大相撲名古屋場所を控え、力士が続々名古屋入りしています。
そして相撲好きな女子「スー女」も名古屋入り。
そんな「スー女」のひとりでシンガーソングライター、しらいしりょうこさんが、6/25のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。いったいどんな取組になるのでしょうか?
相撲好き・しらいしりょうこの新シングルが想像以上に相撲過ぎる件。
コミックソングと思いきや普通に良い曲
しらいしりょうこさんが4月12日に出したシングルのタイトルは「私の彼は左四つ」。
小堀勝啓の世代は麻丘めぐみさんの「私の彼は左利き」を連想しそうですが、タイトルの「左四つ」とは相撲用語。
「最初、このタイトル聞いたときは、コミックソングなのかなと」
小堀がストレートに感想を述べたところ、しらいしさんはこう答えます。
「もうちょっと、コミカルな曲なのかなと思ったら、普通に良い曲だね、みたいに言われます」
微妙な褒められ方です。
この曲の本場所は、どこの場所?
「私の彼は左四つ」は、80年代のアイドルソングを彷彿とさせるサウンドのお相撲さんとのラブソング。
相撲の取り組みでお互いが廻しを引いて、がっちり体を密着させて組み合うことを「四つ」といいます。「左四つ」とは、組んだ時に、左手が、相手の右手の下から廻しを取っている状態です。
歌詞に「夏場所」と出てきますが、大相撲の本場所の名称は、正式にはその場所が開催される月の名前で表します。
そのため夏場所とは通称です。夏場所と呼ばれるのは、東京の国技館で行われる5月場所。
つまり、曲の舞台は5月の東京なのです。
また歌詞に「三役を賭ける」と出てきます。大相撲の三役とは、番付上で一般的に大関、関脇、小結。番付で一番上の横綱は入れません。
「三役を賭ける」とあるので、小結の下の、前頭です。
では前頭が小結に上がるための条件は?
小結は、基本的に東西一人ずつのため、小結に空きができる時に、前頭上位で勝ち越していることが条件になります。
お相撲さんと付き合ってるの?
しらいしさんの相撲に対する解説を聞いていた小堀、思わずこんなことを尋ねてしまいます。
「凄く立ち入ったこと聞きますけど、しらいしさんはお相撲さんと付き合ってるの?」
この質問に対するしらいしさんの答えはこちら。
「よく、大きい方がタイプなんですか?って言われるんですけど、それとこれとは別です。別にお相撲さんがイヤだとかじゃないんですけど、スポーツとして好きなんです」
いま相撲好きな女子「スー女」が、メディアでも取り上げられます。
しらいしさんにもこんな体験が。
「国技館に、毎場所、見に行くんですけど、その時、帰りにテレビ局のインタビューを受けたことがあります。その放送を見たファンの人から、朝からコーヒーを吹き出しそうだったと言われました」
つぶやきも控えめに
しらいしさんのファンは、もちろんしらいしさんが相撲ファンであることを知っています。
しかしそのファンが相撲ファンだとは限りません。
そこでしらいしさんは、ツイッターでつぶやく際にも、こんな気遣いを。
「場所が始まると、ツイッターではなるべくマニアックにならないように書いています」
「私の彼は左四つ」ができた理由
元はロックからキャリアをスタートしたしらいしさんですが、この曲を作るに至った経緯はなんなんでしょう?
「大阪でリクエストライブをやった時に、私が今までに作った曲と『こんな曲作って欲しい』という新曲のリクエストを募ったんです。その時に、そんなにお相撲好きなら、そろそろお相撲の曲を作ったら?とお客さんに言われました」
よく、突っ込まれるポイント
曲を聴いた小堀はその印象を語ります。
「両国、隅田川の畔なんかを、チャラチャラと雪駄を鳴らしながら、鬢付け油の香りのする大きな人がやってくる。そういう世界が広がる…」
しらいしさんがその印象について補足します。
「お相撲さんといえば、鬢付け油と歩いてくるときの雪駄の音だなあと思って、それで、まず最初に、その歌詞を入れたんです。
場所中のデートっていう設定なんですけど、場所中にデートして良いのかってお客さんから、よく突っ込みがきますね」
実際、場所中のデートはあるのか?
「でも、あると思いますよ」と小堀。
「前に増位山さんにお話を伺った時に、もちろん、本割は大事ですけど、夜の土俵も大変だったんじゃないですか?って言ったら、『まあ、四角い土俵は取りごたえが』とか、なんとか、いろいろ言ってましたからね」
ここで登場する「増井山さん」とは、大関まで上りつめ1981年に引退した増井山太志郎さんのこと。
「そんな夕子にほれました」「そんな女のひとりごと」のヒットを持つ歌手として現在も活躍しています。
カップリングも相撲LOVE
「私の相撲愛が伝わればっていうのもあるんですけど、お相撲があんまり好きじゃない方とか、興味がない方にも、興味を持ってもらえるきっかけになって欲しいと思って、作りました」
同時収録曲の「相撲の歴史」。ポリリズム風な曲にのせて相撲の歴史を淡々と歌っています。
「歌に野見宿禰の話が出てくる人はいませんよ」と小堀。野見宿禰とは、相撲の起源に出てくる出雲の国の勇者。
「相撲の歴史という曲を作りたいなと思ったので、去年の夏に絶版になった『相撲の歴史』っていう本をネットで取り寄せて。でも、あまりにも歴史がありすぎて、ピックアップしたような感じになってしまったんですけど」
こう語るしらいしさんですが、相撲の歴史を歌にするだけでも凄いです。
実用的な曲?「決まり手82」
もう一曲の同時収録曲は「決まり手82」。
悲しげなラブソング風なピアノ曲にのせて82の決まり手をしっとりと歌い上げます。
「この曲は、とても実用的な曲だと思います」と、しらいしさん。
「最近、宇良っていう人の相撲を見ると、こんな手があるの?という技が出ますね」と小堀。
「そうなんですよ。この間も、40年ぶりでしたっけ『たすき反り』っていう技を出して」と、しらいしさん。
40年ぶりなんてものじゃありません。
今年の初場所13日目。宇良が天風に勝った「たすき反り」。十両では史上初。幕内では昭和27以来65年ぶりだそうです。
「オヤジですから言いますけども、82手って、エロいことの48手から来てるの?などと聞かれることはありますか?」と小堀。「男性の先輩から言われたことあります。そういう時は流してます。うっちゃりです」と答える、しらいしさんでした。
シングル押し曲は「私の彼は左四つ」ですけども、その他の曲もいっぱい相撲愛が詰まってます。
もっともっと大相撲を盛り上げてほしいスー女の、しらいしりょうこさんでした。
(尾関)
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