CBCラジオ『八木志芳の私たちは求めてる』宛てに、「乳頭が陥没しているため、乳児がうまく母乳を吸えない」という相談が寄せられました。
陥没した乳首について、かつて「吸えば治る」という話もありましたが、本当に治るのでしょうか?
婦人科の相談も行っているスマルナ医科歯科クリニック窪田真知医師が、対処法について解説しました。
1~2割の人が乳頭の陥没の症状がある
今回寄せられた相談です。
「20代の娘が初産で赤ちゃんに恵まれました。 しかし、産婦人科の先生から『乳首が少し陥没しているので、乳児には吸いづらい』と指摘を受けました。
事実、赤ちゃんの体重は生まれた日から1週間経っても全く増えませんでした。
そこで先生は、母乳を止める薬を処方して、人工ミルクに切り替えるように指導しました。それから赤ちゃんは順調に体重が増えるように。
そこで質問です。女性の乳首の陥没についてですが、昔は吸うと治ると聞いていました。それは本当でしょうか?また、母乳を止める薬が次の妊娠に影響を与えるということはないのでしょうか?」(Aさん)
陥没乳首とはどういう症状でしょうか?窪田医師が答えます。
窪田「私たちの学界的には『陥没乳頭』とも言います。飛び出てるはずの乳頭が平坦だったり乳房に埋もれていたりする状態です」
一般的に女性は成長と共に乳房が大きくなっていきます。その中で1~2割くらいの人が乳房が大きくなっても乳頭がへこんでしまうことがあるそうです。
汚れが溜まりやすくて困ってしまうレベルから刺激で盛り上げられるくらいまで症状は様々だと窪田医師。
窪田「半分ぐらいがね、家族性にあるとも言われてます」
乳頭の陥没は吸えば治るって本当?
八木「Aさんの娘さんの乳頭が陥没しているので、赤ちゃんが吸いづらいと指摘されたということなんですが、実際そういうのはある?」
窪田「大体、妊娠がわかったら、かかりつけの産婦人科で乳房の状態をチェックしてもらいます。助産師さんが協力してくれます」
その時に「ちょっと吸いにくそうだな」という状態であれば、乳房の先を吸い出すような乳頭専門の吸引器とか、ニップルカバーで赤ちゃんが吸えそうな形になるように妊娠中から準備をしてることが多いのだそう。
「刺激して赤ちゃんが吸えるような形になって母乳が出てくるのであれば、陥没乳頭の症状は軽いと言える」と窪田医師は続けます。
ところで、Aさんの質問にある「吸ってもらえば治る」というのはあるのでしょうか?
窪田「例えば赤ちゃんやパートナーが吸ってあげて治るってわけではないし、赤ちゃんの授乳ができたとしても、していない時には元の形に戻るというのが一般的」
吸うことはさほど効果がないようです。
手術を受ける場合は慎重に専門医に相談を
八木は「いろいろ試していく中で陥没乳頭が変わっていくことはあるの?」と質問。
窪田「助産師さんと相談して、乳頭保護器プレストシールドなど、おっぱいにペタッとくっつけて、陥没している部分にシリコン製のカバーをつけて、 哺乳瓶の乳首を貼り付けるような感じにして授乳している方もいる」
八木「手術とかを受けるようなものではないんですか?」
窪田「思春期超えてきて、そして授乳のことが視野に入ってくると、手術っていうことを相談される方もいらっしゃいます」
乳房は母乳を作る場所です。乳房そのものに傷をつけないように、影響を与えないような手術はできると窪田医師。
ただし専門的な知識と技術は必要なので、しっかりした専門医に「どういう手術になって、どれくらいの期間がかかるか、リスクはあるのか」という良いことと悪いことの説明を受けて判断してほしいと念を押します。
窪田「母乳を出せるようになりたいという状況だと、医療保険の健康保険も使えるようには聞いています。その辺の費用のことについても尋ねてみて」
手術を受ける際は、乳腺外科か形成外科が専門になるそうなので、時間を作って受診してから専門の医師と一緒に先のことを考えてほしいと促しました。
(野村)
八木志芳の私たちは求めてる
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2024年08月25日22時36分~抜粋