ドラ魂キング

中日OB・彦野利勝が語る!プロ野球契約更改の舞台裏と年俸交渉のリアル

沖縄秋季キャンプの参加選手を中心に、続々と契約更改が行なわれています。

11月7日放送の『ドラ魂キング』(CBCラジオ)では、プロ野球選手として契約更改交渉を何度も経験した彦野利勝さんが裏話を語りました。

聞き手は高田寛之アナウンサーと三浦優奈です。

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同僚の交渉結果が気になる!?

活躍した年の契約更改について「『どうだろう、ああだろう』って想像しますけどね。ちょっと無理なぐらいの数字を」と、笑いながら振り返る彦野さん。

高田「当時は川又(米利)さんや仁村徹さんの方が先だったら、『徹さんがこれだけアップしたんだから、俺は…』っていう想像はするんですか?」

彦野「もちろん、だいたい同じような立場の人たちの年俸は気になりますよね」

お互いに面と向かってその話はしないものの、微妙なのは交渉の日にち調整。

彦野「どっちが先にやるとか、この辺の探り合いはありますよね」

これはもちろん、後の方がやりやすいそうです。

圧倒的No.1 落合博満

彦野さんが在籍していた当時、中日ドラゴンズには12球団でNo.1の年俸を誇る絶対的な存在・落合博満さんがいました。

彦野「その人がMAXなわけですよ。ここからの話をされるわけですよ、絶対に」

トップに君臨する落合さんを基準に、球団からは「だから、あなたの今のランクでいくといくらなんでしょうか?」という話をされるそうです。

彦野「『君と落合選手の間に何人いるかわかってるかね』とか。そうなると、その人より多くはもらえないわけでしょ。ランクじゃないけど付けられてるわけですよ、勝手に」

長い現役生活の中で「今年は頑張った!」という年はあるもの。

彦野「例えば本当は500万なんだけど、『800万上げてください!』みたいな気持ちはあるわけですよ。それはやり取りして『じゃあもう100万だけ』とか」

球団との交渉の中で、彦野さんの提示額が上がったことは一度だけだと言います。

即サインは「男らしさ」の象徴?

彦野「あんまり文句を言ったこともないんですよ。保留は1回だけありますけど。それも最後の最後ですよ。代打でやってる時ですよ」

スタメンで出ていた年は、1回目の交渉ですっきりとサインしていたという彦野さん。

昔は「ごねている」と思われるのを避け、早めにサインすることが美徳とされる風潮があったといいます。

彦野「逆に1回で押すと『男らしい』『あいつはいいやつ』みたいな」

高田「昭和やな~」

彦野「でも今は『ああー、ごねときゃ良かったな』って今、たぶんみんな思ってると思う」

球団間で異なる年俸事情

同じ球団の選手はもちろんですが、他球団の様子も気になっていたそうです。

彦野「自分と同じような成績の選手はいくらもらってるんだろう。『あそこの球団、こんなに少ないの?』っていうところもあったし、『こんなもらってんの?』って。球団によって違うわけですよ」

その中でも、中心にいたのは落合さんというわけです。

彦野さんの世代はバブル経済真っただ中。ところが野球界にはまだ、バブルの恩恵はありませんでした。

バブルが弾けた後、平成5~7年頃にようやく野球界の給料が上がり始めてきたといいます。

彦野「それはなぜかというと、FAというのができたんですよ。93年か。その時から景気よく給料をボンボンと上げていかないと」

FA制度の導入やメジャー流出の話が、年俸アップの大きなきっかけとなったようです。

歴史の証人は語る

高田「その頃って、予想してたより『えっ!こんなに上がるんですか!?』みたいな時もあったわけですか?」

彦野「それこそ10.8の年ですか。94年。あの時、数字もまあまあよかったんですけど『えっ?』って思いましたね」

もっと少ない数字を予測していたため、「ありがとうございます!」という気持ちになったんだそう。

彦野「『こういう時代なんだ』って初めて思いました。5年前であれば、絶対こんなに上がってないよなって。ああ、もうこういう風なんだって」

高田「ある意味、歴史の証人だ」

彦野「だからもっともっと上がるんでしょうね、今の人は」

さまざまな時代を知る彦野さんならではの、貴重なエピソードでした。
(minto)
 
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2024年11月07日18時29分~抜粋

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