八木志芳の私たちは求めてる

「中絶は妊娠の確率を下げる」は間違い?中絶をとりまく現況

5月7日放送のCBCラジオ『八木志芳の私たちは求めてる』に、男性リスナーから「番組から伝えて欲しいことがある」との投稿が寄せられました。

その内容は「中絶すると妊娠の確率が減るのではないか?」という言説についてのもの。

パーソナリティ八木志芳自身の中絶に対する思いや、中絶をめぐる環境などを語りました。

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中絶で妊娠の確率は下がらない

「私は(中絶について)中学の保健体育で学びました。その時衝撃的だったのは『中絶をすると次回妊娠をする確率がぐっと下がる』と言われたことです。
安易な考えで性行為をしてはならないと思いました。

例えば恋人ができた時、排卵日の性行為を避ける、避妊具の使用期限を確認し、つけ方を練習する。

中学の授業で、中絶の恐ろしさを学んだ自分にとって、まだわかっていない人たちが幼稚に思えます。この番組で中絶に苦しむ女性の声を発信するなどしていただけますか?」(Aさん)

このAさんの意見について、SMALUNA Medical & Dental clinicの窪田真知医師に尋ねたという八木。
専門家からの意見は…

八木「まず中絶をしたからと言って、妊娠をする確率がぐっと下がるということはありません」

窪田医師によれば「妊娠する機能自体に影響することはない」とのこと。
男性が中絶に関して間違った教育を受けたままになっているかもしれないと懸念する八木。

かつて、中絶否定派の人たちが注意を呼び掛けるために言われていたことかもしれません。ですが、現在まで中絶したからといって、妊娠する確率が下がるという科学的根拠はないそうです。

中絶は選択肢のひとつ

とはいえ、望まない妊娠を防ぐのはとても大切なことです。

八木「男性がしっかり避妊をするとか、無理矢理行為をしないということは、本当に大切なことだと思うんです」

その上で「中絶そのものを否定するのは違うのではないか?」と問う八木。
Aさんの相談には「中絶に苦しむ女性」とありましたが…、

八木「苦しんでいるのは望まない妊娠をしたことであって、中絶を望まない妊娠をして中絶をして苦しんでいた人もいるかもしれないと思うんですけど、中絶という選択肢は女性の一つの選択肢なんですよね」

場合によっては、生むことによって逆に苦しむことになる可能性もあります。
例えば、周囲の環境や経済的な問題などがあるかもしれません。

八木「もちろん新しい生命が誕生することは大事なことで、素晴らしいことなんですけど、どうしても生むことができないという立場の人もいるわけですよね」

そのような状況にいる人は、中絶したことによって救われることもあります。
八木によれば、婦人科医や医療関係者にも「ひとつの選択肢」と言う人もいますが、一方で否定派の人もまだまだいるとのこと。

中絶自体を否定してほしくない

望まない妊娠を防ぐために「アフターピル」を使用するのも否定的な人もいます。
アフターピルとは性行為後、72時間以内に服用することで妊娠率を抑える薬です。

妊娠について様々な考え方の人がいることを受け入れつつも、

八木「あくまでも、中絶は選択肢のひとつですから、中絶自体を否定するような声は考え直してほしいな」

日本では中絶手術に関して「母体保護法」という法律も定められていますし、手術自体も母体を傷つけないようレベルの高い医師や環境などが整っています。

八木「かといって、望まない妊娠や避妊しないでセックスしろっていうことじゃない」

「安易に結びつけないでね!」と念押しする八木でした。
(野村)
 
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2023年05月07日22時08分~抜粋

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