1月8日、日本ガイシホール(名古屋市南区)で開催した『青春のグラフィティコンサート2018』に出演した泉谷しげるさん。
小堀勝啓が、このバックステージで泉谷しげるさんにインタビューを敢行し、2月4日の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』で放送しました。
歌、絵画、テレビドラマに活躍する泉谷さんの話に小堀勝啓も引き込まれました。
強面なのに人気者
元日早々、ドラマ『三匹のおっさん』(テレビ東京系)があった泉谷さん。翌2日には、浅草で生中継のキャンペーンもしたそうです。
幸先のいいスタートと思いきや、「40年ぐらい、正月仕事したことない。正月は休むのに休ましてくんない。なんかすげー損したような気がする。ふざけるなって!」と泉谷節が早速さく裂。
「泉谷さんは不思議です。すごい強面のイメージがありながら、茶の間の人気者になっていくという、不思議な図式ですよね」と小堀。
「本人は納得してませんけどね。まあ、怖くしておかなきゃいけない時代でもあったんで。フォークなんか舐められてましたからね。芸能界は我らを舐めてるわけですよ。で、この野郎っていうのがあって喧嘩売ってましたね」
実は最近の泉谷さん、料理が特技となっています。
「ドラマ『三匹のおっさん』シリーズが4年前に始まった時にね、ロケ弁含めて弁当がひどかったんですよ」
その後、改善されたものの、味は今一つ。
「文句言うんだったら自分で作れって、誰かが言ったんで『わかったよ。作ってやるよこの野郎!』ってさあ、作ったのはいいんだけど酷い出来で。40年料理はやってませんからね」
その後、料理番組に出ることになって、真剣に米の炊き方から何から聞いて回った泉谷さん。「初めて人の言うことを聞いた」のだそうです。そのおかげで、料理の腕も評判になりました。
「結構いいとこ行っちゃたんだよね。で、調子乗っちゃって、ちょっと天狗。頑固オヤジで何もしない時代は、もう古いと思いました。相当女性の懐がデカくないとできない。それほどの力もねぇくせに威張られてもな?だから、今時のじいさんは、ある程度出来なきゃダメですよね」
今年で古希(70歳)を迎える泉谷さんと、68歳となる小堀、この二人による「今時のじいさん論」が始まります。
「ちゃんと自分もダメだって言うところを見極める。必ずしも全部強いわけではなく、自分の問題になった時には、結構落ち込んだりしてるじいさんですよ、というところは見せてると思うんですよね」(泉谷)
「僕は歳とってきて、じいさんになったもんで、若い時と違って、カッコよくなくてもいいんだとか、強くなくてもいいんだ。こんなにダメですって出せるようになった」(小堀)
「それも、またカッコよさだと思うんですね。昔の歌のいいところは自虐がちゃんとあった。私バカよね~みたいな歌もあったじゃないですか。今は自分が正しい、みたいな歌しかない。やっぱり、人をやっつけるんだったら自分を晒け出さないと」(泉谷)
“じいさん”になっても変わらない泉谷さんのスタンス、それは常にアウトローであること。
「アウトローは楽しいですからね。良い人やってるのなんか、辛いと思いますよ。
ヘンなことに対しては、何言ってんだ、この野郎!って言っちゃう。そうやってワルぶってて、たまにちょっと良いことすると、すごい評価されますよ。ほんのちょっとなのにね」
そんな泉谷さんですが「根は良い人」と言われるのは困るそうです。
「それは営業妨害なんで止めてもらいたい。作り上げたイメージがあるんで止めてほしい。良い人だとバラされると困る」
やっぱり怖い人と言った方が良いんでしょうか?
