韓国プロ野球チームの起亜タイガースでコーチを務める、元中日ドラゴンズの中村武志さんが、3月10日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』に電話出演しました。
ダイノジの大谷ノブ彦、加藤里奈と今季ドラゴンズ打順について語るうち、星野政権時代のことを振り返る中村さんです。
4番石川問題
井上一樹監督がマスコミを通じて、石川昴弥選手を4番に起用することを公表しました。
それを受けて、リスナーから投稿が寄せられていました。
「監督の強い気持ちはよくわかります。しかしオープン戦での石川選手の成績はどうでしょう。4番はとっかえひっかえするものではないと思うので、どれだけ我慢できるかですかね」(Aさん)
細川成也選手を6番に固定することについても、意見が寄せられていました。
中村「細川選手が6番にいれば、それは強力な打線ですよね」
4番石川選手について、井上監督は「将来の4番を作りたいから」と言います。
監督は4番と心中
大谷「1986年かな。当時の西武の森(祇晶)監督は、清原(和博)選手をいつ4番にするかをずっと悩んで、最終試合の7試合かなんかで初めて4番にするんですよ」
松井(秀喜)選手もある程度3番で起用して、風格と結果が出てきてから4番で固定され始めたそうです。
清原選手、松井選手の4番は結果を出して勝ち取ったもの。
大谷「それに対して今回の石川選手の4番は完全に与えたもの。皆さんがアレルギーを感じているのは、それでいいのか?っていうことだと思うんです」
中村「いやあ、大谷さんも勉強してますねえ。4番に据えたら、監督と4番は心中ですよ」
過去の4番は?
実は中村さんが現役の頃のドラゴンズでは、4番打者を育てて作ることはなかったそうです。
というのも、当時はファンも選手も誰もが認める4番打者がいました。
中村さんがドラゴンズにいた1985年から2001年の4番には、ゲーリー・レーシッチさん、落合博満さん、大豊泰昭さん、アロンゾ・パウエルさん、山﨑武司さん、さらに井上現監督などの選手がいました。
中村「我々の時代は当たり前に4番バッターがいましたからね」
4番はどうなる?
中村「4番バッターは調子で代えるようでは困るので、長打力もあって他チームに警戒される細川君がいいんじゃないかと勝手に思ってますけどね」
大谷「でも井上監督は石川選手に期待している」
井上監督は、新しいドラゴンズの4番として石川選手を育成するつもりなのでしょうか?
中村「勝ちにこだわらないといけないので育成じゃダメだと思いますよ。井上監督が石川選手と心中すると腹を決めていくんであれば大賛成ですけど」
大谷「中村さんが言う『心中』という言葉が一番ふさわしいんでしょうかね」
正捕手になった時
中村さんへの質問が寄せられました。
「武志さんが正捕手になれたのは、星野さんの厳しさがあったからこそだと思います。正捕手になった時は嬉しかったですか?」(Bさん)
大谷「これも、武志さんって正捕手を与えてもらいましたよね。当時。自分の中では勝ち取ったって感じでした?」
中村「生意気言うわけじゃないですけど、正捕手になった気分ではなかったです(笑)」
中村さんの感覚では扱いは補欠。試合には出してもらっていたと感じていたそうです。第二期星野政権、30歳ぐらいで初めて正捕手としての責任感が出てきたと振り返ります。
正捕手のプレッシャー
大谷「無我夢中で四番打とうとしてる今の石川選手は、その時の武志さんの感覚に近いですかね」
中村「それが彼にとってプレッシャーにならなきゃいいんですけどね」
当時の中村さんはどうプレッシャーを感じていたのでしょうか?
中村「プレッシャーという言葉知らなかったですから」
大谷「プレッシャーって言葉知らないって何なんですか!(笑)」
中村「野球してるプレッシャーはない。ベンチの緊張感とベンチの誰かさんのプレッシャーだけですよ、僕は」
大谷「あ、そっか。試合に出る緊張を上回るプレッシャーがあったんだ(笑)」
中村さんにとって、プレーを上回る星野監督のプレッシャーが、結果的にはよかったようです。
『鬼滅の刃』の世界
「オープン戦、足を使った攻撃が見られて期待が膨らみます。中村さんから見たこれからの走塁の課題は?」(Cさん)
中村「野球で走塁はスランプがないので、絶対シーズン通してやるべきですよ。バッテリーはものすごく嫌だから、どんどん走らないとダメです」
大谷「ちなみに星野さんは、盗塁失敗したら、ベンチではどうだったんですか?」
中村「ひと呼吸しますね」
この返しに大爆笑する大谷。
中村「そこを選手がどう判断するかです。今の呼吸はいいのか?今の呼吸はダメなのか?」
大谷「呼吸を読む。『鬼滅の刃』みたいな感じだったんですね」
この先、4番石川問題はどうなるのでしょう?
(尾関)
ドラ魂キング
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2025年03月10日17時18分~抜粋