小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

バイオリニスト宮本笑里、初の全曲クラシックアルバムに込めた決意

バイオリニストの宮本笑里さんが、8月5日『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

7月25日に全曲クラシックのアルバム『classique』をリリースしたばかりの宮本さん、幼少の頃の話から現在ハマっているものを披露しました。

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11年目の決意

「全曲クラシックアルバムって作ったことがなかったんですね。すべてクラシックというのは作ってなかったからこそ、ちゃんと形に残したいなと思って、挑み思いました」

昨年、デビュー10周年を迎えた宮本さんですが、オリジナル曲の中にクラシックの作品、小品が入ったアルバムはあったのですが、全曲クラシックは実はこの『classique』が初めて。今までのアルバム作りとは違うものがあったんでしょうか?

「結構プレッシャーにもなりましたね。私自身、デビューの頃からポップスとクラシック、どちらも大事にやっていきたいという思いが強くて、両立させてやらせてもらってたんです。でも中途半端にクラシックを見てるんじゃないか、というクラシック専門の方々からのご意見も耳に入ることはあったんですね」

そう言われても仕方がないという覚悟でやってきた10年。そんな中でもクラシックアルバムをずっと作りたいという思いはあったそうです。しかし勇気がなかったそうです。

「今年は11年目を迎えることができて、逃げてばっかりじゃいけないし、もっと頑張らなきゃいけないっていう意味も込めて、今回は挑戦しなきゃいけないなという風に思ってやってきました」
 

ホール録音の緊張感

「このアルバムはスタジオではなくホール録音。これが何とも言えない、すごい奥行きのある音で。CDで聞いても違うもんだなあと思いました」と小堀。

「ホールのレコーディングは、まるでクラシック会場にお客さん達が来てくださって、その場で聞いてる感覚を味わっていただけるんじゃないかと思います。だからコンサートをライブで自分が演奏している感覚で、一発録りの勢いじゃないと駄目だなあと思って準備をしました」

ホールを借り切っている3日間という時間の制約のあり、録り直しも何十回とできるはずもなく、この曲は何時に録り終わらなければいけない、と決めながらの録音だったそうです。「これまでに味わったことのない緊張感でした。よりまた自分の成長の一つにつながってきたのかなと思います」

ピアニストも弾きたくない曲

収録曲はこんな感じ。8曲目、クライスラー作曲「愛の喜び」。

宮本「この曲は普通に弾くと簡単なんですよ。でも、その普通から、いかに自分色を出せるかっていうのが勝負だなぁと思います。年齢を重ねてきたからこその、自分の表現力が出せたらいいなっていう思いで演奏していました。
この『愛の喜び』って、ピアニストも弾きたくない楽曲なんです」
小堀「なんで?」
宮本「弾きづらいっておっしゃっていて、私も実際、弾きにくいんですよ」

意外なやり取りが。

小堀「聴く側からすると、すごく聴きやすい曲じゃないですか」
宮本「そういう風に言っていただけるのが、すごい幸せなことです。難しい曲を難しく弾いちゃったら全然楽しめないから、それを自分のいろんなものをカバーして、楽しんで聞いてもらえるようにするにはどうしたらいいのかな、というところをすごく研究しました」

ギターとのデュオに鳥肌

今回のアルバム『classique』には初回限定でDVD付きのバージョンもあります。
こちらにはスパニッシュギターの沖仁さんとコラボも。曲はビバルディの「冬」です。

宮本さんは以前、木村大さんと沖仁さんのギターデュオでヴィヴァルディの違う季節の演奏を聞いて感銘を受けたそうです。バイオリンとギターのデュオは聞いたことがないと思って依頼したんだとか。

「私は即興的なスパニッシュのものは出せないけれど、ぜひ一緒に、ヴィヴァルディの「四季」で新しいものを作りたいとお願いしたんです。同時録音をした時は本当にカッコよくて鳥肌が立ちました。とにかく一音目から鳥肌が止まらなかったです」

子供の頃踊っていた曲

16曲目は「ロンドンデリーの唄」。
小堀は「ダニーボーイ」として、我が子を愛しむみたいな曲の定番と言います。

宮本「この歌詞も本当にこどもを思う親の気持ちっていうのが、すごく表れているなって改めて感じながら、私も今回演奏させてもらいました」
小堀「お母さんになったから弾ける音が出てくるってあるかもしれませんね」
宮本「だと良いなと思います」

9~14曲。バルトークの「ルーマニア民族舞曲」。

「これはすごく個性的で怪しげな雰囲気もあったり、ラストにかけては、ずっと踊っているイメージなんですね」

宮本さん、バイオリンを始めた小学1年生ぐらいの時に、バイオリニスト五嶋みどりさんの『アンコール!』というアルバムでこの曲を聴いて虜になったそうです。ずっとこれを聞いて踊っていたんだそうです。

「だから、いつか弾きたいなと思っていたので、今回、夢が叶って嬉しいです」

怖いお父さん

こどもの頃と言えば、宮本さんのお父さんは、オーボエ奏者の宮本文昭さん。
指揮者やプロデューサーとしても活躍します。宮本さんがこどもの頃は厳格だったそうです。

「バイオリンの先生よりも厳しかったんですよ。もう本当に怖くて、ちょっと嫌いになりそうな時期もあったんですけれど、やっぱり、そういう時期があったからこそ今があるという風に思っています」

「ダンディーで優しそうで、普通の親子の時はいいんだけど、音楽になると違うんですか?」と思わず聞く小堀。

「小さい頃は本当に良いパパだったんですけど、私が本気でやると決めた中学生の頃は、普段からも敬語になっちゃったので、思春期とかは、そんなに話した記憶がないんですね」

どこまでも芸術家の父

「怖いし、自分から、学校でこんなことあったよって言えなくなっちゃいました。今は、孫も出来ておじいちゃんになったので逆です」と言う宮本さんに、「文明さんがおじいちゃんって全然イメージ湧かない。さらっとした茶髪でダンディなのに」と小堀。

「茶髪だったんですけど、今は茶髪も卒業してナチュラルなホワイトな感じになってます。 白のロン毛。どこまでもアーティストなんだなって感じますね」

しかし孫の顔を見ると「だいぶ顔がにやけてます。ずーっと頬が下がってる感じです」とのことでした。

粉モン大好き

宮本さんが最近ハマってるのは、意外にもお好み焼きだとか。

「昨日、大阪、京都とキャンペーンでに行ってお昼にお好み焼きを食べました。ああいうの大好きで、もんじゃとかも好きです」

「もう口の周りにソース青のり平気ですか?」と言う小堀に、「あんまり気にしないです。よく突っ込まれます」と語る宮本笑里さん。

8月11日の土曜日には、イオンモール木曽川で、13時からと16時からの2回、アルバム『classique』の発売記念イベントを行います。
また、リサイタルツアーとして12月22日土曜日には名古屋栄の宗次ホールで、夜の6時開演でコンサートが開かれます。
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2018年08月05日08時18分~抜粋

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