河原崎辰也 いくしかないだろう!

稲沢の伝統的な風習「便所開き」ってなに??🚽✨

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~いくしか!不思議探検隊~

今回は好奇心旺盛な清水隊員が、“東海地方のちょっと変わった風習”について、詳しい方に聞いていきます!(o^ ^o)
“変わった風習”というと、岐阜の山奥など想像する方も多いかもしれませんが、今回取り上げるのは…
名古屋市からも近い愛知県稲沢市の風習💡✨
新しくお家を立てた時にする、変わった風習なんですが…その名も
「便所開き」!便所、トイレです…!!(笑)

いったいどんな風習なのか!!?
稲沢の歴史に詳しく、ご自身も3回 便所開き を行い、便所開きに10回以上招かれたことのある 浄念寺 前住職 
桜井 宣雄さんに伺いました🎤♪


🔸「便所開き」とは?
 “家を建てたら餅まきを行う”という話はよく聞きますよね!
「便所開き」もそんな新築にまつわる風習…!🏠☀

具体的に説明すると、
“新築した家に知人を招いてトイレで抹茶を飲むという”というもの。近所の人や親しく付き合いのある方々を呼んで、まだ誰も使っていない真新しい家のトイレで抹茶とお菓子を振る舞います。新築した家をお披露目するというようなイメージ。稲沢市に古くから伝わる風習です。

トイレでお茶菓子をいただく…と想像しただけでなんだかシュールな画です!(笑)


🔸どんな感じで行うの?
昭和30年くらいまでは和式便所がほとんどでしたから…当時は和式の穴の部分に板を2枚くらい置き、便器に蓋をして、その上に座布団を敷き、正座をして1人ずつ抹茶を飲む…といった感じでした。今は洋式のご家庭がほとんどですから、
洋式トイレのふたを閉じ、その上に座布団を置き、腰かけて、出された抹茶をゆっくり飲んでいきます


・・・🚽🍵✨
ややややっぱりシュールだ!!!(笑)💦


🔸何人くらいが参加するの?
近所の方や親しい友人など、だいたい10~15人くらいを招待するそう。
トイレは狭いので何人も入れませんから、招待した住人のみなさんはお座敷で、便所開きの順番を雑談をしながら待っています。前の人が終わったら「次、あんたが行きゃあ~」といった感じ。便所開きは、地域のコミュニケーションの場になっているんです。と、桜井さん🌼🌷

確かに!近所の人の家をお祝いしつつ、みんなで集まって世間話をするって素敵なことですものね(o^ ^o)♪


🔸何か決まり事やルールはあるんですか?
特別難しいルールや決まりはありません。なので、みなさんもすぐに便所開きを行えます!
なるほど!我々も便所開きをすぐに行えるそうです!!!🚽✨✨

お座敷で雑談をしながら待っていて、自分の順番になったら、トイレに移動し腰かける。
そこへ、家のご主人がお抹茶とお菓子を届けたり、あるいはトイレットペーパーの棚にお菓子が置いてあったりしますから、それらを頂きながら、ドアを開けっぱなしにしてご主人との雑談を楽しみます。「もう一杯いかがですか?」「このお菓子はどこそこの」などちょっとしたティータイムです。たったこれだけのことなんですよ。

ただ、便所開きが終わるまで(だいたい1時間~1時間半くらい?)は、そのトイレは使用することができないので、近所の人のトイレを借りたりします(笑)
こういうルールも、ご近所のみなさんのご理解があってこそ!ですものね♪



🔸“抹茶を飲む”というのは何故?
稲沢というのは昔から農業が盛んでして…。よく11時とか15時の農作業の休憩の時には田んぼのあぜ道でお抹茶を飲んだものです。子供たちは畑までお湯の入ったやかんをおつかいとして持っていく、というのが日常風景でした。
昭和30年頃からはコーヒーや紅茶もでてきて喫茶店なんかも出来てきましたが、それまでは“家で休憩の時に飲むものは抹茶”と決まっていましたね。

他にも、庭先や縁側などで抹茶を飲みながら休憩しているときに近所の人が通ると「ちょっと抹茶飲んでいかんか~」とよく誘ったもんです。稲沢には自然と昔から抹茶文化が根付いているんですよね。人が集まると必ず抹茶を飲む。この風習が「便所開き」にも繋がっているんだと思いますよ。



🔸でも何故トイレで??
これには家を建てる時には欠かせない“材木”が大きく関わっています。
よく人目につく座敷や玄関に使われる材木は 太くて立派なものが多いですから…普通だったら、お座敷なんかにお客さんをとおして「これはどえりゃあ立派な木ですね~」なんて褒めてもらいますよね。そして、そこの材木は、お客さんに出されたお茶や菓子の香りを家主と一緒に楽しむ機会にもたくさん恵まれる。

一方、トイレの材木は、同じ山から切り取って来られたのに たまたま節があったり、日当たりや栄養の関係で細くなってしまったりと…そんな理由でトイレに使われるわけです。
そういう所に使われた材木たちは、誰にも褒めてもらえず、ましてやお茶の香りなどかぐことはない。使われた場所によって大きな差が出る。これでは同じ材木として、あまりに不幸ではないかというわけですよ。

しかし、トイレの材木があってこそ家も完成するわけで…。

こうした不幸な立場にあるトイレの材木たちにもきちんと感謝し、最初くらいお茶の香りを存分に満喫しんでもらおうというのが「便所開き」なんです。


🔸いまでは“病気予防”というのも…? 
これは関係ありませんよ。と桜井さん(笑)
普通はトイレでお茶を飲みたがらないので、便所開きのときにお茶を飲ませるために
”健康と結びつけた”後付けの説なんだとか!💡✨

例えば、“ひな祭りが過ぎてもずっとお雛様を出したままだと嫁入りが遅くなる”など“○○しなければこうなる”という忠告は昔からありますよね!便所開きと病気予防の関係もこれらと同じなんです。ご褒美(健康)をあげるから、ちゃんと便所開きしなさいよ…と。

まあ、こういう健康っていうのは後付けで、
便所開きの本来の目的は“感謝を伝える風習”なんですね。そのため、稲沢では新居に住む前、引っ越しの段階で“仏壇の魂入れ”と同じように「便所開き」も大切な風習なんです。


トイレでお茶をいただく「便所開き」。
言葉だけ聞いて想像するとシュールで、何故トイレで!!?と感じてしまいますが、詳しくお話を伺うと
「感謝の気持ち」から生まれた風習で、ほっこりするお話でした(o^ ^o)
私も機会があれば「便所開き」やりたいなと思いました🏠🚽🍵☀



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