2017年6月1日(木)

こんなに変わった!歴代CMで振り返るサラリーマンの働き方

丹野みどりの よりどりっ! / エンタメ

ユニークなCMで常に話題を集めてきた缶コーヒー「BOSS」。そのBOSSの新作コマーシャルでが、企業戦士時代の終わりを描いています。

CMに吹き荒れる新しい風

上司役の堺雅人さんがオフィスにやってくると、そこには杉咲花さん扮する部下の女性がたった一人だけ。
他の社員はどうしたのかと尋ねても「社長とマネージャーはコワーキングスペース。村山さんと松下さんとクミちゃんは有給消化中。田中さんはリモートでミーティングってことで、みんな来てません」と、そっけなく返されてしまう始末。
これを聞いた堺さんに、ふわっとした風が吹き付けてきます。

続いて、部下の男性役の成田凌さんに「なんで会社来ないんだ?」と、スカイプで問いかける堺さん。
すると「なんで行かないといかないんですか?」と聞き返され、堺さんに今度はブワっと突風が吹き付けます。
「もちろん作業はちゃんとやりますよ」と、公園で赤ちゃんを抱っこする姿を見て「しかもイクメン」とつぶやく堺さんに吹き付ける三度目の新しい風。

最後に、このCMシリーズではすっかりおなじみ「宇宙人ジョーンズ」ことトミー・リー・ジョーンズさんがバイク便のライダーとして登場し、「この惑星では大げさなオフィスは必要なくなりそうだ」と報告します。

これは、4/4から始まったサントリー食品インターナショナルのコーヒー「CRAFT BOSS(クラフトボス)」のCMです。

新しいテーマは「働き方」。
この「新しい風・誰もいない」篇では、従来の慣習に囚われない現代のフレキシブルな働き方や若者の感覚と、そんな時代に翻弄されるサラリーマンの姿を描いています。

バブル期のCMはイケイケ

一世を風靡したCMとそこに描かれているサラリーマンは、時代と共にどのような変遷を辿ってきたのでしょうか。

1989年頃のまさにバブル絶頂期には、テレビCMから数々の新語・流行語が誕生しました。
まずは高田純次さんが演じる「5時から男のグロンサン」。
働きすぎ・飲みすぎ・遊びすぎのサラリーマンを見事に描いていました。

そして、「24時間、戦えますか」というあまりにも有名なキャッチフレーズとヒットソングを生み出した「リゲイン」。
時任三郎さんが演じるのは、海外出張にタフに飛び回る日本人ビジネスマンの姿。
まさに「イケイケバブル時代の象徴」とも言えるCMでした。

やや疲れが見えてきた90年代

バブル崩壊後、お疲れモードに突入してきた1994年。
「ジョージア」では飯島直子さんと安田成美さんが、疲れたサラリーマンに癒しの言葉で語りかけます。
ちょうど「癒し系女優」というジャンルが生まれた頃です。

1996年、リゲインでは本木雅弘さんや佐藤浩市さんを起用し、テーマは一環してビジネスマン。
「全力で行く」「くやしいけれど、仕事が好き」「ビジネスは スポーツだ」「闘うドリンク」というコピーで、まだあくまでも「戦う企業戦士」が前面に打ち出されていました。

しかし、そのトーンが徐々に変化していきす。
「その疲れに、リゲインを」と、コピーを変えた「リゲインゴミ出し篇」。
佐藤さん演じる疲れの抜けない出勤前のサラリーマンが、ゴミ袋と間違えてをアタッシュケースを捨ててしまい、慌てて取りに帰るというコミカルなストーリーにチェンジしました。
このころから、だんだん様相が変わってきたのです。

「3、4時間働けますか」

2000年、ジョージアでは浜田雅功さん、東野幸治さん、間寛平さんなどの吉本芸人たちが「明日があるさ」を歌い人気に。
一方BOSSでは今も変わらぬ人気の「宇宙人ジョーンズシリーズ」がスタート。
「この惑星では、つねにスピードが求められる」「この惑星では、領収書がないと精算できない」といった、日本人の職場環境を皮肉ったコピーが話題となりました。

2014年、ジョージアは新しいCMシリーズに山田孝之さんを起用。
山田さんがとび職・営業マンなど1人で何役もこなし「世界は誰かの仕事でできている」というキャッチコピーで有名となりました。

そしてリゲインは、かつてブームとなった「24時間戦えますか」のキャッチコピーを「3、4時間戦えますか」という現実路線に変更。
このように自らが生み出したヒットフレーズを皮肉ることで、現代に生きるサラリーマンを応援しました。

CMは時代を映す鏡

「CMは時代を映す鏡と言われます。身を粉にして働くことが美学とされていた時代、経済が強かった時代には企業は戦う場所で、自己犠牲的にノルマを達成するべきというものでした。しかしニュースでは過労死、働きすぎによる鬱なども出てきます。日本企業の雇用形態も変わって、こうすればみんなが成長できる、こうすればみんなが成功すると信じていたパターンが『あっ違うんだな』と、みんなが思い始めてきました。これによってそれぞれが思う幸せの形が一昔前より千差万別になってきた分、一つ決めつけて訴えるというCM作りはなかなか難しくなってきているのかもしれません」

しみじみとまとめる丹野みどりでした。
(minto)

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