八木志芳の私たちは求めてる

性行為で更年期障害は和らぐ?女医が語る「年齢と性」

9月24日放送の『八木志芳の私たちは求めている』(CBCラジオ)には、50歳の女性から夫婦の営みについて相談が寄せられました。

巷で言われている「性交渉は更年期を和らげるのか?」「男性の精子は古くなるとどうなるのか?」といった疑問に、婦人科の相談も行っているスマルナ医科歯科クリニック窪田真知医師が答えました。
聞き手は八木志芳です。

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熟年夫婦の営みのギモン

今回質問を寄せたAさんは、こどもができるまでコンドームをつけずに性行為をしていました。

こどもができてからは、避妊のために45歳までピルを飲用。その後はコンドームを使用しています。

「主人はゴムに慣れていないのか、あまり気持ちよくないみたいで、年齢的な問題なのか、途中で元気がなくなってしまいます。
かといって心配性の私はコンドームなしではセックスができません」(Aさん)

そんな中、Aさんは3つ教えてほしいことがあるようです。

1、性交渉は女性の更年期障害を和らげるという噂は本当?
2、60歳夫の男性器の元気がないのはコンドームのせいなのか、年齢の問題なのか?
3、男性は精子を出さないと、どうなるのか?

この疑問に、婦人科の相談も行っている、スマルナ医科歯科クリニック窪田真知医師が答えます。

性交渉は更年期障害を和らげる?

まず、性交渉は女性の更年期障害を和らげるのでしょうか?

窪田医師「残念ながら、更年期の症状を和らげる効果には、セックスは関係ないです」

更年期障害とは閉経前後に起こる症状ですが、その仕組みは、年齢に応じて誰にでも起こること。
つまり自分の努力でどうにかなることではないので、更年期障害の予防方法として、性交渉を勧められるわけではなさそうです。

とはいえ「性交渉によって得られている、女性側のメリットもある」と続ける窪田医師。

オーガズムを得た後に、睡眠の深さを実感している女性が多いそう。
医学的にわかっているのは、オキシトシン、ドーパミン、エンドルフィンといった、別名「しあわせホルモン」と呼ばれる脳内ホルモンが上がるそう。
「ランナーズハイ」「脳内モルヒネ」とも呼ばれているホルモンだそうです。

窪田医師「こういった脳内ホルモンによって、更年期の症状を和らげる効果はあるかもしれません」

コンドーム以外の避妊方法

続いて、 60歳男性の性器に元気がない理由。果たしてコンドームはその一因となるのでしょうか?

「その辺りは難しいところ」と窪田医師。それよりも「Aさんがピルをやめる時に婦人科に相談をしてほしかった」と続けます。

婦人科医としては、40歳過ぎると健康面から「ピルをやめましょう」と言わざるを得ないとのことですが、避妊の方法として子宮の中に入れるリングがあります。
5年間入れたままで生活でき、コンドームなしでの性交渉が可能になります。

窪田医師「そうなればご主人の気持ちも楽になって、元気が長続きするかもしれないし、このご相談者の主婦さんも気持ちが前向きになったかな」

ただ「もっと性欲を高めたい」などの考えがあれば、専門医である泌尿器科で診察を受け、男性ホルモンの補充でケアすることもできるそう。

八木「男性側がいろいろ心配なら、泌尿器科に相談に行くっていうのはありですよね?」

窪田医師「男性の更年期といったものもわかってきた時代ですので、相談されてみるのもひとつの方法」

夫婦の営みで大切なことは

最後の質問は「男性の精子は出し続けないといけないのか?」について。

精子は毎日身体の中で作られていますが、古くなった精液はどうなるのでしょうか?

窪田医師「これは体内で分解されて、吸収されちゃうんです。なので、たまりすぎ、出さないことが身体に悪い、ということではない」

「婦人科医なので専門分野ではない」としつつ、窪田医師は妊活中の人や若い人にこうアドバイスしているそうです。

元気で優秀な精子を作るためには、定期的に精子を出してもらう、食べ物に気をつけるなどの健康管理が必要です。
一方で妊娠をするためのセックスではないのなら「相手がどういった状態で気持ちよく感じるか」というところが大切といいます。

八木は、夫婦の関係に真剣に向き合うAさんに「一度、旦那さんと話し合ってみられたらいいのかな」と心を打ち明けてみることを促しました。
(野村)
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2023年09月25日00時30分~抜粋

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