「そりゃそうですよ。やっぱり昭和の頑固親父みたいに、そういう重しみたいなのがいたから、俺たちはそんなにグレないで済んだんじゃないですか」
今も割れんばかりの声で歌う泉谷さんですが。
「こういう風に綺麗に歌おうだとか、そういう気がないんで。勢い、勢い、勢いのみ!」
小堀は「南こうせつさんが、泉谷さんは健康診断で、どこも悪くないって言ってたけど、本当だろうか?って言ってましたが」と尋ねます。
「全部が悪いからね。気づかないんじゃないですかね」と泉谷さん。特に健康のために気を使っていることはないそうです。
名古屋入りして、武田鉄矢さんたちとご飯を食べた時のことを話す泉谷さん。
「いきなりあいつら、皿の上にヘンな、ちっちゃい薬かなんか出して。『何やってんだ、お前ら』って言ったら、尿酸値がどうだの血糖値がどうのって言うから『え~?』ってビックリしちゃった。
『メシが不味くなるから止めろ、この野郎!』って言ったんだけど、あれが食えないだのなんだのってさ、信じられないですね」
「若い頃は、ただバーンと真正面に行ったんだけど、今、手練手管だと思う。ぶつかり方も、引き方もわかってるんだと思うね。だから今の方が本当はひねくれてんのかもしれないね。老獪」
若い頃は、なぜか女優に絡んでいたという泉谷さん。
「可愛いと思っていい気になってんじゃねーぞこの野郎!とかさ。よく女優をイジメてましたね。みんな笑ってましたけどね」
「いいなあ。そういう風に、みんな、なりたいと思うんですよね」と小堀。
「女の子たちとか女優が、バラエティやってて、隣に座ってると、『お前、髪洗ったのかよこの野郎、くせえぞ』って言うと、香水ですって言うんですよ。『香水かこの野郎。くせえ香水だな』とかよく言ってましたね。
酷いんですよ。しげるはしょうがねえなあ、とかさ、女優陣から笑いながら言われてましたね。暴言も笑わせたらこっちのもんだ、みたいな」
これだけ「この野郎」と言っても問題にならないのが泉谷さんです。
「そこら辺は、やはり手練手管なんじゃないかな。みんな馬鹿野郎とか言いたいでしょ?たまたま、俺は誰よりも先に言っちゃうだけで」
くれぐれも、皆さんはバカ野郎と言わないように。
「お前が言うな、お前が。俺はちゃんと悪いことやってきたからだぞ」
どこまで間に受けて良いか分かりません。これも手練手管でしょうか。
泉谷さんを語る上で欠かせないのは絵の才能。
「絵は片手間なんです。自分は歌手で、あるいはタレントで有名になったから、絵もやらせてもらえるんであって、明日から芸術家宣言したら、みんな困っちゃうでしょ?
こないだ記者会見をやった時に『泉谷さんは、寝る間も惜しんで、このアート作品を作ったんですね』って、女性記者が聞いてきたから、『馬鹿言ってんじゃねえよ。十分、寝てやってるよ』って答えた。
俺は『三匹のおっさん』もやんなきゃいけないし、歌も歌わなきゃいけない。その合間にやってんだよ。ね?それを今日から芸術家になりますって言ってどうすんだっつーの。みんな引くだろ、んなもん。
みんなさあ、スポーツだって、勉強の合間に練習してやってるわけでしょ?ハッキリ言えば、片手間の時間でしかないんですよ。なのに、あそこに行くんですよ。これが凄い。
だから、みんな片手間でやってるのに、自分だけ時間をくれなかったらやれないって奴は、そいつは最初からやれない奴なんだよ。あとはもう本当に盛り上がったらやればいいんであって、飽きたらやめちまえ、ですよ」
ノンストップで自論を展開する泉谷さんです。
名古屋に来る新幹線で、車椅子に乗ったビリーバンバンの菅原孝さんとすれ違った泉谷さん。その時は気が付かなかったそうです。
「降りてから、え?菅原なの?ってなって。ちょっと待てと。
車椅子の菅原が悪いんではなくて、俺の方が悪いのか?認知症か?みたいな気になっちゃってさ。向こうは倒れても覚えてるのに」
危機感を覚えた泉谷さん。
