2018年2月7日(水)

名古屋おもてなし武将隊・豊臣秀吉の猿芝居が”前衛的”な件。

名古屋おもてなし武将隊 戦国音絵巻 / エンタメ

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
2/5の”出陣”は、豊臣秀吉、前田慶次、足軽の陣笠隊・哉太郎(やたろう)です。

今回は「太閤さんの猿芝居」の模様をお届けします。
織田信長から”猿”と呼ばれた太閤・豊臣秀吉が、人の心を掴む演技力を披露するコーナー。
えまき~(音絵巻リスナー)から秀吉に言ってもらいたいセリフが、矢文(メール)でたくさん送られてきました。

いきなり難易度高め

まず選ばれたのはこちらの2つ。

【1】「わしの芝居についてこれるかね?明智君!」

【2】「あらほらさっさ」

これらのセリフを、会話の中でさりげなく秀吉が織り込むことができれば成功。軍師(ディレクター)がOKと判断すれば、童謡「アイアイ」の曲が流れます。お猿さんつながりです。
ちなみに、クリアすればセリフがその都度新たに追加されます。

ここで、セリフの補足説明をしましょう。
【1】は、江戸川乱歩の小説から。架空の私立探偵・明智小五郎に話しかける、盗賊・怪人二十面相の口調をマネたもの。
【2】は、アニメ『ヤッターマン』の悪役・ボヤッキーとトンズラーが、”了解”という意味で使う「アラホラサッサー」のことです。

ただ、秀吉は当然、これらの推理小説もアニメも知りません。
秀吉にとって「明智」とは、明智小五郎ではなく明智光秀。”アラホラサッサー”などは意味不明の言葉でしかないのです。

歌とセリフの融合

では、会話を進めやすいように、えまき~から送られてきた普通のおたよりを哉太郎が読み上げていきます。
Aさんからの矢文です。

「さっき、友だちの娘さんに赤ちゃんが生まれました。お祝いの言葉を頂けると嬉しいです」

さらに哉太郎が「そして慶次様、歌をください」と付け加えました。
昨年末からこの番組では、慶次がオリジナルの歌を即興で歌う流れが生まれているのです。

「よーしよし、歌ってやる!」ムチャブリされた慶次ですが、快く引き受けます。
では歌って頂きましょう。

慶次「チャッチャッチャッチャッ、チャラッチャッチャッチャ、チャラッチャッチャッチャ、エイヤラホッホー、エイヤラホッホー、エイヤラホッホー、おめでとうおめでとうおめでとうおめでとう、エイヤラホッホー、エイヤラホッホー、エイヤラホッホー!お前もこれでぇー!おーおおー♪」

秀吉「あらほらさっさー、あらほらさっさー!おめでとーう!」
(アイアイ♪)

なんと秀吉、見事なぶっこみ。歌の合いの手に使ってきました。いや、慶次との連携プレーが決まったと申しましょうか。
慶次の歌の出来栄えはさておき。

攻略が足踏み

セリフが1つクリアされたので、新たなセリフが追加されます。

【3】「お帰りなさいませ、お嬢様」

これは、いわゆる”執事喫茶”の接客用語ですね。
メイドのコスプレをした従業員がおもてなしするメイドカフェでは、男性客を迎える際は「お帰りなさいませ、ご主人様」と言いますが、その対極とも言うべき執事喫茶では、女性客を迎える際には「お帰りなさいませ、お嬢様」と言うのです。

女性なら、言われて悪い気はしないであろうこのセリフ。

「これは、世の中の姫君は言われたいじゃろうなあ。これはもう、姫たちはソワソワしとると思うで、普通に言わせてもらおう。
お帰りなさいませ、お嬢様』」

しーん。

もっともらしい理由をつけたところで、そんな手抜きは軍師が許しません。あくまでも、会話の中で自然に言ってください。

では、Bさんから届いた普通のおたよりを読んでいきましょう。
「質問ですが、『面頬(めんぽう)』ってどんな時に使うのですか?」

これに慶次が答えます。

「面頬というのは、急所である顔を、弓矢や槍などの攻撃から守るための防具でござる」

要は、戦国時代における仮面・マスクのようなものです。

ここでいきなり秀吉が芝居モードに入りました。
「何と!本能寺で信長様が討たれてしまったと!?今すぐ明智を討てーっ!行くぞーっ!うおーっ!皆々面頬を付けろ!顔を守るのじゃーっ!えいっどうじゃ!わしの芝居についてこれるかね?明智君

しーん。

展開が強引過ぎだったようです。

武将コント「よろず屋」

このままでは埒があかないと思った秀吉は、攻め方を変えることに。
漫才の途中でコントの設定に入る”漫才コント”という手法を、取り入れてみました。

秀吉「わし、最近やりたいことがあるんじゃけど。よろず屋…現世のコンビニじゃな、コンビニの店員なるものをやりたいで。お主ら、客をやってもらってええか?」

慶次と哉太郎に協力を得て、始まります。

慶次「ウイーン(自動ドアが開く音)。外は寒いなあ、哉太郎なあ」
哉太郎「左様にございまするー」

秀吉「いらっしゃいませ!お帰りなさいませ、お嬢様!」

慶次「哉太郎、この店員大丈夫か?」
哉太郎「慶次様、拙者、女子(おなご)に見えまするか?」
慶次「いや、お主、男子(おのこ)じゃろ」

秀吉「お嬢様!何にいたしますか?」

慶次を見ながら呼びかけ続ける秀吉。仕方なく設定に乗る慶次。

秀吉「お嬢様!いかがなされましたか?何でもいたしますぞ」
(そもそもコンビニ店員はこんなグイグイきません)

慶次「わらわは、慶子よ。そなたは、肉まんを出してくれるかしら?」

秀吉「はい、喜んで!ホカホカの肉まん用意しております」

慶次改め慶子「待て!わらわはそんな肉まんはイヤじゃ!上肉まんが欲しい!」

秀吉「上肉まんなどありませぬ!私の店には肉まんか、特上肉まんしかございませんが…」

慶子「うーむ。このよろず屋、何ていう名前!?」

秀吉「よろず屋…たいこう・たいこうです!」
(アイアイ♪)

大衆演劇ではない

なぜここで「アイアイ」が流れたのかというと、着地点の見えないシュールなやり取りに、軍師がタオルを投げたからなのでした。これ以上続けたら放送事故です。

仕切り直しと行きたいところですが、ここからさらに混沌の沼へと沈んでいってしまいます。
それはとても文章では書き起こせない、難解な世界観。以下の一文は、この後続いたシュールなやり取りからの抜粋です。

秀吉「お客様。今宵のうどんは一味違うんです。戦って私を倒したら、このうどんを出しましょう。殴り合いしましょう」

さっぱり意味不明です。
今回の芝居は、前衛的なアングラ演劇風味となりました。
ただ単純に滑ってるとも言えますけれども。
(岡戸孝宏)

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