ドラ魂キング

中日OB・岩瀬仁紀が明かす「1,000試合登板」を支えた二人の男

守護神として中日ドラゴンズを支えた野球解説者の岩瀬仁紀さんが、11月16日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』に出演しました。

通算1002試合に登板し、407セーブの記録を持つ球界のレジェンドの岩瀬さんが、通算1000試合達成時の録音を聴きながら当時を振り返りました。
聞き手は、この試合を実況した高田寛之アナウンサーと三浦優奈です。

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実況アナが緊張した

デビューから15年連続50試合登板という記録も持つ岩瀬さん。そのモチベーションはどこにあったのでしょう?

岩瀬「僕の時はチームの優勝ですよね。優勝するには自分が1年間いないといけない。1年間いるためには最低50試合は投げるだろうといった気持ちでいました」

そして2018年9月28日、岩瀬さんの通算1000試合目の投球をラジオで実況したのが高田寛之でした。

高田「今でも覚えています。投げるボールを伝えるのに、一球たりとも遅れまいとめちゃくちゃ緊張したのを覚えてます。だって、こんな瞬間ないんだもん」

一方の岩瀬さんは全く緊張していなかったとか。「やることはいつもと変わらない」との平常心だったようです。

2015年は肘の故障で一度もマウンドに立てず、2016年と2017年は中抑えで登板。
そして1000試合目となる阪神戦での登板は、1点リードの9回でした。

岩瀬「久しぶりに9回で投げたんで、帰ってきたなって感じで投げてました」

ピッチャー岩瀬、背番号13

番組では当時の実況中継の最後の場面を聞きました。

「ドラゴンズ、ピッチャー佐藤に変わりまして岩瀬。背番号13」とアナウンスされると大歓声が起きました。

高田「前人未到の大記録のマウンド。さあ最後、ストッパーとして1イニングを締めくくるか。バッターは糸井。ツーボール、ツーストライク。投球は次が5球目。岩瀬仁基、あとストライク一つ」

ざわつく観客。

高田「投げました。打ちました。手打ちになった。ショートゴロ。ショート、ボールを取った、京田一塁送球。アウト!」

ファンの歓声が力になる

ヒーローインタビューに答える当時の岩瀬さん。

岩瀬「まさかここまで来るとは思わなかったんですけど、最後はしっかり頑張りたいと思いました。
今日のこの歓声は自分の中に凄く響きました。ありがとうございます」

当時のインタビューを聴いての岩瀬さんの感想です。

岩瀬「思い出しましたね。マウンドに上がる時のあの歓声で、自分がやって来たことがすごく報われた。
また頑張る気持ちになれたのも、あの歓声だったんです。またいま気持ちが引き締まりましたね」

背中を押してくれた言葉

そして1000試合登板をこう振り返ります。

岩瀬「そこまで辿り着くまで時間がかかりましたけど、まあ選手である以上、頑張らないといけないので、やることをしっかりやったことの積み重ねですよね」

当然ののように話す岩瀬さん。

実は2015年に故障した際、引退も考えたそうです。
その時点で400セーブも達成していて、登板試合数は900数試合でしたが、さらに3年現役を続け、100試合を積み重ねられたのは、当時GMを務めていた落合博満さんの言葉がきっかけだとか。

岩瀬「落合さんに『もう辞めようと思ってます』って言ったら、『お前はこのまま辞めるな。もう1年頑張れ』と。そこからでしたからね」

岩瀬さんに騙された?

岩瀬さんは落合さんの言葉で、さらに続ける決意を固めました。
しかしもうひとり、岩瀬さんと一緒に引退する気になり、本当に辞めてしまった投手がいました。

それは川上憲伸さんです。

岩瀬「それが憲伸がよく言う『岩瀬さんに騙された』って話です。俺が先に辞めちゃったじゃん?
『ガンさん(岩瀬)辞めるから俺も辞める気持ちになったのに、どういうこと?』ってよく言われます(笑)」

落合博満さんの熱い言葉に加え、川上憲伸さんのオチまでついたレジェンドならではのエピソードでした。
(尾関)
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2023年11月16日18時16分~抜粋

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