CBCラジオ『ドラ魂キング』、「川上憲伸、挑戦のキセキ」は、野球解説者の川上憲伸さんが、自身のプロ野球人生を「挑戦」という視点から振り返るコーナーです。
1月21日の放送では、2002年秋の日米野球でバリー・ボンズ選手やイチロー選手と対戦した際のエピソードを伺いました。習得したばかりのカットボールは、ドリームチーム相手に通用したのでしょうか。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。
初球、気づいたらスタンドに
川上さんがアメリカで習得したボールを、2002年の春季キャンプで谷繁元信捕手が「カットだよ」と名付けてくれました。
そのシーズンを終えた秋、山田久志監督1年目のオフに日米野球が開催されます。バーニー・ウィリアムス選手、バリー・ボンズ選手、そしてイチロー選手ら、素晴らしい左バッターが揃ったメジャーリーグの選抜チームを相手に、川上・谷繁バッテリーが挑みました。
当時ダイエー(現ソフトバンク)の本拠地だった福岡ドームでの試合。バリー・ボンズ選手との対戦で、谷繁さんはまずアウトコースのストレートを要求しました。
川上「初球、キャッチャーミットに入る瞬間、『はい見送った』と僕も安心。『まず1球ストライクだ』と思ったら、気がついたらスタンドに入ってました」
なんとなくバットを振りながらタイミングを取っているように見えたのに、いきなりセンターバックスクリーンへ。
後で聞くと、谷繁さんも「俺、初球見送ったと思って、もうミットに入ったと思った。そしたらいきなり入った。びっくりした」と話していたそうです。
カットボールでバット折り
第2打席目、谷繁さんの要求通りにインコースやや高めにカットボールを投げると、バリー・ボンズ選手のバットが折れました。結果はショートフライ。
イチロー選手と対戦した時も、川上さんはこのカットボールを投げて抑えました。すると、選手たちの間で「日本にカット投げるやついるのか」「日本にもひとりいるよ、今回のメンバーの中にも」という話になったそうです。
バリー・ボンズ選手がバットを折られることはあまりなかったらしく、「なんであんなボール投げるんだ」という反応だったといいます。
メジャーからの誘い
川上さんは「ここは自慢話なんですけど」と前置きしつつ、日米野球での活躍がアメリカでも評価されたことを明かしました。
川上「谷繁様様なんですけど。左バッターに延々とカットボールばかり投げてたんで」
1ヶ月後の契約更改で、球団の交渉担当者から思わぬ話を持ちかけられます。
「川上くん、今年ポスティングで行かないか、アメリカに」
突然の提案に川上さんは驚きます。「なんでですか」と聞くと、「日米野球で、アメリカの方で株が上がっちゃったんだよ。今ならすごく高く君を買おうとしてくれてる」という答えが返ってきました。
川上さんは「いや、そんな気ないです」「ちょっと自信ないです」と断りました。「本当か、もうラストチャンスだぞ」と言われたものの、結局この時は行きませんでした。
読売ジャイアンツ戦でノーヒットノーランを達成し、日米野球ではメジャーリーガーを相手に堂々とした投球を披露。アメリカからも高い評価を受けました。
この年の活躍を土台に、のちに川上・谷繁バッテリーは最優秀バッテリー賞を受賞することになります。
(minto)
ドラ魂キング
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2026年01月21日16時32分~抜粋