9/13に3枚目のフルアルバム『BIZARRE CARNIVAL』をリリースする若手デュオ、GLIM SPANKY(グリムスパンキー)が、9/10の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。
番組へ登場するたびに大きく成長している彼らに、小堀勝啓がインタビューします。
ギターとボーカルの松尾レミさんとギターの亀本寛貴さんです。
来年にはアジア進出のGLIM SPANKY、内藤剛志もゾッコン
1960年代後半へのこだわり
最新作『BIZARRE CARNIVAL』のタイトルについて、パーソナリティの小堀勝啓が興奮気味に語ります。
「我々、ロンドン・ポップの青春時代の人はたまらんタイトルです。アルバムジャケットからして、凄いですよね」
「スウィンギング・ロンドン、プンプンな感じで、めっちゃこだわりました。衣装も、今回スタイリストを付けなかったんですけど、名古屋まで買いに来て。大須の60's70's専門の大好きなお店があって、そこで揃えたりとか。あと、妹が服飾系の学校に行ってるので、妹に、売ってないものを作ってもらったりとか。1967年、1968年のイメージです」
こだわりを語るレミさん。ウッドストック前夜な、少しサイケな雰囲気がたまりません。
3枚目で深いところを出しました
好きなものを全開した分、ふたりの間で衝突はなかったんでしょうか?
「今回は、レミさんがやりたいことがやれてる感じがあるから、僕がそれに乗っかった感じがあります」(亀本)
「結構、私の趣味が全開みたいな感じのアルバムになったんですけど。1枚目2枚目って、まだGLIM SPANKYっていうバンドが、どんなバンドか全く知られていない中で、いきなりマニアックなところを表現しちゃうとちゃんと伝わらないな、と思ったので。1枚目と2枚目は名刺代わりということで作り込んで…。
やっと3枚目。自己紹介も終わったところで、さらにGLIM SPANKYの深いところを見せることができるなって思って、深い部分を結構ふんだんに盛り込みました」(レミ)
ナチュラルな仕上がり
制作上の二人の役割分担は、レミさんがシンガーソングライター。亀本さんがアレンジャーとなっているそうです。
「今回、全曲がめちゃくちゃ王道で、人に届くかは関係なくやろうってことになって。わかりにくい歌詞はわかりにくくてもいいし。でも、まっすぐな歌詞はまっすぐ貫こう、みたいな感じで作っていって。私たち、ミドル・テンポのロックが得意なんですけど、そういう曲が多くなったり。いまやりたいことをそのままやったらこういうテイストになったので、自分たちの中で本当にナチュラルなアルバムになったのかなと思います」(レミ)
小堀もアルバムの完成度に大満足の様子。
「いま俺が聴きたい曲がいっぱい入ってるアルバムになったのが、すごく嬉しかった!」
ショックだった実家の真実
4トラック目の「吹き抜く風のように」。
この曲を作るにあたって、レミさんがこんなエピソードを語ります。
「今年の春ぐらいに、私の祖父が他界して、実家に帰ることがあって、初めて知ったことがあったんです。普通にお葬式があるんだろうなと思って帰ったら、私の実家は、完全なる、完璧なる無宗教の家だったんです。それが衝撃で。
漠然とお坊さんが来て手を合わせて、みたいなお葬式なのかなと思っていたら、お葬式はやりませんと」
無宗教だから、葬儀ではなくお別れ会をやる、と言われたというレミさん。
「私もお祖父ちゃんの前でライブしたりとか、棺桶の中も大量の花で送り出したりとか。 すごく自由な感じでした」
それは、まるでビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ』のジャケットのようだったとか。
「その日は、こういうお葬式のやり方があるんだって初めて知って、カルチャーショックだったんです」
そんなことから、レミさんは宗教と自由について考えたそうです。
「ちょっと時が経つと、どうしても祈るというか、手を合わせたくなっちゃうんですよね。でも、手を合わせるって宗教的な行為。例えば、仏のもとに行ったとかそういう感覚は無宗教なので全くないわけですよ。
だから、心の拠り所がなくて少し寂しくなったというか。宗教がある家がちょっと羨ましくなったというか。そこで初めて宗教というものに触れたし、初めて自由というものの寂しさと、自由というものの良さを考えました」
自由の本質
レミさんにとっての「自由」とは何でしょうか。
「ただただ自由なだけじゃ、自由の本質ってわからないもんなんだって思いました。本当は、自由の本質って怖いものでもあるし、寂しいものでもある。
だけど、自由は本当に素敵なものでもある。それを噛み締めるには、ちゃんと自分がしっかりしていないと、ただのブラブラの何もないものになってしまうなっていうのを感じたんです」
この感覚が自作曲に対しても生かされているようです。
「私は、そういうきっかけがあって書いたんですけど、曲って世に出た時にはみんなのものになるので。皆さんには、本当に自由な捉え方で、自分の曲にしてもらいたいなと思います」
テレビドラマに「爪痕」
テレビ朝日系のドラマ『警視庁・捜査一課長』の主題歌に、「美しい棘」が使われていることもあり、二人は5月に脇役で出演していました。
「ある意味、爪痕を残せたよね」(亀本)
「大根過ぎてね」(レミ)
ライブアクトとドラマでの演技の違いは?
「全然、違いますね。どうしていいかわからないし、やっぱプロの俳優さんは凄いねと思った」(亀本)
この人、凄いファンでした
幅広いファン層を持つGLIM SPANKY。
実は『警視庁・捜査一課長』主演の内藤剛志さんも熱烈なファンだとか。
「凄いファンで、全部CDも買ってくれてるし。収録中も『あの曲はどういう音作りしてるの?』とか、そういうの凄い聞いてきて」(亀本)
「めちゃくちゃ、私たちのこと詳しかったんです。あの曲、何のギター使ったの?とか、この歌詞の意味は、本当はどういう意味なのとか、すんごい聞いてくれてビックリしました」(レミ)
初の海外公演も
この地方では、12月10日(日曜日)名古屋市中区新栄のダイヤモンドホールでライブを開催するGLIM SPANKY。
さらに来年1月には香港と台北でのライブも決定。アジアにも活動の幅を広げます。
「初めてのワンマンライブ、海外公演なので本当に楽しみです。外国でやることを特別と思わずに、同じロック仲間たちと一緒に楽しい時間を過ごせる、という思いで、大きな心で行きたいと思います」(レミ)
大人がお代わりしたい楽曲
小堀勝啓も大絶賛します。
「ビートルズなど(60年代のポップス)にインスパイアされたり、リスペクトしてる人はいっぱいいるけど、こんなに自分のものにしているアーティストが、いまいるのか」
「こういうテイスト、しかも日本語でっていうのが、凄く難しいとこなんですけど、でも、もう私はそういうの大好きすぎて、血となり肉となってるので、本当に楽しんでナチュラルに書けたなと思います」(レミ)
大人もファンも多いGLIM SPANKY。
「おじちゃん、お代わりしたい曲がいっぱい」と小堀勝啓もニンマリでした。
(尾関)
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