八木志芳の私たちは求めてる

育休を取る人や取らない人に残った人…「職場の仁義」が生み出す負のループ

何年も前から育児休業が推奨されていますが、現在育児休業を取得している人はどれくらいいるかご存知でしょうか?

4月16日放送のCBCラジオ「八木志芳の私たちは求めてる」では、八木志芳が気になっているニュースとして、東京都の育児休業取得率データから、東京都内と地方との違い、日本独自の風潮「仁義」が育児休業取得を妨げているなど、その要因を語りました。

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育児休業取得率は男性で26.2%

東京都は4月3日、東京都内企業の育児休業取得率が男性従業員は26.2%、女性従業員は94.1%と発表しました。
この調査は2022年9月に実施したもので、前年比較すると男性の取得率は前年2.4ポイント増加し、女性1.9ポイントの減少でした。

男性の育児休業促進に向けた法改正もあって取得率は上がりましたが、女性との差は依然として大きくあります。

日本経済新聞によれば、男性の育児休業取得ができない理由として「代替要員の確保が困難」が68.8%と最も多く挙がりました。

八木は「この東京都の調査では前年よりも増加しているけど、あくまでも東京の話なのではないか」と疑問視します。

八木「地方…東京都外だとおそらく私の肌感覚ですけど、取得率は下がってきてしまうんじゃないかなと思う」

自身は子育て経験もないけど、もし妊娠出産する時には助けて欲しいと思う。でも、本当に難しくしているのは何かと、根本的な理由に目を向けました。

代わりの人がいなくて休めない

男性が育児休業を取ったら代わりがいないというのが一番の問題ですが、女性でも、働きながら育休を取る時は、誰かに仕事をお願いすることになります。

八木「もし職場結婚で、同じ会社の二人同時に抜けるって…。今の人手不足の中では辛いなって思う。
特に私が身を置いているラジオ業界。ぎりぎりな人員でやっているところも結構ある。1人の負担が大きいから、1人でも抜けるってすごい大変だってわかる」

では、どうすればよいのか思いを巡らせます。

そもそも会社に、誰かが抜けた時の代わりがいればいいのだけど、それができている企業は少ない。出産や育児、将来的なライフプランに合わせて、人が抜けることが想定された組織作りを運営している人たちが考えてくれればいいと話します。

八木「『私たちは育休を取得していないよ』って人たちから考え方を変えていかないと」

日本独自?育休すると生じる軋轢

育休が取りづらい風潮として「日本独特の仁義」があると、ずっと前から思っていた八木。
その経緯として、友人の会社で職場結婚をした知人のエピソードを語る八木。

八木「その夫婦が育休を取った。育休取るのは権利だし、国からも推奨されているし、何も否定することはないんだけど、その夫婦は周りに根回し(報告)みたいなのが全然なく『取って当然ですよね、休みます』っていう感じで育休に入っちゃったみたいなんです。

当然育休に入るとなると、仕事の引き継ぎとか、負担が増える人もいる。『こっちは仕事する時間が増えているのに、あの人たちは感謝の気持ちもなく育休入っちゃったよ』ってなったら、どうしても若干の軋轢がある」

その雰囲気を見たり聞いたり感じてしまうと、他の社員はさらに育休が取りにくくなったり、育休を取ってそのまま辞めてしまう人もいるかもしれません。

仁義のいいとこ悪いとこ

でも、育休は復活することが前提。会社も育休中はお金を支給しています。

そんな中で辞めてしまうと、残った人たちが嫌な気持ちを持ってしまうのも仕方のないこと。それを目の当たりにすると、さらに自分の時は取りにくくなる…。このループを八木は、日本独特の仁義だといいます。

八木「私は仁義のいい部分も沢山あると思う。だけど、制度だけではなんとも言えない感情の部分がどうしても…というのがある。

それも含めて育休を取るとか取らないとか、日ごろから社内のコミュニケーションみたいなのは大事。それは上司も含めてですよ。やっぱりこれ大事なんじゃないかとすごい思う」

育休問題は、上司も含めてコミュニケーションを取るのが大事だと切に繰り返す八木でした。
(野村)
 
八木志芳の私たちは求めてる
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2023年04月16日22時11分~抜粋

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