたんです。
豊田さんが、もともと将棋と凄い縁が深いことは知っていたんで、どういう風に撮るのかなと僕も出ながらにして楽しみにしてたところがありました」

実は豊田監督、9歳から17歳までまさにこの奨励会に入っていました。

豊田「僕は瀬川さんと違って劣等生ですけど、奨励会では。同じような経験、似てるような経験はしてますね」

あるジャンルを極めた男たちのドラマ『麻雀放浪記』『スティング』『ハスラー』などは、賭け事を知らなくても映画として楽しめます。この映画もそういう作品と言えるでしょう。

実在の人物を演じる

瀬川五段という実在する人物の撮影はどのように行われたのでしょう?

松田「将棋の練習は映画が始まる3ヶ月前から付き合っていただいて、本当に親身に教えてもらいました。撮影には監修で来られてたんですが、すごく自由にやらせてくださいました」

モデルの人物が現場に来るという状況は役者としてやりにくくはなかったのでしょうか?

松田「こんなにありがたいことはないなと思いながら、監督より気になってしまうこともありました。瀬川さんもワンシーン、僕と同じシーンに出てて、そこに本人がいるって気持ちになってしまって、あの時は結構散らかってましたね。

豊田さんから、指す時の指の動きは練習して、と言われてました。ちゃんとやったのはそれぐらいで、あとはもう、瀬川さんがずっと近くにいてくださったんで安心してました」

松田さん以外の役者の皆さんにも将棋を指す芝居があります。
そこで待ち時間に、指の練習も兼ねて役者同士で遊びで将棋をやっていたそうです。

松田「すごい特殊なカメラで本当に寄りを撮ってたんで、ちょっと動いただけでも、もう一回やり直しで、いつもと違う緊張感ありましたね」

親友と”親友”を演じる

こどもの時から切磋琢磨したライバル役を演じるのは、人気バンド・RADWINPSのボーカル、野田洋次郎さん。一昨年の大ヒット映画『君の名は。』の主題歌「前前前世」でおなじみのバンドです。

実は松田さんと野田さんは、この映画の撮影の始まる2年前ほど前から飲み仲間だったそうです。

松田「やりにくさはなかったですね。多分、洋次郎も誠実に芝居をまっすぐやってたなと思うし、それにすごい背中を押された感じでした」

豊田「キャスティングとしては、凄く面白いんじゃないかと思ったし。実際の友だちが親友役をやると、映画では写らない部分が写るような気がして、良いキャスティングじゃないかなと思ったんですよね」

画面に滲む挫折感は何だ?

松田さんは現在35歳。瀬川五段が挫折からプロになれた時と同じ歳です。これまで松田さんには瀬川さんのような挫折はあったんでしょうか?

松田「そういうことは僕にはないですね」

「例えば、なにか凄い現場に行って、大先輩たちとやって、打ちのめされて、トイレでしょったんみたいに泣いちゃった事とか」となおも粘る小堀ですが、「いや、ないんですね(笑)」

小堀が粘った理由は、松田さんが奨励会を去るシーンで画面上にとてつもない挫折感が滲み出ていて、それが松田さん自身の経験から出たのではないかと思ったそうです。
これに対しても「なんなんでしょうね」と笑う松田さんでした。

取材を受けるのは辛い

出来上がった映画を見て、自分の演技について振り返る松田さん。

松田「あんまりこういう芝居をしようって決めて現場に行ったわけじゃなくて。なんだろうな、その芝居しかできないような感覚になんか自分がなっていて。だから、そういう意味では取材を受けるのがすごい辛いんですよ」

思わず笑ってしまう豊田監督でした。

実在の瀬川五段の役をやったことで、自分の中で新しく掴んだと言うものはありますか?

松田「瀬川さんは、本当に将棋の世界で戦ってるのかって疑いたくなるぐらい、ゆったりした人でした。でも、いざ将棋盤の前に座ると、やっぱり勝負師の雰囲気があります。負けられない戦いを知ってる人だなと思うし。それはすごく僕に必要っていうか、影響を受けましたね」

一つの思いを全うした

豪華俳優陣が集結した理由について「たぶん脚本を気に入ってくれて出てくれたんだと思うんですよね」と豊田監督。

実は豊田監督、1991年の阪本順治監督『王手』という将棋映画の脚本を手掛けています。
監督の中には「将棋」がテーマとしてあったんでしょうか?

豊田「いつかはやらないといけないっていう題材ですよね。みんなも見たいと言ってたし。今回やるチャンスを与えられて、それを全うしたと思ってます」

これから映画を観る人へ

最後にこれから作品を観る方へのメッセージです。

松田「将棋の映画ですけど、人を選ばない誰でも楽しめる映画になったと思います。是非、劇場で観てほしいです」

豊田「たくさんの人に観てもらいたいと心から思える映画って、初めてのような気がして。
いろんな世代の人に観てもらいたいですよね。将棋だからって、毛嫌いしないで、一人の人生の物語として楽しんでもらえて、心に触れる何かがあればすごく嬉しく思います」

映画『泣き虫しょったんの軌跡』は9月7日、今度の金曜日からTOHOシネマズ名古屋ベイシティ、ミッドランドスクエアシネマ、伏見ミリオン座ほかで公開です。
(尾関)
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2018年09月02日10時41分~抜粋

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