2017年8月18日(金)

超高級魚クエが、近い将来安く食べられるかも、という話。

多田しげおの気分爽快!! / グルメ

8/16の“情報サプリメント”では「クエタマ」という魚について取り上げました。
えっ、聞いたことがない?実は、新しく品種改良されてできた魚なので、ほとんどの方は初めて聞く名前だと思います。

クエタマは交雑で作った魚。親はクエとタマカイ。
クエは、クエ鍋などが有名な高級魚で、一方のタマカイはとても大きな魚です。

作ったのは、和歌山県の白浜にある近畿大学の水産研究所。クロマグロの完全養殖に成功したところです。
クエタマについて、近畿大学水産研究所所長の升間主計さんに多田しげおが伺いました。

超高級魚のクエ

一般的によく知られているクエは、福岡とかでお相撲さんがよく食べる『あら鍋』に使われます。「あら」はクエの地方名です。白身がしっかりしているので、さしみ・焼き物・揚げ物、いろいろな料理に使えます。

分布域は狭く、北限は千葉、日本海なら能登、南限が中国の海南島あたり。大きくなっても40~50kgという報告なので、市場価値がとても高く、1kg当たり6000円~1万円します。数が少ないこともあって非常に高い魚です。

近大でもクエの養殖をしていますが、成長が遅いのがクエの特徴です。

成長が早いタマカイ

一方のタマカイは赤道の近いところ、南アフリカから東はハワイ諸島まで多数分布しています。

主に東南アジア、インドネシア、マレーシア、フィリピンなどに多く分布していて、最大400kg、体長3mくらいまで成長するものもあります。
最大のハタの仲間と言われており、どんどん早く成長するという特徴をもっています。

いいとこどりの魚の出現

そこで、クエとタマカイを掛け合わせると、クエのように美味しくて、タマカイのように成長が早い魚ができるのではないか。
これは人間にとって非常にありがたいことです。

近大では2014年に近大で養殖しているクエの卵に、マレーシアのタマカイの精子を取り寄せ、人工授精させて、ふ化に成功しました。

クエより早く出荷できるクエタマ

ではクエタマ、いったいどういう魚になったのでしょうか?

頭の形、プロポーション、色、模様はどちらかというとタマカイに近いです。
クエの成長は非常に遅いので、近大では2kgくらいから出荷しますが、出荷まで4年から6年くらいかかります。

ところが、クエタマは非常に早く成長する。クエタマは、2年から3年で出荷できるようになりました。

肝心のお味はどう?

肝心のクエタマの味はどうでしょうか?

最初に職員、学生を集めて、官能試験、食味試験をやりました。
クエとまったく変わらない身質をしているということがわかりました。

味はクエとまったく変わらないが成長は早い。これは養殖産業によって、非常にありがたいことです。
人件費、施設費、餌代、経費が大幅に減らせます。コストが安く美味しい魚を作ることができたのです。

クエタマとは、クエのように美味しく、タマカイのように成長が早い魚です。

まずはお試しからいかが?

すでに近大の直営店、大阪梅田、東京銀座には、パイロットショップ的に近畿大学水産研究所のお店があって、近大の養殖魚を食べることができます。すでにこのクエタマも食べることができ、なかなか好評のようです。

近大の養殖魚は、マグロばかりではなく、ヒラメ、鯛など、普通にあちこちに出荷されています。
私たちは知らないうちに近大水産研究所の養殖魚を食べているのです。商業レベルまでもっていくのが、この大学の研究の目的。ただしクエタマの場合、安定的にどんどん生産するまでには、まだ時間がかかるとのこと。

とりあえずのお試し魚は、例えば大阪梅田の店で食べることができるそうです。

もっとも、私は天然のクエを食べたことがないので、クエタマとの味の違いがわからないのがツライです。
(みず)

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