「しまったなあと思ってさ。目が悪くなったとかで片付く話じゃないんで。いやあ申し訳ないんだ」
非礼を後悔する泉谷さん。やっぱり根は良い人です。
そしてホテルに入って、認知症じゃないか記憶を辿ったそうです。
「ギターの弾き方どうだったっけとか。ハハハハハ。皆さん、気を付けてください」
最後は認知症を注意する泉谷さんでした。
(尾関)
小堀勝啓が、このバックステージで泉谷しげるさんにインタビューを敢行し、2月4日の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』で放送しました。
歌、絵画、テレビドラマに活躍する泉谷さんの話に小堀勝啓も引き込まれました。
強面なのに人気者
元日早々、ドラマ『三匹のおっさん』(テレビ東京系)があった泉谷さん。翌2日には、浅草で生中継のキャンペーンもしたそうです。
幸先のいいスタートと思いきや、「40年ぐらい、正月仕事したことない。正月は休むのに休ましてくんない。なんかすげー損したような気がする。ふざけるなって!」と泉谷節が早速さく裂。
「泉谷さんは不思議です。すごい強面のイメージがありながら、茶の間の人気者になっていくという、不思議な図式ですよね」と小堀。
「本人は納得してませんけどね。まあ、怖くしておかなきゃいけない時代でもあったんで。フォークなんか舐められてましたからね。芸能界は我らを舐めてるわけですよ。で、この野郎っていうのがあって喧嘩売ってましたね」
今時のじいさんのあるべき姿
実は最近の泉谷さん、料理が特技となっています。
「ドラマ『三匹のおっさん』シリーズが4年前に始まった時にね、ロケ弁含めて弁当がひどかったんですよ」
その後、改善されたものの、味は今一つ。
「文句言うんだったら自分で作れって、誰かが言ったんで『わかったよ。作ってやるよこの野郎!』ってさあ、作ったのはいいんだけど酷い出来で。40年料理はやってませんからね」
その後、料理番組に出ることになって、真剣に米の炊き方から何から聞いて回った泉谷さん。「初めて人の言うことを聞いた」のだそうです。そのおかげで、料理の腕も評判になりました。
「結構いいとこ行っちゃたんだよね。で、調子乗っちゃって、ちょっと天狗。頑固オヤジで何もしない時代は、もう古いと思いました。相当女性の懐がデカくないとできない。それほどの力もねぇくせに威張られてもな?だから、今時のじいさんは、ある程度出来なきゃダメですよね」
自分をさらけ出す
今年で古希(70歳)を迎える泉谷さんと、68歳となる小堀、この二人による「今時のじいさん論」が始まります。
「ちゃんと自分もダメだって言うところを見極める。必ずしも全部強いわけではなく、自分の問題になった時には、結構落ち込んだりしてるじいさんですよ、というところは見せてると思うんですよね」(泉谷)
「僕は歳とってきて、じいさんになったもんで、若い時と違って、カッコよくなくてもいいんだとか、強くなくてもいいんだ。こんなにダメですって出せるようになった」(小堀)
「それも、またカッコよさだと思うんですね。昔の歌のいいところは自虐がちゃんとあった。私バカよね~みたいな歌もあったじゃないですか。今は自分が正しい、みたいな歌しかない。やっぱり、人をやっつけるんだったら自分を晒け出さないと」(泉谷)
怖い人と言われたい
“じいさん”になっても変わらない泉谷さんのスタンス、それは常にアウトローであること。
「アウトローは楽しいですからね。良い人やってるのなんか、辛いと思いますよ。
ヘンなことに対しては、何言ってんだ、この野郎!って言っちゃう。そうやってワルぶってて、たまにちょっと良いことすると、すごい評価されますよ。ほんのちょっとなのにね」
そんな泉谷さんですが「根は良い人」と言われるのは困るそうです。
「それは営業妨害なんで止めてもらいたい。作り上げたイメージがあるんで止めてほしい。良い人だとバラされると困る」
やっぱり怖い人と言った方が良いんでしょうか?
