小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

谷村新司、アリス再始動のリハビリに励む

アリスでのラジオ番組復活が話題となっている谷村新司さんが、6月17日『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)に出演しました。はゲストでした。

2学年下の小堀勝啓が言うには、40年近く前、谷村さんがCBCを訪れていた当時はエロ話をしまくっていたそうです。今回はその当時を振り返るかと思いきや…

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アリスがラジオを始めた理由

いまファンの間で話題となっているのは、アリスが18年ぶりにMBSラジオの長寿番組『MBSヤングタウン』を担当していること。

「今年の12月に僕は70になります。で、来年に矢沢、堀内と順番に70になっていくんです。このタイミングで来年、アリスアゲインで動き出そうと思ってるんです。
この年齢になると、すぐ動き出せないんですよ。だから、万全で動くために、1年ぐらいリハビリ期間をとろうと4月から3人でラジオを始めたんです。ぐたぐだのラジオをやってます」

「大丈夫。今、ぐだぐだが大好き。昔みたいなラジオってないでしょ?」と言う小堀に、「いまラジオがなんかタイトになってる。作家さんが書いた台本を読んでるラジオが多いんですよ。本当にしゃべってるラジオって少ないよね」と嘆く谷村さん。

「昴」は中国の歌?

昔、中国に行った時に、女学生が3人肩を組んで「昴」を歌うという古い映画のよう光景を見たという小堀の話から、上海音楽院の教授をしていたこともある谷村さんからこんなエピソードが飛び出しました。

「中国の人は『昴』を中国の歌だと思ってるんですよ。若い子たちはきっとそう。2010年の上海万博の時に開幕式でアジア大陸代表で、『昴』を日本語で歌わしてもらったんですよ」

ちなみにヨーロッパ大陸代表がイタリアのテノール歌手アンドレア・ボチェッリだったそうです。

「中国の万博だから、アジア大陸代表はてっきり中国人がやると思ってたらご指名が来たんです。そこで、中国の若者が日本人が作った歌だって初めて知ったそうです。でもその若者たちのお父さんお母さんの世代は、日本人が作ったってことを知ってるんですよね」

女歌がテーマの時代

6月6日にリリースされたアルバム『ステージ・セレクション・アルバム EARLY  TIMES~38年目の昴』に話が及びます。

谷村「『昴』は38年前だったんですよ。1980年、31歳の時に作った」
小堀「よくその歳でこの曲を作りましたよね。どんな老成してたんだろう」
谷村「その当時のソロアルバムは、自分が50歳になっても恥ずかしくなく歌えるものを作りたいと思ってたんですよね。だから60過ぎてからすごいフィットしてきたんです」

時が経って歌がどんどん熟成されてきて、同じ歌なのに、違う意味が出て来るような気がします。それを形にしたのが今回のアルバム。

6曲目「モーニング・コール」(1984年)は大人の女の気持ちが歌われています。この時期、谷村さんの中で何かあったのでしょうか?

「この後に「忘れていいの」が入ってる『抱擁』とか、『棘』とか一連のアルバムを作ったんですよね。あの時は、女歌っていうか、女性が主人公の歌を作って歌うっていうのをテーマにやってたんです」と谷村さん。

「小川知子さんの胸に手を入れてるやつがありました」と小堀。
1984年、小川知子さんとのデュエット曲「忘れていいの」のことです。

あったらいいなを一枚に

1980年前後のアルバムを中心に、構成したステージを、今年の4月に行いました。その時、「これが全部入ってるアルバムがあったらいいのにね」というお客さんの声があったそうです。

「自分も客席にいたら、いま聴いたやつがほとんど入ってるようなアルバムあったらいいのにと思う」と考えた谷村さん、「それなら、できるだけ、今回の構成に近いものをセレクトしてアルバムにしちゃえ」ということでこのアルバムが出来ました。

だからタイトルに「ステージセレクションアルバム」と入っています。

「4月の10日過ぎから一気に作り始めて、6月のツアースタートの9日に間に合うように作ったんです。
これからツアーを見に来る人たちは、見終えてロビーに出ると、いま見たやつの中からセレクトしたものが一枚になってるんです」

アナログっぽい雰囲気を出すために

アルバムはツアーで歌う20曲以上ある中から13曲をセレクト。「今では、もう手に入らないアナログの音源のものを、今の技術でちゃんと作り直しています」

「音がすごく豊かですよね」と言う小堀に、「うちはデジタルのいいところとアナログのいいところを共有してレコーディングするんですね。バンドメンバーとボーカルがせーの、ドンという本番通りの感じで録るんです」と谷村さん。

「楽器ごとのパートを録って、一人で寂しくスタジオで歌を入れるってことじゃなくて、演奏する方も息遣いを聞きながら演奏できる。だから、何かアナログっぽい感じになってるんです」それが得も言われぬ雰囲気として出てくるようです。
 

やっぱり最初のテイクが良い

「1回目のテイクはちょっと感情を抑えたやつ。二回目のテイクはちょっと感情を入れたやつ。だいたい3回から4テイクしか録らない。いつも大体一番最初のテイクが良い」

力が入ってないのが一番良いんだそうです。

「バーブラ・ストライサンドとかレコーディングしてた時のプロデューサーでフィル・ラモーンって人がいるんですが、僕がアメリカでレコーディングした時のプロデューサーがフィルだったんです」

その時に聞いた裏話を話す谷村さん。

「バーブラがある曲を半年間 200テイクぐらい毎日同じように録ったんだって。最後に電話かかってきて、やっぱりフィル、最初のテイクがOKって。 この半年間なんだったんだってね。
そういうもんなんだよねって言ってました。やっぱり最初のテイクが一番いいんですよ。心地いいって言うか新鮮でもあるし」

同じ「昴」はない

歳をとると歌うキーが低くなってくる傾向にあるんですが、谷村さんはキーが変わっていません。

「『昴』も元キーのまんま歌ってます。69歳の声をもう全部リアルに聞いていただこうと思っています」

「人間はだんだん歳をとったら枯れてくるから、若い時がやっぱり色気があるのかと思ったら、歳とった方が色気がありますね」と言う小堀。

「絶対そう。若い頃って力技なんですよ。でも年齢を重ねて、ちょっと引いたり、八分目で歌ったりするところに、聞いてる方は色っぽさを感じるんです」

また、ステージで歌い続けていると歌も変わっていくそうです。

「『昴』でも何千回と歌ってるけど、一回も同じ『昴』はないです」

『谷村新司コンサートツアー ~38年目の昴~』、中京エリアでは10月6日にアイプラザ豊橋(愛知県豊橋市)、10月8日に不二羽島文化センター(岐阜県羽島市)、10月13日に浜北文化センター(静岡県浜松市)で開催されます。
谷村新司さんの69歳のリアルを聞きたい方はぜひどうぞ。
(尾関)
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2018年06月17日08時27分~抜粋

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