河原崎辰也 いくしかないだろう!

ゲームセンターはオワコンなのか!?

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対戦格闘ゲーム、プリクラ、UFOキャッチャー、 音ゲー!
人それぞれ、得意不得意はありますが
時間を忘れて楽しい時間を過ごせるのが
「ゲームセンター」

学校帰りに友人・恋人と遊びに行った…、
誰しも思い出深い場所ですよね!(o^ ^o)


そんなゲームセンターが
今「オワコン」とささやかれているのです…!


業界団体が毎年発表している『アミューズメント産業界の実態調査』によれば、
ゲームセンターの数は1993年の時点で8万7294店舗ありましたが、
2017年には1万3103店舗へと落ち込んでおり、
この24年間で7万4191店舗が閉店したことになります。

家庭用ゲーム機やスマホゲームの広がりが、
ゲーセン離れの原因のひとつだと言われていますが
実際はどうなんでしょう…

ということで、
『ゲームセンター文化論』の著者、
社会学者の
加藤 裕康さん にお話を伺いました!

加藤さんも幼い頃は
近所の商店の軒先に設置されたガチャガチャや
ルーレット(ピカデリーサーカス)
十円玉を弾いて遊ぶ新幹線ゲームなどで遊んでいたそう💡

 

そもそも「ゲームセンター」って、いつ頃からあるの?


ゲームセンターの前身は、
1905年頃にアメリカで登場したペニーアーケード。
コインを入れて音楽を聴く「フォノグラフ」や
覗き込み式の映写機「キネトスコープ」など娯楽機器が置かれていたそう。

一方で日本のゲームセンターは遊園地の歴史と重なります。
1928年頃、兵庫県宝塚市にある
「宝塚新温泉」(1911年/明治44年開業)という浴場施設
(いまでいうスーパー銭湯)が併設されている遊園地には、
屋内遊戯場があって機械式のゲーム(エレメカ)が置かれていたそうで…
このあたりからは、いわゆる“ゲームセンター”が登場します。

その後は、百貨店の屋上や映画館
ボウリング場にゲームコーナーが広がっていきました。

ゲームセンターは、そんな昔からあったんですね…!


その後、70年代に入ると
独立店舗としてのゲームセンターが増えていきます。

1978年には「スペースインベーダー」が社会現象になる大ブームとなり、
良くも悪くもゲームセンターに社会の関心が集まりました。
80年代は「ゼビウス」(1983)に代表されるシューティングゲーム、
90年代は「ストリートファイター2」(91)に代表される
対戦型格闘ゲームがヒットし、ゲームセンターを盛り上げました。

 

“地元のたまり場”は段々と少なくなっている


地域にある小中規模のゲームセンターは段々と減ってきています。
ゲームセンターで遊ぶためには、
比較的大きな町や商業施設に行かなければいけないというのが現状です


やはり町の遊び場的なゲームセンターの経営は厳しいそう…。
 
まずあげられるのは、
近年はオンライン対応ゲームが増えたことによって
各店舗では回線接続料をメーカー側に支払う必要も生じているなど
設備維持費などが以前に比べてとても高くなってきたこと…。


そして、消費税率のアップがゲームセンターを苦しめていると言われます。
ゲームセンターは、利用者の利便性を高めるため
1プレイ・ワンコイン(100円)が定着しています。

消費税が増税されたからといって、
プレイ料金を“値上げ”するわけにもいかないのです。

今年の10月からは10%にあがったことで、
売上はどんどん目減りする一方…。

そこに接続料が加わるわけですから、
小さい店舗には苦しい状況が続いていると言えるでしょう。

しかし、近年は課金額を高く設定する代わりに
機器を安く購入できるプランを設けるなど、
店舗は複数のプランの中から最適なものを選べるようになっているそう。

以前、あるゲームセンターの店長は
ネットワーク接続料を払う方がウチはありがたい、とのお声も。

消費税問題にしてみても、
データを見る限りこれまで消費税があがったからといって
市場規模に直接的な影響を与えたとは必ずしも言えません。
消費税導入の翌年以降に市場規模が拡大しているケースもあるからです。

ただ、新作を購入するわけではない小中規模店舗にとっては
苦しいでしょうし、10%となるとどうなるか…。

いずれにしても、
ゲーム機を置いているだけで儲かる時代ではなくなっています。

 

実際に若者はゲームセンターに足を運ばなくなっているの…? 

近年は“若者のゲーセン離れ”
“ゲーセンは高齢者の第三の居場所”なんてニュースもありますが、
実は今でもよく足を運んでいるのは10代や20代。

ゲームセンターに人が集まるのはやっぱり夜。
日中には学校や職場に行っている若者は
日が暮れてからゲームセンターに集まります。

一方、数は少なくても
日中に高齢者の姿を見かけるとやはり目立ちますよね。

ゲームセンターは高齢者ばかりと言われますが、
そのような印象効果によって錯覚しているに過ぎないんだとか…!

しかし、楽しそうに遊ぶご高齢の方も印象的です…!

高齢者向けのサービスを展開しているゲームセンターもあります!

例えば、タイトーは全国17店舗でシニアサービスを展開。
愛知県稲沢市の「タイトーステーションパールシティ稲沢店」は
毎日午後3時になると「ラジオ体操第1」が流れるそうです…!✨

店内には老眼鏡や血圧計、
ぶら下がり健康器や肩ツボ押しが置いてあり、
膝掛けや無料のお茶もあるんだとか…!


実は高齢者向けのゲームセンターというのは、
1997年からあったんです。
当時は高齢者ビジネスが始まりだしたころで…、
大阪のとある店舗は“50歳未満入店禁止”なんてルールだったんですが
残念ながら上手くいかなかったそう。

2000年代には高齢者を取り込むために
バリアフリーに施設を改築する動きなどもあったのですが、ダメでした。

また2010年代に入ると、メディアで盛んに
ゲームセンターは高齢者の居場所になっていると報じられましたが、
実態とは乖離しています。

むしろ、高齢者向けサービスは、
若者が少ない昼間に高齢者を呼び込む企業努力と捉えられます。
稲沢店はその成功例かもしれません。

高齢者もゲームセンターに来てくれるようになれば、活性化しますね。


中でもご高齢の方にオススメのゲームは?
「ワニワニパニック」や「太鼓の達人」とかですかね…(笑) 

これらのゲームはリハビリテーションマシンといって、
1990年代から医療・福祉施設に持ち込まれ、臨床実験が行われてきました。
やっぱり運動をしたりリハビリをするのって億劫になりがちなんですが、
ゲームだったら自ら進んで行える!ということで期待されているそう♪



 

これからのゲーセンは?

これからも我々の憩いの場として
ゲームセンターには頑張ってもらいたい!という想いは共通。 


小規模の店舗は確かに減っていますが、
実は、盛り上がっている店舗もたくさんあります。
加藤さんがゲームセンターで出会った人びとは、
ここに来る理由を“人がいるから”と口をそろえるそう。

面白いゲームがあることも重要ですが、
好きなゲームを通して趣味を共有する他者と出会い、交流する…
その意味でゲームセンターは“社交の場”となるのです。


一人で黙々とゲームをしていても、人の存在を身近に感じることができる。
何年も一人で格闘ゲームをしていたプレイヤーも、
ふとしたきっかけで対戦相手と言葉を交わし、仲良くなり
友人に会うためにゲームセンターに足を運ぶようになる。
そう語ってくれた人も少なくないんだとか…♪

みんなが集まれる場所として
“ゲームセンターという文化”は残したいですね。




 
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