「そりゃそうですよ。やっぱり昭和の頑固親父みたいに、そういう重しみたいなのがいたから、俺たちはそんなにグレないで済んだんじゃないですか」
とにかく元気
今も割れんばかりの声で歌う泉谷さんですが。
「こういう風に綺麗に歌おうだとか、そういう気がないんで。勢い、勢い、勢いのみ!」
小堀は「南こうせつさんが、泉谷さんは健康診断で、どこも悪くないって言ってたけど、本当だろうか?って言ってましたが」と尋ねます。
「全部が悪いからね。気づかないんじゃないですかね」と泉谷さん。特に健康のために気を使っていることはないそうです。
名古屋入りして、武田鉄矢さんたちとご飯を食べた時のことを話す泉谷さん。
「いきなりあいつら、皿の上にヘンな、ちっちゃい薬かなんか出して。『何やってんだ、お前ら』って言ったら、尿酸値がどうだの血糖値がどうのって言うから『え~?』ってビックリしちゃった。
『メシが不味くなるから止めろ、この野郎!』って言ったんだけど、あれが食えないだのなんだのってさ、信じられないですね」
泉谷流手練手管
「若い頃は、ただバーンと真正面に行ったんだけど、今、手練手管だと思う。ぶつかり方も、引き方もわかってるんだと思うね。だから今の方が本当はひねくれてんのかもしれないね。老獪」
若い頃は、なぜか女優に絡んでいたという泉谷さん。
「可愛いと思っていい気になってんじゃねーぞこの野郎!とかさ。よく女優をイジメてましたね。みんな笑ってましたけどね」
「いいなあ。そういう風に、みんな、なりたいと思うんですよね」と小堀。
「女の子たちとか女優が、バラエティやってて、隣に座ってると、『お前、髪洗ったのかよこの野郎、くせえぞ』って言うと、香水ですって言うんですよ。『香水かこの野郎。くせえ香水だな』とかよく言ってましたね。
酷いんですよ。しげるはしょうがねえなあ、とかさ、女優陣から笑いながら言われてましたね。暴言も笑わせたらこっちのもんだ、みたいな」
これだけ「この野郎」と言っても問題にならないのが泉谷さんです。
「そこら辺は、やはり手練手管なんじゃないかな。みんな馬鹿野郎とか言いたいでしょ?たまたま、俺は誰よりも先に言っちゃうだけで」
くれぐれも、皆さんはバカ野郎と言わないように。
「お前が言うな、お前が。俺はちゃんと悪いことやってきたからだぞ」
どこまで間に受けて良いか分かりません。これも手練手管でしょうか。
片手間のアート
泉谷さんを語る上で欠かせないのは絵の才能。
「絵は片手間なんです。自分は歌手で、あるいはタレントで有名になったから、絵もやらせてもらえるんであって、明日から芸術家宣言したら、みんな困っちゃうでしょ?
こないだ記者会見をやった時に『泉谷さんは、寝る間も惜しんで、このアート作品を作ったんですね』って、女性記者が聞いてきたから、『馬鹿言ってんじゃねえよ。十分、寝てやってるよ』って答えた。
俺は『三匹のおっさん』もやんなきゃいけないし、歌も歌わなきゃいけない。その合間にやってんだよ。ね?それを今日から芸術家になりますって言ってどうすんだっつーの。みんな引くだろ、んなもん。
みんなさあ、スポーツだって、勉強の合間に練習してやってるわけでしょ?ハッキリ言えば、片手間の時間でしかないんですよ。なのに、あそこに行くんですよ。これが凄い。
だから、みんな片手間でやってるのに、自分だけ時間をくれなかったらやれないって奴は、そいつは最初からやれない奴なんだよ。あとはもう本当に盛り上がったらやればいいんであって、飽きたらやめちまえ、ですよ」
ノンストップで自論を展開する泉谷さんです。
認知症には気をつけよう
名古屋に来る新幹線で、車椅子に乗ったビリーバンバンの菅原孝さんとすれ違った泉谷さん。その時は気が付かなかったそうです。
「降りてから、え?菅原なの?ってなって。ちょっと待てと。
車椅子の菅原が悪いんではなくて、俺の方が悪いのか?認知症か?みたいな気になっちゃってさ。向こうは倒れても覚えてるのに」
危機感を覚えた泉谷さん。
「しまったなあと思ってさ。目が悪くなったとかで片付く話じゃないんで。いやあ申し訳ないんだ」
非礼を後悔する泉谷さん。やっぱり根は良い人です。
そしてホテルに入って、認知症じゃないか記憶を辿ったそうです。
「ギターの弾き方どうだったっけとか。ハハハハハ。皆さん、気を付けてください」
最後は認知症を注意する泉谷さんでした。
(尾関)