元中日ドラゴンズ選手で今季限りでユニフォームを脱いだ荒木雅博さんが、12月14日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』に出演しました。
ドラフト1位指名で入団した荒木さんですが、当時の意外な裏話などを振り返りました。
聞き手はCBCの高田寛之アナウンサーと三浦優奈です。
社会人の体にびっくり
この日は名古屋市内のホテルで、新たにドラゴンズに入団する選手たちの会見が行われました。
1995年の入団会見を振り返る荒木さん。
荒木「緊張感はすごかったですね。夢とか希望とか、どう答えるか一瞬忘れました」
荒木さんは熊本工業高校からドラゴンズへ入団。
会見の時はまだ高校生だった荒木さん。同期入団の社会人たちが野球選手の身体に仕上がっていることに驚いたそうです。
荒木「こんなにみんな身体がいいんだ、と思って緊張しましたね」
いい思い出
当時の監督はは星野仙一さん。星野監督にはひと際違うオーラがあったそうです。
荒木「そこに一番緊張したかもしれません」
会見の時に監督と話した記憶はありますが、内容は全く覚えていないほど緊張したという荒木さん。
会見には両親も来ていて、家族にとっても晴れ舞台でした。
荒木「入団会見っていい日ですね。一番いい思い出ですね」
数年前から入団会見の前日に、監督、スタッフ、選手とその家族を交えた食事会が行われるそうになったそうです。
荒木「できればキャンセルしたいでしょうね(笑)。とりあえず年明けまでは先延ばしにしたいかなと思いますよね」
新人の気持ちを慮る荒木さんです。
誰でもいい…で、俺?
熊本県出身の荒木さんは、この会見で初めて名古屋に来たそうです。
当時の名古屋への印象は「とにかく都会」だったそうです。会見後は放送局を回ったとか。
荒木「なんでドラフト1位で取られちゃったんだろう。4位ぐらいだったら、こんな大騒ぎにならなかったのに、エライことしてくれたなっていう思いがありました(笑)」
ドラフト1位で入団した荒木さんですが、事前に1位指名するとは一言も言われていなかったそうです。
実はドラゴンズ、この1995年のドラフト会議で福留孝介選手を1位指名する予定でした。しかし抽選で外れ。さらに外れ1位の原俊介選手まで外してしまいました。
荒木「そういうのが重なって、星野監督が『もう誰でもいい』って言ったのが、僕だったらしいんですよ(笑)」
この話題は、ファンの間で都市伝説的に語られていましたが、正真正銘の事実だったようです。
当初、荒木さんは4位指名選手の予定だったとか。
「誰でもいい」の声で思いがけず1位入団となった荒木さんですが、その後「アライバコンビ」として二遊間で活躍し、2000本安打も達成して球史に残る選手になりました。
ちょうどいいドラフト
荒木さんの同期で、現在育成野手コーチの渡邉博幸さんによると、星野監督が1995年のドラフトの翌日「ダメなドラフトだ」と話したそうです。
しかも星野監督のドラフト採点は100点中、なんと2点。
荒木「僕は、2点のドラフトの中の1位ですから、他チームで言ったらドラフト7位ぐらいかな(笑)」
こう嘆く荒木さんですが、この時のドラフト同期入団の選手たちは、荒木さんをはじめ仲がよく、今でも連絡を取りあっているんだとか。そのLINEグループの名前が…。
荒木「『ダメドラフト1995』って書いてあります(笑)」
いま振り返ると、現役時代に活躍し、その後もコーチとして球団に貢献している人も多く、充実したドラフトと言えます。
荒木「そのぐらいがいいんですよ。最初からできるって言われるよりはね。ちょうどよかったなと思います。長いこと球団に残れてるのがいいことだなと思いますよ」
(尾関)
ドラ魂キング
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2023年12月14日17時51分~抜粋