2017年10月18日(水)

大谷ノブ彦の人生を変えた、失恋料理店

大谷ノブ彦のキスころ / エンタメ

ダイノジ・大谷ノブ彦が音楽・映画・名古屋のグルメ・和菓子・中日ドラゴンズなど、好きなものをアツく語る番組『大谷ノブ彦のキスころ』。

10/15は、この番組では珍しく大谷自らの恋バナを披露しました。

大谷の人生を変えたとも言うべき、失恋の話。
それは、1通のおたよりを紹介したことから始まったのです。

よしもとは変わった事務所

リスナーからのおたよりです。

「プロ野球はクライマックスシリーズで盛り上がっていますが、中日ドラゴンズは5年連続Bクラスと寂しい限り。この時期は戦力外通告も始まって、これも寂しいけどプロの厳しい世界、仕方ないよね。
大谷さんの世界でも、よしもと(クリエイティブ・エージェンシー)と契約更新とかするんですか?戦力外通告もあるの?サラリーマンの世界には露骨なものはないけど、私の年齢では今の給料だと戦力外です…」

余りにも切ないおたよりに苦笑する大谷ですが、契約について答えます。

「私、大谷が所属するよしもとは変な会社で、芸人さんと事務所との間で実は1回も契約を交わしてないんですよ。よく報道で、タレントが不祥事起こして『契約を打ち切りました』ってよしもとが言うじゃん。そもそも契約書を書いたことがないんだから。すごいアバウトな会社。だから更新もないですよ」

これ、本当の話らしく、明石家さんま・ダウンタウン松本人志・ナインティナイン岡村隆史・極楽とんぼ加藤浩次らも過去に同様な発言をしています。

大谷によると、よしもと芸人は基本的に、不祥事や反社会的勢力とのつながりでも無い限り、“クビ”にはならないそうです。
いくら面白くなくても、ウケなくても、クビにはならない。ただ出番は確実に減っていくということです。

そして「滑る」というのは、精神的にも体力的にもツラいようで、最初は笑わない客のせいにするのですが、そのうち自分の力量に気付いて、自発的に「解散しよう・辞めよう」となっていくのです。

運命の出会い

ダイノジの場合は、1994年にデビューしてから2年ほど、全然笑いが取れなかったそうです。

このままいってもダメなはずだと思いつつも、強がっていたという大谷。
相方の大地洋輔が気を使って「客が分かっていないだけなんだよ。大谷は間違ってないよ」と、実は精神的に弱い大谷を励ましていたんだとか。

それで大谷は「空威張りができた」と言います。
ガツガツと前に出ることもなく、後ろから余裕あるように傍観者を決め込んでいれば、滑ることもない。さも自分が面白い立場の人間であるかのように居続けられる。
そんなまやかしに守られてプライドを保っていた2年間だったと述懐します。

そのプライドがある日ポキンと折れました。大谷ノブ彦23歳、大失恋します。

当時、韓国料理店で友だちA君・B君と3人でバイトしていた大谷青年。そこで共に働いていた正社員の女の子が、大谷の好みにドンピシャでした。A君もB君も彼女を好きで、まさしくマドンナ的存在だったのです。

その女の子の母親が病気になり、いつも早退して帰っていくのを見て「俺たちで何かしてあげたい、力になってあげたい」と思いながらも何もできず、もどかしい日々。

モテるタイプでもない大谷は、なかなかマドンナと親密になれない状況に焦りを感じ、禁断の行為に出たのです。
抜け駆けです。
1人だけ先にその子に告白してしまったのです。

彼女の返事はOK。

「悪いけど俺、付き合うことになったんだ」と友だちに事後報告すると、A君もB君も人間ができていて、ドヤ顔の大谷に「おめでとう!」と祝福してくれたのでした。

幸せの頂点!のハズが…

日曜日に初めてのデート。彼女はファッションに造詣が深いらしく、渋谷のいろんなデパートを歩き回ります。
「ただの、音楽や映画が好きなボンクラ」だったという大谷は、そんなところには行ったことがありません。初めて見る世界です。

靴を何足も試着しては全然買わないという、女の子のショッピングによくある楽しみ方に、飽きてきていた大谷。会話もだんだんなくなっていきました。何とか話をつなげなきゃ…。
そして、つい口を滑らせてしまったのです。

「実は友だちのAとBも、キミのことが好きだったんだ」

すると、彼女の表情が一瞬曇りました。
「ああ、そうなの…?」

その顔は今でも大谷の目に妙に焼きついているといいます。

そのままデートを終えて、別れる時も彼女のテンションは下がり気味。何か思い詰めたような顔をしているのでした。

まるでドラマのよう

翌日の月曜日。2人は、新橋のカフェで朝7時半に会う約束をしていました。

バイト先の店には、ランチタイムの準備をするため大谷は朝9時に行きます。彼女は正社員なので、8時半に入らなければいけません。
そこで、7時半からカフェでおしゃべりして、彼女が先に店に行く。30分後に大谷が行く。…という、システムにしたのです。
“時差同伴出勤”とでも申しましょうか。

しかし、7時半になっても彼女が来ません。楽しみにしていた大谷はそわそわ。当時は携帯電話も普及していませんから、連絡もつきません。

すると彼女が、職場に行くギリギリの時間に、走ってカフェに入って来たのです。
そしてひとこと。

「ごめん。今日からもう付き合えない。私、A君のことが好きなんだ。」

大谷が抜け駆けして告白したからただ付き合っただけで、本当は友だちのA君が好きだという気持ちに気付いてしまったのです。

ピンチをチャンスに変える!

その後、気まずい中ランチ営業が終わり、遅番のA君が出勤してきて、不思議そうに大谷に尋ねてきました。

「急にさあ、あの人から『付き合って』って言われたんだけど…。だってお前と付き合ってたんじゃないの?」

「いや、そうなんだけど、間違いで、本当はお前のことが好きだったみたいよ。2人はお似合いだから、絶対幸せになれよ!」
強がる大谷。

しかしそんな、元カノと友人がラブラブな中でのバイトはツラい。ツラすぎます。
その時大谷は気付いたのです。
「俺、芸人なんて言ってるけど、舞台で笑いも取れてねえ。大学も卒業したのに何の肩書もねえ。『ただ笑いの取れない自称芸人のフリーター』だ」

それがもう悔しくて悔しくて。何も夢中でやってなかったと。もう言い訳はやめようと。

そこから大谷は急に、コントの練習を1日12時間やり始めたのです。なんて極端な。
出番でもないのに朝10時に銀座七丁目劇場に入り、屋上で夜10時まで、1分のネタをひたすら稽古。
相方の大地も、大谷に振り回されてたまったもんじゃありません。

しかしこれが功を奏したのか、舞台でウケだしたというのです。

失恋をバネにして、人生を変えることができた大谷。今でもその女の子に感謝しているそうですよ。
(岡戸孝宏)

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