『ドラ魂キング』(CBCラジオ)、音楽好きで中日ドラゴンズビギナーの佐藤楠大アナウンサーが、普段は一部分しか聞かない選手の登場曲を深掘りして紹介するコーナー「佐藤楠大のウォークアップソング」。
11月21日の放送では、岩嵜翔投手の登場曲、Mr.Childrenの「足音 ~Be Strong」を取り上げました。この曲に込められた岩嵜投手の思いとは?その背景を紐解きます。
ドラゴンズへの恩返し
岩嵜投手は今年で35歳のベテラン。市立船橋高校からソフトバンクに加入し、2021年にドラゴンズに入団しました。
2022年にトミー・ジョン手術を受けて育成契約となり、2024年シーズンに怪我を乗り越え復帰。6月に支配下登録へと返り咲いた選手です。
今シーズンはFA権行使の話もありましたが、ドラゴンズへの残留を決めました。
この件について佐藤が尋ねたところ、岩嵜投手は「親しみ出したドラゴンズでトミー・ジョン手術をさせてくれた恩もある。何よりもまだドラゴンズで何も成し遂げていない」と語っていたそうです。
登場曲を戻した理由
岩嵜投手の登場曲は、Mr.Childrenの「足音 ~Be Strong」。
この曲を選んだきっかけは、2016年に放送された小栗旬さん主演のドラマ『信長協奏曲』(フジテレビ系)の主題歌だったこと。その際に耳にした歌詞が心に響き、登場曲として使い始めたといいます。
2019年のシーズンまではこの曲を使っていましたが、2020・2021シーズンはmiwaさんの別の曲を採用。ドラゴンズへの入団後、登場曲を再度「足音 ~Be Strong」に戻しました。
その理由はこうです。
古巣との対決がきっかけ
岩嵜投手はこの曲を使い始めた2016シーズンは35登板、2017シーズンは72登板と、かなり多くの試合に登板していました。
岩嵜投手は「試合に出ているということは、この曲自体がかなり定着したということ」と語っています。
その後、ドラゴンズに加入し、トミー・ジョン手術後に1軍で登板した時の相手が、古巣のソフトバンクでした。
「古巣への思いも込めて、ファンの方が親しんでくれたこの曲を登場曲に選択した」という経緯があったそうです。
歌詞の魅力を深掘り
ここからは、佐藤による「足音 ~Be Strong」の深掘りです。
「足音 ~Be Strong」は、スローテンポで、一歩一歩を大切に進んでいくようなメロディーが特徴。マウンドに向かう岩嵜投手の姿勢と重なる部分があり、歌い出しから心をつかむ魅力的な楽曲です。
冒頭のフレーズは「新しい靴を履いた日は それだけで世界が違って見えた」。
佐藤「このフレーズ、なかなか納得感ありますよね。自分で新しい靴を買って履いていく時は、少し歩くスピードも速くなるし、心もウキウキになるし、軽やかな気持ちになる。それを"世界が違って見えた"と例えている。いいフレーズですよね」
一歩ずつ前に進む大切さ
一番のサビは「夢見てた未来は それほど離れちゃいない また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!」。
二番のサビは「今という時代は 言うほど悪くはない また一歩 次の一歩 靴紐を結び直して」。
佐藤「『一歩ずつ進んでいこう』という思いが込められていますし、『今いる道は間違ってないぞ』ということを言ってくれてるんですよね」
この曲は、自分の歩んできた道のりを信じ、たとえ立ち止まることがあったとしても、それを「靴紐がほどけて」と表現し、結び直してまた進んでいこうという決意を歌っています。
一歩ずつ前に進む大切さを教えてくれる曲です。
支えを胸に前進する覚悟
曲の最後のフレーズは「この足音を聞いてる 誰かがきっといる」。
佐藤「ひとりで歩いてるわけじゃなくて、支えてくれてる人がいるということ。周りの人たちの力ももらいながら、『今、自分は歩いているんだぜ』というのを伝えるワンフレーズだと思います」
岩嵜投手が一歩ずつ前進し、支えてくれる人々への感謝を胸に、挑戦を続ける覚悟を象徴している曲です。
コーナーの最後に、Mr.Childrenの「足音 ~Be Strong」をオンエアしました。
(minto)
ドラ魂キング
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2024年11月21日18時37分~抜粋