八木志芳の私たちは求めてる

子宮頸がんのウィルスHPVは性交渉で感染するの?

11月26日放送のCBCラジオ『八木志芳の私たちは求めてる』に、男性から「子宮頸がんは感染するのか?」という相談が寄せられました。

「子宮頸がんのウィルスHPV感染は性病なのか」「感染したら自分のせいか」といった疑問に、婦人科の相談も行っているスマルナ医科歯科クリニック窪田真知医師が答えました。
聞き手は八木志芳です。

[この番組の画像一覧を見る]

子宮頸がん検査から浮気の疑惑

「真面目にお付き合いをしている同年代の女性がいます。彼女に子宮頸がん検診で引っかかったと言われ、他で性交渉をしていないかと問い詰められました」(Aさん)

Aさんの彼女は、3か月ごとに子宮頸がん検診を受けているらしく、Aさんと行為をするまでは問題がなかったとのこと。原因はAさんにあるというニュアンスで告げられました。

再検査の結果、陰性で問題はなかったようですが、今後また同じようなことがあれば、浮気を疑われるのは辛いそう。
Aさんは彼女以外と性交渉はしていませんが、3か月ごとに浮気チェックをされているような気持ちになっているそうです。

「自分なりに勉強して、HPVは性病ではないはずです。感染したら自分のせいなんでしょうか?」(Aさん)

この疑問に答える窪田医師。

窪田「子宮頸がんと関係あるHPVはヒトパピローマウイルス(という名)なのですが、私たち婦人科医は性病としては取り扱っていません」

HPVは性病じゃないの?

HPVは、200くらいの種類がある中で、子宮頸がんと関係しているHPVは13個くらいといわれているそうです。

窪田医師いわく、昔は「ガン」とは突然変異だと学校で習っていたそうですが、このようなウィルスと関係するとわかってきたのは最近。

八木「まだまだ知らない人も多いですよね」

HPVはウィルスなので、人から人へと感染します。
そう聞くと、性病ではないかと考えがちですが、婦人科として性病扱いはしていないといいます。

そもそもHPVは性交渉でも感染していくのでしょうか?

窪田「子宮頸がんと関係のあるHPVは人から人へ性交渉でうつります。でも、性交渉があれば女性の80%くらいは、一生のうちに一度はもらっちゃう可能性のある、割とポピュラーな感染ではあるんです」

かなり高い確率に驚く八木。
とはいえ、全員が子宮頸がんになるわけではなく、子宮にすぐ影響を与えるわけでもないと窪田医師は話します。

もし感染したとしても、免疫で排除できる人もいます。
感染が持続してHPVがしっかり細胞に居着いてしまった場合でも、早い人で数か月、または数年、10年以上かかって子宮の細胞内で増殖していきます。
そうなると、じわじわと細胞に変化が起きてきて、最終的にガンを発症するということになります。

原因はわからない

八木「子宮頸がんになったからといって、今のパートナーに原因があるというわけではなく、かつてのパートナーであったり、誰かと性交渉した時に感染したという可能性もあるんですね?」

子宮頸がんの検査で引っかかった時に、「誰から」とか「誰のせいで」など思いがちですが、誰でも性交渉で感染する可能性はあります。
細胞がウィルスで変化を起こすまでの期間に、とても個人差があると窪田医師。

八木「浮気を疑われるというのはちょっと違うということ?」

そうですね、と窪田医師。そして、女性自身の性交渉の回数や経験値とも全く関係がないということを理解してほしいといいます。
八木が男性の過去の経験もあまり関係ないのか尋ねると…

窪田医師「もちろん理論的には、お互いに初体験同士のカップルだったら感染はゼロっていう話にはなりますけど…」

とはいえ、ガンの発症には様々な原因があるので、このケースですら100%と断定はできないとのこと。

子宮頸がんは初期症状がほとんど出なく、気づきにくいといわれています。
性交渉の経験のある方たちは、定期検診を受けていくことで子宮頸がんを予防していくという時代だと窪田医師。おすすめの検診のペースは1~2年ごとに1回くらいなので、ぜひ行ってほしいと促しました。
(野村)
八木志芳の私たちは求めてる
この記事をで聴く

2023年11月26日22時06分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報