シンガーのクリス・ハートさんが、9/24放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。
10月4日には、初のベストアルバム『こころのうた~クリス・ハート ベスト~』がリリースするクリスさん、このリリースを前に大きなニュースがありました。
デビュー当時からエールを送ってきた小堀勝啓が伺います。
クリス・ハート、日本国籍取得の喜びを語る。
日本人になりました
実はクリスさん、この春に日本国籍を取得し、晴れて日本人になったばかり。かなり時間がかかったようですが?
「2年間かかりましたね。こっちで必要な書類とか集めるのも時間かかったし、でも、お陰様で今年3月に帰化して日本人になりました」
アメリカのご両親の反応はどうですか?
「お父さんとお母さんは理解してくれました。なんとなく、そんな感じになるかなあって、思ってたんですね。ちょうど20年前に日本のことを知って、日本語の勉強を3年間して、そこからずーっと日本のことばっかりだったから」
体はアメリカ生まれ、歌は日本生まれ
クリスさんはよく「身体はアメリカで生まれたけれども、歌は日本で生まれた」と語ります。
そのココロは?
「アメリカに住んでた時は、ずっと音楽をしてたんですけど、でも歌手としての活動にそんなに興味はなかったし、そんなに自信もなかったんです。日本に移住して、24歳から日本人のボイストレーニングの先生と一緒に、練習とか勉強させていただきました」
つまり今のクリスさんの歌声は、本当に日本で生まれたものということなのです。
ゆっくり日本人になる
もちろん外国の方でも、日本の歌が上手な人は数多くいますが、クリスさんはクリス・ハートの名前のごとく、ハートから、ゆっくり日本人になっていった感がある、と語る小堀勝啓。
「先生のお陰ですよ。ボイストレーニングをする理由は、声を良くするだけじゃなく、音楽を通して日本の文化を知りたいと思ったんです。
日本人が持ってる気持ちとか、日本の景色とかも全部、音楽を通して、勉強できればなあと思ったんです。そういう勉強が全部できて、凄い良い経験になりましたし、僕は生まれ変わりましたね」
ベストタイミングなベスト
10月4日に発売されるベストアルバム『こころのうた~クリス・ハート ベスト~』。
デビュー5年目にして初めてなのが、意外な気もします。
「カバーシリーズのイメージがあるんですね。いろんなアーティストのヒット曲をカバーさせていただいているから、やっぱりカバーシリーズはある意味でベストって感じになりますよね。でも、僕のベストと言えば、このCDです」
ベストアルバムを出そうと思った理由は?
「僕が、日本に出会ってちょうど20年になるし、デビューしてちょうど5年目にも入ってるし、日本人になったばかりだし、ちょうどこのタイミングかなと思いました」
リアルな応援ソング
ベストアルバムの中には、このアルバムで披露されるオリジナル曲「Dreams」が収録されています。
「20年間のことを思い出したら、本当にいろんな大変なことがありました。夢を叶えたんだけど、叶えられなかった夢もあったし。デビューしてから、シンデレラストーリーってよく言われたんですが、そんなにパーフェクトじゃなかったんです」
自動販売機の営業など、いろんな苦労をしてきたクリスさんです。
「夢を叶えても、その後、新しいチャレンジや新しい悩みとか、いろいろ出てくるんです。同じような形で夢を見ている方に応援ソングを作りたいと思いました。
ただ頑張ってじゃなくて、本当にリアルな、応援ソングを作りたいと思ったんです。
夢を叶えるってそれだけじゃなく、いろいろ変わっちゃうんです。夢を捕まえたと思っても、実は違うものが欲しかったんじゃないかとか、いろんな気持ちをこの曲で表現しようと思いました」
これはクリスさん自身のことですが、誰にも共通するテーマです。
自分で出なくてよかった凄いMV
「Dreams」のミュージックビデオに出演しているのは、クラシックバレエダンサーの中村祥子さん。
中村さんはこの番組にも出演し、その際は舞台や挫折の話まで披露しました。その中村さんにとってMV出演は初めて。しかも本来のテリトリーであるクラシックバレエじゃなくて、コンテンポラリーダンスです。
クリスさんが中村さんについて語ります。
「僕のコンセプトを説明して、ダンスのところは、あんまり言い過ぎないように離れてました。この曲を身体で表現するのは絶対難しいと思ってたけど、もう素晴らしい感じになりました」
夢を叶える苦労とか希望とか、全部その気持ちが身体で表現できて、もう凄いことになったと言うクリスさん。こんな控えめな一面も。
「どんな人でも成功しても、100%嬉しいことじゃないし、いろいろ大変だから、たぶん中村さんも、自分の経験を想像しながら踊ってたかなと思います。本当に素晴らしすぎて、僕は出ない方が良いなと思いました」
世界観をキープするため、今回は、初めてMVに出演しなかったというクリスさんです。それほど、曲と中村さんのダンスがマッチしていたということですね。
色んなカバー曲
カバーソングのみならず、様々なアーティストと共演しているクリスさん。ゴスペラーズとは「続く道 withゴスペラーズ」。
「初めてその曲で、グループで歌うことになりました。僕はそんなにゴスペルの経験はなかったのでアドバイスもいただきました。
頑張ってる道は、ひとりじゃなくて、いろんな人と歩むという曲。ちょうど6人の声が良いなと思いました。ひとりより、みんなで頑張ろうっていう感じが凄い合ってたなあと思います」
紅白に出た時は松田聖子さんとデュエットした「夢がさめて」。
「毎回聞くと、紅白の緊張感を思い出す特別な曲ですね。ソロ歌手として、初めてリリースしたオリジナル曲でもあるんです。聖子さんにはアドバイスとサポートをしていただきました」
小田和正さんのカバー「言葉にできない」は、こんな思い出が。
「13歳の時、日本のホームステイが、終わってアメリカに帰って、あるトラベル会社のCMで『言葉にできない』を初めて聞いたんです。
日本のことがもう好きで、好きすぎて、言葉にならないほど好きで、早く帰りたいって気持ちになりましたね」
日本に帰化して、やっと帰ってきた、という気持ちがコメントの端々から伺える、今回のクリスさんでした。
(尾関)
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